今日の読書 27000冊ガーデン/大崎梢
神奈川の西側の県立高校の図書館に勤める学校司書の星川駒子が生徒の巻き込まれた事件を相談されたり遭遇したりしたものを、出入りの書店員の針谷の協力を得ながら解決するという日常の謎系寄りのミステリーになります。
大崎梢は元書店員という経験も踏まえて本に関係する仕事現場で起きるミステリーを得意としていて、同時に作品内に現実の作家や作品名を頻繁に登場させて、小説内で読書を普及させる狙いが組み込まれていることが多いのですが、今回もそれにばっちりとはまっています。
高校の図書館という事で、赴任した学校による図書館の扱いの違いであるとか、読書に興味が無い生徒を興味が向くように誘導するようにしているとか、作品名も作家名も分からないけれども書かれた中身から作品を見つけたりなどは個人的に楽しくなるものですね。
出てくる作家も基本的に有名所、有名作品に触れることが多いので、読んだ事があるものや、読んだ事は無いけれどもタイトルだけは知っているとかですので、良い意味で分かりやすく出てきたタイトルのものから読者が何かしら読んでみようかとなったらば狙い通りというのを感じます。
そういや自分は高校の図書館で本を借りるという事はした覚えが無いという事に気がついた…
大崎梢は元書店員という経験も踏まえて本に関係する仕事現場で起きるミステリーを得意としていて、同時に作品内に現実の作家や作品名を頻繁に登場させて、小説内で読書を普及させる狙いが組み込まれていることが多いのですが、今回もそれにばっちりとはまっています。
高校の図書館という事で、赴任した学校による図書館の扱いの違いであるとか、読書に興味が無い生徒を興味が向くように誘導するようにしているとか、作品名も作家名も分からないけれども書かれた中身から作品を見つけたりなどは個人的に楽しくなるものですね。
出てくる作家も基本的に有名所、有名作品に触れることが多いので、読んだ事があるものや、読んだ事は無いけれどもタイトルだけは知っているとかですので、良い意味で分かりやすく出てきたタイトルのものから読者が何かしら読んでみようかとなったらば狙い通りというのを感じます。
そういや自分は高校の図書館で本を借りるという事はした覚えが無いという事に気がついた…
今日の読書 いつまで/畠中恵
病弱な若だんなと愉快なあやかしたちが活躍する『しゃばげ』シリーズの新作の長編になります。
このシリーズは長編だとそれだけで危機感の強い大事になるのが定番ですが、今回もその流れをしっかりと汲んでいます。
長崎屋にいる妖である、噺家の場久、火幻医師が姿を消し、その原因は西から来た妖の以津真天だとわかり、若だんなが彼らを救おうとしたところ、5年後に飛ばされてしまい、若だんな不在の間に変わってしまった江戸から何とか元の時代に戻ろうとするという話になります。
読む度にこのシリーズはどこかで区切りというか完結編というものに到達するように思わせているものだから、結末を知りたいという気持ちと続いて欲しいという気持ち両方持ち合わせていて、今後が気になるというようなものになるのですが、何となくですが今回5年後を描いたという事で、シリーズとしても5年は続いているのだろうなと思ったりも。
このシリーズは長編だとそれだけで危機感の強い大事になるのが定番ですが、今回もその流れをしっかりと汲んでいます。
長崎屋にいる妖である、噺家の場久、火幻医師が姿を消し、その原因は西から来た妖の以津真天だとわかり、若だんなが彼らを救おうとしたところ、5年後に飛ばされてしまい、若だんな不在の間に変わってしまった江戸から何とか元の時代に戻ろうとするという話になります。
読む度にこのシリーズはどこかで区切りというか完結編というものに到達するように思わせているものだから、結末を知りたいという気持ちと続いて欲しいという気持ち両方持ち合わせていて、今後が気になるというようなものになるのですが、何となくですが今回5年後を描いたという事で、シリーズとしても5年は続いているのだろうなと思ったりも。
今日の読書 ヨモツイクサ/知念実希人
北海道旭川、黄泉の森と呼ばれ地元の人々が踏み行ってはならないという禁忌の森があった。
その地でホテル開発が行なわれることになっていたが作業員が行方不明となってしまったが、近所ではかつて家族が忽然と姿を消す神隠しとしか思えない事件も起きていて、さらに禁忌の地としてかつて生け贄として差し出された娘が恨みを晴らしたという伝説もあった。
作業員行方不明事件はヒグマに襲われたという事が可能性として高いと捜査していくが…という話となりますが、読み進めていく中でもなかなか結末が予測出来ないものとなっています。
できれば帯に書かれている設定は目に入れない方が良いのではないかなぁというのはありますが、どういうジャンルの物語なのかが分からないと読むかどうかも決める事ができないというのが難しいところだよなぁっていうのもありますね。
その地でホテル開発が行なわれることになっていたが作業員が行方不明となってしまったが、近所ではかつて家族が忽然と姿を消す神隠しとしか思えない事件も起きていて、さらに禁忌の地としてかつて生け贄として差し出された娘が恨みを晴らしたという伝説もあった。
作業員行方不明事件はヒグマに襲われたという事が可能性として高いと捜査していくが…という話となりますが、読み進めていく中でもなかなか結末が予測出来ないものとなっています。
できれば帯に書かれている設定は目に入れない方が良いのではないかなぁというのはありますが、どういうジャンルの物語なのかが分からないと読むかどうかも決める事ができないというのが難しいところだよなぁっていうのもありますね。
今日の読書 恋する殺人者/倉知淳
従姉の事故死を不審を抱いた大学生の高文が、高校時代の同級生のフリーター女子の来宮を助手にして真相を探るという物語になります。
タイトルに入っているように殺人者の視点でも物語が進んでいくという手法のものになっていて、ミステリー小説を読み慣れていない人向けなコンパクトで分かりやすく読みやすいものにしていて、ミステリー小説を読む楽しさっていうのはこういうものだよという入門編的な位置づけをしていると同時に、入門編としては何気に高度な事をやっているよというものになっています。
こういう作品を入り口にしていくと、スムーズに小説読みになっていくのではないかと勝手に思えるものになっています。
タイトルに入っているように殺人者の視点でも物語が進んでいくという手法のものになっていて、ミステリー小説を読み慣れていない人向けなコンパクトで分かりやすく読みやすいものにしていて、ミステリー小説を読む楽しさっていうのはこういうものだよという入門編的な位置づけをしていると同時に、入門編としては何気に高度な事をやっているよというものになっています。
こういう作品を入り口にしていくと、スムーズに小説読みになっていくのではないかと勝手に思えるものになっています。
今日の読書 その昔、ハリウッドで/クエンティン・タランティーノ著 田口俊樹訳
最近はめっきりと洋画を見なくなってしまっていますが、今と比べて見ていた頃クエンティン・タランティーノ監督作品(関係作品)は好きだったと言うことで、そのタランティーノがはじめて小説を書いたとなると手をとらずにはいられないという事で。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のタイトルですでに映画として世に出しているものをノベライズというものを大幅に超えて、ある程度時間の制約があったりするものが小説だと枷が外れてやりたい放題オタク知識を詰め込めるだけ詰め込んでできるというのが分かりやすくなっているものとなっています。
映画を見ていないので、映画との比較を自分では出来ないのですがこれを映画化するとなると削りまくらないと無理だよねっていうのは分かりやすいですね。
1969年のハリウッド映画回りを舞台にした時代劇と言って良いんでしょうか、実在の人物が思いっきり登場しますし、作品関係も歴史上の知識として知っているものが多々出てきますし、いくつかは見た事のあるものだったりしますが、主人公の落ち目の役者、その役者専属のスタントマンは一応元ネタとなる人物はいるようですが一応オリジナルで、例えばブルース・リーなどは有名になる前の乱暴でわりと嫌われた存在として出てきたりします。
激動の時代のハリウッドで落ち目の役者がもがいていたり、それを取り巻く環境がまだ第二次世界大戦の影響が残りまくっていて精神的にヤバい状況だったり、そういったカオスな状況をきれいにまとめ上げるのではなくそのカオスこそが中心にすべきという扱いが、最近の作品を見ていないけれどもタランティーノらしいものだよなって思わずにはいられないものになっています。
60年代のハリウッド作品だけではなくアメリカのテレビシリーズであるとか、イタリアのマカロニウエスタンとかそこら辺の知識がある人にはマニアックなネタだらけで楽しみ方が何段階も上になるんだろうなぁというのがあったりしますが、黒澤明作品であるとか勝新太郎ネタとか千葉真一ネタをかなり深掘りするところなんていうのがあって、これはこれで付いてくる人がどれだけいるんだろうと思ったり。
マニアックな知識がなくても、まぁ楽しめるものではありますが、基本的にマニア向けであることこそがタランティーノの本領という事は再確認、ただ書いている時本当に楽しんでいるだろうなというのは分かりやすく全面に出ていますな。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のタイトルですでに映画として世に出しているものをノベライズというものを大幅に超えて、ある程度時間の制約があったりするものが小説だと枷が外れてやりたい放題オタク知識を詰め込めるだけ詰め込んでできるというのが分かりやすくなっているものとなっています。
映画を見ていないので、映画との比較を自分では出来ないのですがこれを映画化するとなると削りまくらないと無理だよねっていうのは分かりやすいですね。
1969年のハリウッド映画回りを舞台にした時代劇と言って良いんでしょうか、実在の人物が思いっきり登場しますし、作品関係も歴史上の知識として知っているものが多々出てきますし、いくつかは見た事のあるものだったりしますが、主人公の落ち目の役者、その役者専属のスタントマンは一応元ネタとなる人物はいるようですが一応オリジナルで、例えばブルース・リーなどは有名になる前の乱暴でわりと嫌われた存在として出てきたりします。
激動の時代のハリウッドで落ち目の役者がもがいていたり、それを取り巻く環境がまだ第二次世界大戦の影響が残りまくっていて精神的にヤバい状況だったり、そういったカオスな状況をきれいにまとめ上げるのではなくそのカオスこそが中心にすべきという扱いが、最近の作品を見ていないけれどもタランティーノらしいものだよなって思わずにはいられないものになっています。
60年代のハリウッド作品だけではなくアメリカのテレビシリーズであるとか、イタリアのマカロニウエスタンとかそこら辺の知識がある人にはマニアックなネタだらけで楽しみ方が何段階も上になるんだろうなぁというのがあったりしますが、黒澤明作品であるとか勝新太郎ネタとか千葉真一ネタをかなり深掘りするところなんていうのがあって、これはこれで付いてくる人がどれだけいるんだろうと思ったり。
マニアックな知識がなくても、まぁ楽しめるものではありますが、基本的にマニア向けであることこそがタランティーノの本領という事は再確認、ただ書いている時本当に楽しんでいるだろうなというのは分かりやすく全面に出ていますな。