今日の読書 玉村警部補の巡礼/海堂尊

『玉村警部補の災難』に続く桜宮警察署の玉村警部補が主役の2作目にになります。

『チーム・バチスタの栄光』から始まる一連の作品はスピンオフだらけというか、全てを同じ世界観でまとめているので、スピンオフ扱いというのもおかしな感じになっていますが、玉村警部補が主役という事で、基本的に医療関係者が主役になる事がほとんどの海堂尊作品の中では異色の扱いでいいんでしょうね。

今回は、玉村警部補が休日を使って、四国八十八ヵ所巡礼のお遍路旅をしようと計画を立てていると上司にあたるデジタルハウンドドッグというあだ名の持ち主でもアル可能警視正が仕事も兼ねてくっついてきて、純粋なお遍路旅にはならなくなってしまうという連作短編になります。

歩いてお遍路を何回かに分けて回ろうと計画している玉村警部補に難癖つけながらくっついて来ては事件にぶち当たるという、ちょっとしたトラベルミステリーにもなっているので、流石に今回はAi(死亡時画像病理診断)普及活動は挟み込まれないかなと思っていましたが、しっかりと出てくるあたりはブレないなぁって(笑)

お遍路はやったことはないのですが、四国八十八ヵ所を無茶過ぎる日程で車で回る企画を何度も見た事があるので、詳しくない土地であるにもかかわらずにイメージを掴みやすかったというのは個人的に助かったところですね。

このシリーズは基本的に遊びのシリーズなので小ネタをちりばめているなぁって思いながら楽しむものですね。

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今日の読書 嗤う淑女/中山七里

稀代の悪女である蒲生美智留、彼女の悪女ぶりを従姉妹視点を皮切りに、関わり合いにあう4人ので描かれていく連作短編型長編の作品になります。

悪女は悪女なのですが、分かりやすい悪女というわけではなく、むしろ悪と分かられないようなタイプになっていて、何が狙いなのかは分からないまま事件が続いてくというものであり、どんでん返しの帝王らしく、最後の最後まで着地点が分からない話でした。

悪女というかカリスマってこういう事なんだろうなって思いますし、完全犯罪を狙うとこういう事になるのかともいえそうですかね。

最初、田舎を舞台にしているというような、初戦田舎者は都会者にはかてないというような描写が出てくるのですが、あきる野市という具体的な場所名が最後に出てきて、あきる野市だと田舎扱いなのかぁというのが、本筋のどんでん返し以外の意味でのどんでん返しでした。

田舎である実家に戻ってきて都心で働くというのが出てきた時に若干混乱したというか、もっと都心部とは遠い田舎、作者がよく舞台に使う作者の地元あたりだと勝手に思っていたので驚きました。

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今日の読書 時限の幻/吉川永青

戦国時代を舞台に、会津蘆名氏の外交の達人の金上盛備と謀略家独眼竜伊達政宗による奥州の覇権を賭けた頭脳戦を繰り広げるという歴史小説になります。

金上盛備と伊達家の両方の視点が交互に描かれていく形で話が進んでいくのですが、歴史小説で主人公として多くの作品が出ている伊達政宗はともかく、蘆名家が主軸に描かれている歴史小説というのは私は初めて目にしたので、まずはそれに驚きですね。

それぞれの勢力の対比として、海以外ならば全て備えているという会津に基本的には満足していて願わくは海さえあればというくらいの野望程度の蘆名家、その一族衆ではあるものの家臣という立場を絶対に踏み越えようとはしない金上盛備。

戦国時代も終盤に生まれてしまい、天下統一争いに完全に乗り遅れてしまっていることに焦りを感じ、なりふり構わず乗り遅れた時間を何とか出来ないかと野望を燃やす若き伊達政宗。

奥州は血縁関係が入り組み、なかなか現状打破ができない仕組みが出来上がっており、それが功罪相まみえる状況であり、それをどう生かせるか実際の合戦以上に重要という中で交渉、諜報、謀略何でもありというやり合いを軸に物語が進んでいきます。

蘆名視点なんて、今まであまりにも無かった展開ですので、まずはそれだけで楽しめるのですが、合戦そのものがそれほど起こらなくてもギリギリの綱渡りのような状況が続いていくというのが、戦国時代の側面でもありますし、そこを上手く描いたなって思える作品でした。

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今日の読書 悪徳の輪舞曲/中山七里

『贖罪の奏鳴曲』から始まる御子柴礼司シリーズの4作目になります。

中学生時代に死体配達人名付けられる前代未聞の凶悪な殺人者であった過去を持ち、本名を変え裁判に強いがそれ以上に悪名も高い弁護士となっている御子柴の実の母親が殺人容疑がかかっているからと、30年ぶりに再会する実の妹に弁護士としての依頼を受けるという話になります。

いわゆる家族だからという感情は持ち合わせていないものの、過去の裁判と比べてやりにくさを覚えながらも、無罪を勝ち取るための法廷闘争が行われていく話になりますが、同時に犯罪者の家族、身内から凶悪殺人者が出てしまったが為に被った被害であるとか、その後の生活のしにくさであるとかも突っ込んで描かれています。

中山七里作品らしくどんでん返しが期待出来るものですが、冒頭から自殺に見せかけた殺人事件が行われた場面がじっくりと描かれているので、果たしてそれを踏まえて、全くもって自分は殺人を行っていないという所へ持って行けるのかという興味で引き込まれていきます。

このシリーズが今後どれだけ続いていくのかは分かりませんが、これは今後に向けて重要な転換点となり得る作りになっているのでは無いかと思いますが、実は前作も前作で転換点にもなっているので、続ける時にその変化を描いていこうという狙いもあるのかもしれませんね。

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今日の読書 卑弥呼の葬祭 天照暗殺/高田崇史

シリーズ物として分かりやすく表記されていませんが、QEDシリーズ、そのからスピンオフして始まった毒草師シリーズ、そのシリーズの間に存在する形になっている『鬼門の将軍』の続編という立ち位置になる作品です。

宮崎・高千穂の夜神楽で男性の首なし死体が発見。

宇佐神宮では井戸に女性の首と両手が発見されるという事件が起き、同時期に萬願寺響子の従兄弟の蓮が卑弥呼の調査に行くと九州へ旅に出たまま行方不明となり、行方を追って響子が九州へと出かけることになり、殺人事件現場に関わる事になってしまう。

その事件は卑弥呼と邪馬台国と天照大神の天岩戸伝説を同時に考えてしまうことによって引き起こされていたというものになります。

天岩戸伝説についての解釈というのは、QEDシリーズの伊勢の曙光でも出てきているので、ある程度おさらいという形になり、驚きは少なくなっていますが、記紀に記された歴史は勝者が書き残すというものからの騙りであるとか錯誤、朝廷の血腥いやり口であるとか怨霊信仰そういうものをひっくるめ、向き合うことによって導かれる結論であるとか、天皇家の意味というのは日本という国の成り立ち根幹に関わる事として面白く読めますし、伝統の意味というのは単純な善悪で考えてはいけないものと改めて思えるものですね。

まぁこのシリーズは実際に起きた事件と歴史解釈を使うというベタな歴史ミステリーであっても、事件そのものの解決っていうのはそれほど重要じゃないというか、一見すると凄い事件が起きたとしても、歴史の謎が解ければそれが動機を解明するということになって、事件そのもののトリックであるとかそういう謎解きはほぼほぼ重要じゃないので、そっちを期待するに人には向いていないというのが多少気になるところですかね(笑)

あと、作品を沢山読んでいると歴史解釈についてはブレないという事であり、ある程度似た方向に集約して行くというのも、ミステリーを読むことの楽しみでもある驚きたいという欲求は満たされにくくなってしまうというのも、困りものではありますかね(笑)

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