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今日の読書 天下人の軍事革新/本郷和人

戦国時代における軍事革新、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といわゆる三英傑を軸に解説するというものになります。

基本的に戦国時代の戦争というのはどういうものかというところから始まり、信長、秀吉、家康それぞれの性格や何に力点を置いているか、何が革新的な事であったのかというものになりますが、個人的には細かい所はとももかくとして、おさらいという感じですね。

本郷和人の著書だけではなく戦国時代関係のものは好きで目を通していますし、この3人は中心も中心ですから。

ただ戦国時代というだけではなく時代関係無く普遍的な戦争というものを説明する事も同時進行にしていて、戦力、兵站の重要性についての説明に力を入れているというあたりは戦国時代を扱うものとしては一昔前と比べると変わってきているかもしれないですね。

高校までの授業で扱うような戦国時代っていうのは結局三英傑さえ抑えておけば大筋大丈夫という事でもあると思うので、教科書的な知識に上積みをしたいくらいの興味を持っている人には、これ1冊で事が済むという意味では便利なまとまり方をしていて良いのではないかなと思えますな。

序 章 戦国時代の真実
第1部 織田信長 戦国時代に革命をもたらした発想と行動
第2部 豊臣秀吉 史上初の兵站システム、桁違いの規模とスピード
第3部 徳川家康 戦わずして敵を屈服させる、最大の軍事革新
終 章 なぜ天下を取れたのか

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今日の読書 地図でスッと頭に入る中東&イスラム30の国と地域/監修・高橋和夫

地図でスッと頭に入るシリーズの中でも地図そのものという地域に関するものは地図という特徴を使いまくって分かりやすく楽しめるわけですが、中東とイスラムとなると地域として全般のイメージはあるものの国による違いは露骨に別物、トルコ、イラン、イスラエルのようなものとか、同じ地域扱いで括るんだというようなエジプトのようなものは分かる者の、国名と場所以外の独自性までは良く知らないなというのが私の知識の限界。

全体的にまずは表層だけでも知っておこうというが、恐らくこのシリーズの狙いだと思うので、そこの入り口としては面白味がありましたね。

旧ソ連系の~スタン関係はこの括りになるだろうとは分かりやすかったですが、グルジア改めジョージアもここの括りにいれるのかというような視点ももったりもしまいたし。

1章 西アジア その1(ペルシャ湾北岸・地中海東岸)
2章 西アジア その2(アラビア半島)
3章 北アフリカ
4章 アフガニスタン・中央アジア・コーカサス

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今日の読書 対決!日本史4 日露戦争篇/安部龍太郎・佐藤優

作家の安部龍太郎と元外務相主任分析官から文筆業となった佐藤優による歴史解釈の対談の第4弾、日露戦争までとなりますが、第一次世界大戦への繋がりまでという感じですね。

本来は3で日清戦争と日露戦争もまとめてやってしまう予定が話すことが多すぎて日露戦争は分けた方が良いだろうということになっているので、3と4は明確にひとまとめ扱いになります。

120年周期で社会変動が起きるという歴史を鑑みて、現在のロシアとウクライナの戦争がそのまま世界大戦に繋がらないように注視しなければならないという視点も込みとなりますが、前回の日清戦争篇ではここがダメだよ近代日本という事で、帝国主義の暴走と日本の失敗をややひとまとめにし過ぎている感がありましたが、本来日露戦争までひとまとめで話すつもりだったんだなというのが分かるのが、日露戦争における日英同盟という扱いとアメリカの対日戦略というものに触れるようになって、ここがエグいよアングロサクソンという事への力点が置かれるようになりますね。

日本の失敗は失敗として、あの時代のエグさ白人にあらずば人にあらずなものなどなどありますが、日露戦争において最大の失敗はロシアによる黄禍論プロバガンダを許してしまったというか、アメリカの価値観に強くすり込ませてしまったと言うことになるのかなぁと改めて思ったりもしますが、それは日露戦争の結果となりますし、あの時代の日本に価値観を共に出来る国は皆無でしたからねぇ…

今のロシアにかつての日本を重ね合わせられる面もあるのですが、価値観を共有できる他国を持たない辛さはわかるけれども、そのせいで散々な目にあったのも日本なわけで、ありとロシアに同情的な視点を入れてきますが、日本としては2次大戦の敗戦による軛から解き放つように立ち回るためにはどうすれば良いのかというのを、この歴史から学ばなければいけないんだよなぁとは思ったりもします。

今後の日本の立ち回りに関しては全く触れられていませんし、世界大戦にならないようにしないといけないという全うな所でまとめてありますし、それはそれで正しいとは思いますけれどもね。

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今日の読書 「将軍」の日本史/本郷和人

鎌倉幕府を筆頭に、室町幕府、江戸幕府と将軍が実質的に日本のトップとしてやりくりをしていたわけですが、将軍とは何か、将軍はどうやって選ばれているのかと言うようなことを普遍的なものと個人についてどういう人だったのかというのと両面から扱って解説するものになっています。

将軍だけではなく天皇家もそうですが、血統と家柄で綿々と続いていき権威はあるけれども独裁的な権力者とはいえない存在、いわゆる神輿的な存在になるというのが日本という国の特徴でもあり、なぜそれに落ち着くのか日本独自の価値観と条件を考えるということになり、納得のいきやすいものになっています。

特に神輿となる将軍という意味として、実力主義でトップを決めるというと組織が分裂しやすい、まとまるものもまとまらなくなりやすい、逆に皆が神輿として認める存在があるとすんなりといくと。

これは一定のぬるさ(過当競争が起こらない、海外の侵略が無い)のもとでだけ発動するある意味平和の象徴というのが凄く納得がいって、現代でも何だかんだと世襲議員が選挙に当選する、世襲している社長の企業が何だかんだと多く、わりとそういうものとして受け入れられているなどなど日本の文化として定着している事などからも納得がいくなぁと。

個人的にそういう考え方もあるんだというのが、いわゆるくじ引き将軍と揶揄された足利義教、これは神が決めたものだから従ってねという事にした出来レース説。後継者を決めずお前等で決めろと言われたのも将軍は神輿だから担ぎたい奴を担ぎ出せという遺言だったというものですね。

将軍という事だけでも面白味がありますが、将軍という権力者を通して日本を分析し、神輿ですんだ時代と自分で動くような神輿でないとヤバい時代という対比もあり面白いですな。

第1章 将軍とは何か
第2章 将軍を決めるのは誰か
第3章 将軍の「神輿化」 家督と世襲
第4章 将軍は何をするのか
第5章 歴代将軍たち
第6章 征夷大将軍・徳川家康を考える

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今日の読書 地球の歩き方 ムー異世界の歩き方

地球の歩き方は旅行ガイドブックの老舗であるわけですが、コロナ禍で旅行が出来ない時期(しかもリアルタイムでは再開できる目処すら分からない)では新たな旅行ガイドブックを出す意味がない、またかつてと違いインターネットの発達により旅行情報はガイドブック無しでも問題が無くなっているという状況に、企画として読み物としての魅力を高める方向がない事には厳しいという事もあるのでしょうが、超常現象を肯定的に検証する雑誌ムーとのコラボが完成したと。

古代文明であるとか伝説、超常現象など現在の科学では証明しきれないものというのは地球上には山程存在しているわけですが、その解明しきれていないものに対して想像力と創造力をフルに使った解釈というのはそれはそれで山程あり、その現在科学で証明しきれていない説を肯定的にとらえて古代文明や宗教施設を紹介し、一応そういった説は証明は出来ていませんよという小声の説明もつけて面白い事が正義としてまとめています。

全肯定か全否定の2択で物事を決めつける人が読むと色々と厄介だと思いますが、よく分かっていないものに対して、こういう解釈を成り立たせてきたんだという事を知識として楽しむ事ができる人は面白く感じるのではないでしょうか。

個人的にはこういった知識を頭に入れておくと、フィクションを楽しむのに元ネタとして使っているなと気がついたりして役に立つなという立場で面白がれました。


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