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今日の読書 道徳の系譜/ニーチェ

現在新型コロナウイルスの影響によって自粛要請という矛盾をはらんだ社会生活となっているわけですが、こういったものに対し善悪の判断、道徳的なあれこれが議論されがち(何かを悪と固定してボロカスに生け贄にするようなことの方が目立ったりもしますが)そもそも善悪の判断であるとか道徳的な行動そのものがきっちりと定義できていない、個々人がそれぞれに思う常識で語ったり行動したりしながら、その常識のすり合わせをしないことに疑問を持たないままでいる声の大きい人がいるような気がしたりしなかったり、そもそも道徳観念って何だろうと思ったりしたので、そういう疑問を持ったからには久しぶりに良く理解出来ないくせに哲学書でも読みましょうかねと、ちょうどいいタイトルの本書をてにとりました。

哲学についてしっかり分かってもいないくせに、分からないなりに読んでおくことそのものは意味はあるだろうとニーチェは一応何冊か読んでいるのですが、19世紀当時のドイツ、ヨーロッパ、キリスト教価値観に対する懐疑からの否定というのが軸であることはぶれないですね。

「善と悪」・「よいと悪い」
「負い目」・「良心の疚しさ」・その他
禁欲主義的理想は何を意味するのか

この3つの論文で成り立っているのですが、善悪の価値観は上から押しつけられたもの、身分が高いものが善である事を前提としているというものを、ドイツ語の単語を使って解説していたりと、21世紀現代に生きているドイツ語についても詳しくなければキリスト教的価値観を持ち得ていない私にとっては感覚的に理解がどうしても難しくなってしまいますね。

哲学者として後世に残っていますが、同時代に生きている人向けに書かれているので本当に理解しようとすると社会的背景から何から理解しておかないと難しいというのは仕方が無いわけですが、禁欲主義というところで、結婚についてボロカス言っている当たりのこじらせ方、これは時代が変わってもそれほど変わらないんだなというのは分かりやすいですね。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

今日の読書 日本中世への招待/呉座勇一

日本の中世、平安末期から戦国時代までの時代のいわゆる教科書で習うような政治史や戦など分かりやすい転換点であるとか有事についてのことでは無く、日常生活であるとか習慣などについて詳しく扱って中世の実態はこういう形であったと一般向けに提示する狙いがある一冊になります。

この時代はほぼほぼ戦乱の世の中であり、そういった題材に対する興味を持っていますし、個人的にはそういった題材の歴史小説が好きというのがあり、ある意味本末転倒になりますが、そういった小説を楽しむためにも、知識を得ている方が楽しみやすくなるだろうというのがあり、興味深く読みました。

時代が違うので現代の日本人の感覚からすると全く別物のものもあれば、伝統として受け継がれていると感じるものまであり、一般的にイメージされているものも当てはまるものもあれば、研究によって全く変わってきているものまであり、歴史というのも定説が変わるものだよなと思わずにはいられないというのもありますね。

筆者のヒット作である『応仁の乱』はこの本がヒットするというのは、基本的な教養水準が高い人だらけなんだなと思わずにはいられませんでしたが、比べるとこっちの方が分かりやすいものになっていますね。

第1部 人生の歴史学
  中世の家族
  中世の教育
  中世の生老病死

第2部 交流の歴史学

付録 さらに中世を知りたい人のためのブックガイド

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今日の読書 無菌病棟より愛をこめて/加納朋子

2010年に急性白血病だと告知された加納朋子が、白血病だと分かるまでから骨髄移植をして寛解し退院するまでの闘病記になります。

白血病であった事は、復帰以降に書かれた作品のあとがきに書かれているのを読んで知り、その時に闘病記としてまとめられているというのを知っていたのですが、治っていると分かっていても闘病記を読むのはなかなか重たそうだな避けていたのですが、このご時世ですので無菌病棟という存在そのものが気になってしまうというのもあったり、治療が成功するという実話というものを読みたい欲求もあり手を出しました。

白血病と分かるまでは極度の貧血だと思って半年くらい調子が悪かったというところから、あまりの血液検査の結果、数値がおかしいという所でより詳しい検査をしたら判明したというものになっていますが、分かりやすくこの症状だから白血病となるわけでは無いんだなというのが改めて怖いところになりますかね。

そこから入院生活、転んでもただでは起きない作家精神で、日記として書いていく事になるのですが、個人的には入院生活が思いの外自由なんだなというのがありますね。

パソコンを持ち込んでいたり、まだ当時スマホが普及する前ですのでワンセグでテレビを見ていたり、差し入れに制限があるとはいえ、結構色々と食べ物を買ってきてもらっては食べていたりと、これは私の知っている入院とは違うなと思ったり。

酷い症状に苦しめられている時間も多いのですが、最初のうちは太りすぎないように気にしていたり、ストレッチをしたり筋肉が減りすぎないように気を使っていたり、白血病ってここまで色々と出来るんだと思わざるを得ない、闘病記である事は間違いないですし、決して楽そうではないのですが、これは回りに元気だと思われるなというくらい、思っていた闘病記とも違うというものですね。

そして2010年の事ですので、改めて読むとその時の時事ネタというのも懐かしめるという意味で、間を置いて読んだ意味もあったなというのは、この年東海大相模がエース一二三がいて強かった時だと思い出したことですかね。

退院後2011年が来てしまうわけで、少しとはいえ3.11にも触れられていたりするので、こんなご時世だからこそあえて読むのも良いのかもしれないと改めて思いました。

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今日の読書 承久の乱/坂井孝一

俺も遊泳禁止の場所で遊んでるDQNに向かって
危ないぞ、沖に流されたらどうするんだ!って注意したら
DQN「おきに流されるって、後鳥羽上皇かよwww」
DQN女「マジ受けるんだけど、超承久の乱~」
とか言って聞き入れなかったわ

結構有名なコピペになると思いますが、こういうのをすぐに思いつく教養のある人間になりたいというのは本気で思ったりするわけですが、それ以前に大問題なの承久の乱について名前しか覚えていないというか、このコピペを見るまで存在自体すっかりと抜け落ちていたという事ですね。

というわけで、こういう教養のある事を思いつく以前に知識を得なおさなければいけないという事で読みました。

基本的に承久の乱について、これまで一般的な教科書的な扱いとしては後鳥羽上皇が鎌倉幕府倒幕を狙って起きたものという扱いだったが、倒幕なんて狙うなんていうことは一言も残っていない、朝廷と幕府が対立構造になっているという前提で組み立てられているというのが誤りであるという事を提示し、平安末期から鎌倉時代へという流れに触れてから、後鳥羽上皇についての説明、鎌倉幕府三代将軍実朝までの流れと、実朝死去によって頼朝からの源氏の流れが潰えてしまった影響などを説明し、後鳥羽上皇が反鎌倉幕府という事では無く、執権北条義時を敵対視し追放を狙い、その狙いを遂行するための対策を失敗して返り討ちにあったという事の説明という流れになっています。

それまでの歴史研究による通説をきちんと理解していないので、これまで考えられていたものと最新の研究との対比という事については正直分からないのですが、この時期の出来事について理解しなおすには一般向けの新書というレベルですので分かりやすかったですね。

後鳥羽上皇という存在が物凄く個人として優秀であることと、同時に鎌倉幕府を相手にするには現実が見えていなかったという事、これだけのことではないですが現在に当てはめるとどういう事が近いかという例を交えているので分かりやすいですね、現代でも個人としては優秀であっても人を使う立場になるとエリート特有の見通しの甘さがもろに出てしまうなんていうのはいくらでもありますしね。

承久の乱が日本史において重要な出来事であったというのは、副題が『真の「武者の世」を告げる大乱』となっていることが表していますが、平安時代までの朝廷という権威と権力の両面を持つ存在だったのが、朝廷は権威しか残されなくなったという重要な転換点だというのは分かりやすいですし、改めてこんな状況でも天皇家を根絶しないというのが日本として揺るがない伝統でありアイデンティティなんだよねって事ですね。

後鳥羽上皇という存在が、上皇という立場が色々とやっかいであるというイメージをつけた張本人の1人になるわけであり、完全に歴史上の立場でしかないと思っていましたが、令和になって上皇が復活する事になって、歴史って面白いなと思っている人は多いでしょうね。

序 章 中世の幕開き
第1章 後鳥羽の朝廷
第2章 実朝の幕府
第3章 乱への道程
第4章 承久の乱勃発
第5章 大乱決着
第6勝 乱後の世界
終 章 帝王たちと承久の乱

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今日の読書 世界史の新常識/文藝春秋編

世界史の新常識という事ですが、旧常識について詳しいわけではないので個人的には常識の学び直しという形で楽しめるものになっています。

一般向けの新書という事ですので、基本的に分かりやすくいわゆる教科書的な側面以外にも触れてみたり、歴史の話ではあるものの数学者が解説していたりとかもあり、そこら辺も教科書的な知識とは違うものの見方が出来ると感じやすい構成になりますね。

現在の世界情勢が、それまで進めてきたグローバリズムというものからの歴史の転換点となりそうな格好になっていますが、歴史を見ていくとグローバル化によって進展してきた側面が強い扱いというのは確かなことであり、プラス面を多目に取り上げていて、今後の新常識としてまた違った取り扱われ方をするかもしれないなと読んでいながら思ったりもしますね。

今年はスペイン風邪であるとかコレラの流行のような形で歴史に刻まれる年になり、今後の結果次第では重要事項過ぎる項目になる可能性もありますが、歴史の転換点として刻まれるような事態になりそうだと感じれば感じるほど、過去を学び直すという事は重要になりそうだとは思いますね。

第1章 古代
  古代ギリシアはペルシア帝国に操られていた
  どうして釈迦は仏教を開いたか
  カエサルはなぜ殺された?
  「キリスト教」はイエスの死後に作られた
  ローマ帝国を滅ぼした難民と格差

第2章 中世・近世
  預言者ムハンマドのリーダーシップ
  中世グローバル経済をつくったのは遊牧民とムスリム商人
  異民族を活用したチンギス・カン
  ルネサンスは魔術の最盛期
  明を揺るがした日本の火縄銃
  戦争と疫病がニュートン、ライプニッツを生んだ

第3章 近現代
  産業革命がイギリス料理をまずくした
  保護貿易が生み出した産業資本主義
  アヘン戦争 大清帝国vs大英帝国
  インド グローバルな亜大陸
  世界大戦の受再が引き起こした大恐慌
  独裁の秘術 ヒトラー、スターリン、毛沢東
  共和党対民主党 日本人が知らないアメリカ史

第4章 ブックガイド
  グローバル・ヒストリーとは何か
  評伝・自伝で人物の内面に迫る
  共産中国の深層には今も伝統的な中国社会が息づいている

第5章 歴史の教訓
  史上「最も幸せな国」はどこだ?
  世界史から何を学ぶか

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