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今日の読書 アメリカ民主党の崩壊2001-2020/渡辺惣樹

アメリカの二大政党制である共和党と民主党、日本での扱われ方からぼんやりとしたイメージとして共和党が保守、民主党がリベラルという色分けにされています。

現在の表看板としては間違いではないと思いますが、どうにも昨今このリベラルという看板が胡散臭いものにしか感じられない、寛容主義を前面に出しながら1ミリでも気にくわない物に対しては全否定する非寛容という立場を隠そうともしない、弱者保護を表看板にしているほど弱者を保護する気は無く個別特殊事例だけに入れ込んでいるとしか思えず普遍的広義の弱者は放っておくというような印象ばかりが強くなっている。

ここら辺は本来あるべきリベラル像として私が思い描いている物と、リベラルを表看板として振りかざしているものとの意識が乖離しているという事なのでしょうが、最低限としてリベラルを表看板として掲げている人が全肯定か全否定の二択でしか物事を考えていないと思える事例があれば、それはリベラルという看板を使った極左でしかないと判断すべきという事なのでしょう。

アメリカの民主党は現在リベラルという表看板を使い、知的で弱者保護に熱心な政党であるというイメージ戦略を使っていますが、大本は白人至上主義者達の政党が第二次世界大戦後、マイノリティ達が投票権を得るようになって一気に方向転換をして表看板を塗り替えた政党であり、それこそ第二次世界大戦に参戦した時の大統領であるフランクリン・ルーズベルトは民主党なわけですし人種差別主義というバックボーンから危機として原爆投下を命じたの事からも民主党が伝統的にリベラルという事では無いというのは歴史として知っておく必要はありそうですね。

そういった後ろめたい過去からそれを隠すが為に方針を大転換するという姿勢は日本の大手新聞社などでも有名な話であり、大転換のための大転換って結局無理がたたってぼろが出まくるというのも似通っているのかもしれないなと思わずにはいられないですね。

民主党の本質はネオコンというのが本著を貫く姿勢となっていますが、ネオコンという新保守主義という言葉は私は共和党政権時に共和党を説明する言葉として知ることとなりましたが、このネオコンという名の世界アメリカ化計画的なグローバリズムこそが民主党思想、共和党の本質はモンロー主義というアメリカこそ世界で外のことは基本的に無関心という違いであったと、それがいつのまにか乗っ取られてしまい、それが現在の世界混沌の本質という分析になります。

現在の民主党はリベラル政党という表看板を使った、フェミニスト、グローバリスト、社会主義者、弱者利権政治家に乗っ取られた極左政党であり、弱者利権で飯を食う人のために弱者問題は永遠に片付いてもらっては困る、差別問題は新たに作り続け飯の種にしていく人達のものになってしまっていて、中間層は完全に無視、中間層が下層に転落するのは放っておくという状況が日本人にとっても分かりやすく、まるで日本の野党と似通っている道をたどっている、トランプ政権が出来てからトランプ大統領が暴走をしているという評価を主要マスメディアと組んで喧伝しているが、それをすればするほど表看板を脱ぎ捨て極左政党として先鋭化していっているという分析となっていて、リベラルというあたかも正義を代表する表看板を手にしてしまうと、暴走して先鋭化していくというのは運命なのかなと思わずにはいられないなと。

自分こそ正義で、それに疑問を持つものは許さないというソーシャル・ジャスティス・ウォーリアーという非寛容な存在は全肯定か全否定だけで生きていけるので頭を使わずに正義を叫べて全能感を味わってしまうのだろうなぁと、現在のアメリカの民主党はその罠にどっぷり浸かっているのではないかという分析ですね。


第1章 民主党に支配された四半世紀 ネオコンを理解する
第2章 カダフィ排除から露呈したネオコンの悪行
第3章 ヒラリー・クリントン機密漏洩問題の発覚 露呈した私的サーバー利用
第4章 2016年大統領選挙 アウトサイダー、ドナルド・トランプの登場
第5章 ヒラリーを擁護する主要メディア・司法省・FBI
第6章 解ける民主党
おわりに アメリカ民主党は日本の民主党の道を歩むのか

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ジャンル : 小説・文学

今日の読書 日本経済学新論/中野剛志

グローバリズムという言葉は受ける側のイメージによって大きく意味合いが変わってきてしまう言葉だと思っていますし、どうにもそこに理想型であると強く感じている人も多く、グローバリズムに反対する人は人種差別主義者であるとか排他的な国粋主義者というようなレッテルを脊髄反射でべったべたに貼りまくる人がいてどうにもならないわけですが、私自身は行きすぎたグローバリズムは行きすぎたナショナリズム以上に危険で暴力的になり得る物という考え方で凝り固まっています。

基本的に単純な二項対立構造で物事を考える事自体が、極論の殴り合いでまともな着地点を見失い何も生み出さないと考えているので、全ての極論をいかに排除するか、極論を言っている人は自分が極論を言っている自覚を持っているかどうかを、どうやって判断し、極論を無自覚に使ってそれこそが絶対真理であると考えている人がいるなら、どれだけそれが危険な事なのか警鐘を鳴らすような価値基準というのが浸透していればいいなと考える次第ですね。

著者はグローバリズムに対する警鐘を鳴らし続け、自由貿易こそ経済活動において至上であり保護貿易や関税というものは経済停滞を招くからどんどん取っ払っていけば良いという主張を全否定し、保護貿易こそが経済成長に置いていかに重要であったか、自由主義経済至上主義であるアメリカですら経済成長を促していたのは関税がしっかりと機能し一定以上の保護貿易をしていた時期として提示するほどのものですね。

そういった著者の著書を読むわけですから私がアンチグローバリズム、アンチ市場原理主義というようなものを期待するのは当然であり、その期待に存分に答えるというか、扱っているものが経済理論としてあまりきちんと理解していない分野である制度学派などなどであることで理解しきるには多少ハードルが高かったというかありますが、きちんと理解していなくても概ね内容としては理解できる範囲で助かるものになっています。

渋沢栄一、高橋是清、岸信介、下村治という4人が実戦したものから日本という国だからこそ成立した日本経済学というものを分析するというものになります。

近代経済学における主流派経済学、市場原理主義と言われ基本的に経済活動に政府が口出しをするな、政府は均衡財政とインフレ抑制さえしておけばいい、市場は合理的で全てを解決するという合理主義の極地がありますが、それに対して理論から出発するのでは無く実践ありきで出発するプラグマティズムというのが合理主義の逆側にあるとします。

合理主義というのは普遍的真理として世界各地であまねく通用する物という結論を導きだしますが、実践主導は人間ありきと考えると地域性、国民性、国家として与えられている条件などなど違いがあり、普遍性は限定的でしかないとして、いかにそこから日本の経済を向上させるかという視点となります。

結論としては経済ナショナリズムとしていかに国民を向いて国力を上げることが重要な事か、デフレ放置は国力を下げることでしか無く、積極的な財政政策の重要性、緊縮財政がいかに弱者をさらにおとしめることになるか、平成のデフレ不況だけではなく日本経済歴代のデフレ期の悲惨さなどなど取り上げていて、現在の日本に蔓延する不況感の脱出に対する大いなるヒントになると思えるものばかりですね。

経済ナショナリズムからのデフレ脱却、これを真剣に検討する政治家こそが次代の日本を引っ張ることが出来ると思える物だらけですので、歴史に学ぶという意味でも多くの人に目を通されるといいなと思います。

ただ、表看板として弱者保護を掲げている人達は、岸信介というだけで脊髄反射で全否定しますし、それこそ財政再建しか考えていない市場原理主義という最悪の捻れ方をしているので、これを参考にすることはないのだろうなと言うのは分かります(遠い目)


第1章 日本の経済学
第2章 論語とプラグマティズム
第3章 算盤とナショナリズム
第4章 資本主義の大転換
第5章 社会政策の起源
第6章 明治の通貨論争
第7章 経済ナショナリスト・高橋是清
第8章 危機の経済思想
第9章 産業政策の誕生
第10章 岸信介の論理と倫理
第11章 下村治の予言

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今日の読書 労働者の味方をやめた世界の左派政党/吉松崇

右か左か政治を簡単に分ける事は出来ないですし、言葉のとらえ方に関しても社会科学分野のものは分析ツールが違えば(学問分野が違えば)右側の考え方なのか左側の考え方なのか容易に捻れがあり、その捻れに気がつかないまま自分の考え方とは別の相手を右や左だと罵倒語として使うという、なかなか地獄な状況になっているのが現状かなと思ったりする事は多々あります。

グローバリズム、人、金、物の移動が自由な社会、これが推し進める社会というのは弱肉強食を進める経済的強者のための社会になりがちであり、本来であれば社会的弱者を守るためにはグローバリズムは制限すべきという考え方になるはずなのですが、経済という分析手法を使わない場合、グローバルをナショナリズムであるとか、排他的、人種差別と対立軸ととらえて社会的弱者の味方という表看板を使いたがる左側が積極的に推進したがるというねじれが起きているというのは何だかなぁと思うわけですね。

そういった状況が何で起きてしまっているのか左派政党の志向がどうなっているのかを理解するために非常に分かりやすく分析しているのが本書になるかなと思います。

政治分析としての手法は経済学で珍しく一般層に知られることになったらしい(実際にどうなのかは知りません)ピケティの政治分析として左派政党の支持基盤が低学歴労働者から高学歴労働者へとシフトしたという事である程度説明が出来、そこを軸に全てを考えていくと、イギリスのEU離脱の支持層であるとか、アメリカでトランプ大統領がそれまでの共和党の主張とは別物の極論を出しながらも誕生した経緯などが分かると。

海外の事も重要ですが、日本人としては日本のことが重要であり、日本の左派政党の問題点として弱者のための政党では無かったというのがガッツリ分析されていますし、政権交代で登場した民主党政権というものが実際に政権運営した事によって浮き彫りになったという意味では非常に大きかったと。

日本の左派というよりも野党に関しては永遠の野党だからこその主張、政権批判中心であったというのと、基本的に右肩上がり成長が前提の労働組合を支持基盤にしていたのが、それが崩れた時に経済問題に関して、経済的弱者保護という観点の中に中産階級保護という観点が抜け落ちていて景気回復という視点が全く無かったという事が大きいなと改めて。

高学歴エリートにありがちなきれい事な理想主義に進みすぎた結果、財政健全化を目指した緊縮財政至上主義、緊縮財政を目指すためにコンクリートから人へという表看板としては一見すると素晴らしいものへシフトしていったり、人種差別はよろしくないという表看板の素晴らしいものを前面に出しての移民受け入れであるとか、挙げ句の果てに消費税増税へ向かわせてみたり…

諸々ありますが、今後日本国内の政党で支持を得たいのであれば、消費税大幅減税であるとか財政破綻は当面スルーで財政拡大をすることだというのを前面に出していけばいいんじゃねというか、現在のコロナ禍不況に突入を見据えるならば、一番手っ取り早い処方箋は消費税減税だよねって。

はじめに エリートに対する大衆の反乱
第1章 ピケティオ政治分析から見た政党の変質
第2章 「弱者」のための政党が消えた日本
第3章 移民の政治経済学
第4章 マクロン大統領とフランスの危機
第5章 ブレグジットとイギリスの行方
第6章 アメリカ二大政党の将来を読む
第7章 EU難民問題 日本への教訓

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今日の読書 Jリーグ56クラブ巡礼2020/平畠啓史

2018年に出版されたJリーグ54クラブ巡礼の続編となりますが、当時はまだJリーグ入りしていなかった八戸と今治が加わり56チームになったというのが大きな変更点になります。

前回はそれぞれのチーム全体で筆者の個人的な思い出を綴るという形になっていましたが、今回はそれぞれのチーム関係者と会って話を聞くというものになっています。

札幌のチャナティップ選手、今治の駒野選手という有名な現役選手も登場していますが、基本的にはチームスタッフであるとかすたじあむDJ、サポーターやスポンサー関係者、スタジアム周辺の飲食店など普通あまりそこに着眼点がいかないよねという方が、むしろ力点がいっています。

我らがFC町田ゼルビアではチーフマネージャーの渡辺さんという、正直知りませんでしたという方がインタビューされていたりという事で、そのチームを応援している人が手にしても必ずしも知っている人が載っているわけでは無いというあたりサッカー関係の本としては異質ではありますね。

サッカー関係という意味では特別インタビューとしてガンバ大阪枠では無く特別枠で遠藤保仁選手がいるので、そこでバランスをとっているとも言えるかもしれないですね。

元々狙いとしてはスタジアムに足を運びたくなるような本という事になっていますし、読んでいると実際に行くかどうかは別として現地に行きたくなる気持ちにかなりさせてくれるものですね。

ただ残念なのが現在の状況は限定的に観客をスタジアムに入れるようにはなったものの、アウェイチーム側はまだ入場できるようなものではないですし、行きたくなる理由である試合以外の要素がほぼほぼ満たされないという事、それ以前に長距離移動はやめろという圧力が特に都民にはあったりしますからね…

本来ならこの本も作者が野津田にイベントがてら売りに来ていたんだろうと思わずにはいられないですし、読んでいて楽しめると同時に当たり前だった日常が壊れてしまったことを実感してしまう事にもなりました。

アウェイ遠征(個人的には日帰り可能なところしか行きませんが)ができる日はいつ戻ってくるのでしょうかねぇ…

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今日の読書 承久の乱/本郷和人

大好きな有名なコピペである

俺も遊泳禁止の場所で遊んでるDQNに向かって
危ないぞ、沖に流されたらどうするんだ!って注意したら
DQN「おきに流されるって、後鳥羽上皇かよwww」
DQN女「マジ受けるんだけど、超承久の乱~」
とか言って聞き入れなかったわ

これについて、しっかりと分かるような教養のある人になりたいということで、承久の乱について書かれていて同時期に世に出たものも読みました。

承久の乱が日本史のターニングポイントとして、在地領主vs朝廷支配であったという事を説明するために承久の乱そのものというよりも、そこに至るまでの過程、鎌倉幕府のなりたちであるとか、後鳥羽上皇がどういった存在であったか、武士の思考と朝廷の思考の違い、源氏将軍の三代の評価と北条執権に移行していった狙いなどなど、専門家以外にも分かりやすく興味を持ってもらおうという狙いの元でまとめられています。

承久の乱について先にすでに読んでもいるので歴史の流れというものが頭に入っているので分かりやすいというのが前提としてありますが、そうでなくても非常に分かりやすくまとめているなというのが感想となりますね。

そして承久の乱でありながらも乱そのものについて扱う分量は少なく、鎌倉幕府が朝廷に圧勝したから特筆出来ない、源平合戦のような見せ場が一切無いというあたり、どうしても承久の乱そのものが扱いが悪くなるのも仕方が無いよなと思わずにはいられないですよね。

良くも悪くも戦国時代が歴史関係で人気なのは分かりやすい合戦が多数あって、合戦そのものに見所があり、歴史の流れの上ではほぼほぼ影響力が無くても有名になるのと比べて、歴史の流れの上では物凄い影響力があったにもかかわらず、すでに成立していた鎌倉幕府が朝廷がに圧勝したところで、戦いにおいてトップが入れ替わったわけでもなく、朝廷が滅ぼされたというわけでもなく、派手な分かりやすさが無いというのが印象に残りにくいとなってしまうんだよなって。

ドラマを作るにしても朝廷が謀略しまくりだったりとか色々とやりにくいものがありますし、今後承久の乱の知名度が上がるのかどうかというと分かりませんが、少なくとも私はコピペの意味が即座に分かるくらいには知識として持ち続けようとは思いました。


第1章 「鎌倉幕府」とはどんな政権なのか
第2章 北条時政の“将軍殺し”
第3章 稀代のカリスマ後鳥羽上皇の登場
第4章 義時、鎌倉の「王」になる
第5章 後鳥羽上皇の軍拡政策
第6章 実朝暗殺事件
第7章 乱、起こる
第8章 後鳥羽上皇の敗因
第9章 承久の乱がもたらしたもの

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