今日の読書 動く家の殺人/歌野晶午
歌野晶午の初期に書かれた、名探偵もののシリーズ長編3作目にして最後の長編になります。
冒頭から、探偵訳である信濃譲二の死が明らかになるという所から始まり、信濃視点で、物語が進むという3作品目にしてかなり毛色の違うものとなります。
事件の舞台となるのは、売れない小劇団。
年齢的にも夢を夢として追いかけていられるには現実が重くのしかかる時期と、かなり緊迫感があります。
時代が、バブル絶頂期の80年代後半ですから、今とはまた違っている部分はありますけども。
探偵視点ですすむ名探偵ものというのも物珍しいですし、大掛かりな仕掛けもありますし、新本格初期らしさが多々感じられる中、作者の歌野晶午がベタな名探偵もののシリーズを終わらせて以降のトリッキーな作風になったというのも、非常に分かりやすい形で提示されていますね。
量産型の作家ではないと自分で感じたからこそシリーズを封印するという形になったようですが、もし量産できる作家であったのならば、違った形でシリーズを進化させたのではないかという期待もしてしまえるんですが、残念ながら恐らくは封印したままになるんでしょうし、それだけの決意を感じさせる作品になっています。
これで、あとシリーズとしては短編集一冊を読めば読み終わってしまうんですよね。
冒頭から、探偵訳である信濃譲二の死が明らかになるという所から始まり、信濃視点で、物語が進むという3作品目にしてかなり毛色の違うものとなります。
事件の舞台となるのは、売れない小劇団。
年齢的にも夢を夢として追いかけていられるには現実が重くのしかかる時期と、かなり緊迫感があります。
時代が、バブル絶頂期の80年代後半ですから、今とはまた違っている部分はありますけども。
探偵視点ですすむ名探偵ものというのも物珍しいですし、大掛かりな仕掛けもありますし、新本格初期らしさが多々感じられる中、作者の歌野晶午がベタな名探偵もののシリーズを終わらせて以降のトリッキーな作風になったというのも、非常に分かりやすい形で提示されていますね。
量産型の作家ではないと自分で感じたからこそシリーズを封印するという形になったようですが、もし量産できる作家であったのならば、違った形でシリーズを進化させたのではないかという期待もしてしまえるんですが、残念ながら恐らくは封印したままになるんでしょうし、それだけの決意を感じさせる作品になっています。
これで、あとシリーズとしては短編集一冊を読めば読み終わってしまうんですよね。
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