今日の読書 人は皆「自分だけは死なない」と思っている/山村武彦
今年は3月11日に起きた東日本大震災、津波、原子力発電所事故という人災など一連の大災害だけではなく、夏には台風による大規模な被害など日本が水没するんじゃないかと思われる災害が立て続けに起きました。
日本だけではなく、タイでは日本以上に水没していたり、トルコで大地震が起きた影響で隣国のアルメニアの原発がやばいとか、災害情報に対して麻痺してしまうかのように次々とよくもここまでという状況になっていますね。
そんな災害に対して、意識は高まっているだろう昨今ですが、いずれ風化して災害に対する興味も簡単に失われていくだろうというのも、よくある話。
日本人の防災意識とはどういうものなのか、心理学からのアプローチで過去の災害の検証や、災害時ではない日本人の特徴を調べ、大いに警鐘をならしましょうという1冊ですね。
書かれたのは2005年ですが、当てはまりすぎる事が多々見られます。
基本的に頭に入れておかなければいけないのは、人は自分が信じたいと思う情報を信じる傾向があるという事。
人は集団になればなるほど、責任感が希薄になる傾向があり、人任せになるという事。
そして日本人としての最大の特徴は、何が正しいかという論理的なものよりも、その場の空気でどうふるまうのがいいのかを基準とするという事。
この、空気を読む事の重要性、これが今の日本にとっては最大の病巣なんじゃないかと、空気を読む事を極端に不得手としている私は必要以上に取り上げたい気分になったりしますね。
空気を読む事の重要性というのは、平時において物事を円滑に進める上で非常に有効な手段でありそれを否定するつもりはありません。
しかし、論理よりも空気を優先すると、その空気を作りだしている場が正しい方向に向いていればいいのですが、明らかに間違いであったとしても、それを指摘して変な空気になるよりも、間違いでもその場の空気がよければいいじゃないかという、ある種の無責任が蔓延する事にしかならないのは、普通の人であれば理解できるでしょう。
それでも、その空気を破るだけの気持にならないのは、それによって得る不利益があるという大人の事情が絡んでくるという事で、不利益を与える事が実は大きな問題であり、今の日本の閉塞感に繋がるんですが、それはまた別の話で。
日本に住んでいる以上、大きな天災と無縁で生きる事は残念ながら不可能です。
とりあえず、不可能である以上防災意識とは何ぞやというのを頭に入れておく事は無駄になりませんし、少しでも頭の片隅に入れておくといいのではないかと思える1冊になっていますね。
Part1人間は「自分だけは大丈夫」と期待する本能がある
1「皆でいるから大丈夫」の怖さ
1.火災を見ても逃げない学生たち
2.煙が充満する地下鉄から逃げない乗客たち
3.「少々お待ちください」と言われ、いつまでも待ちつづけた
2「まさか!」の落とし穴
1.ホテル火災!生死を分けたグループ
2.「何かの間違いだろう」があなたの命を奪う
3心の非常スイッチが入らない現代人
1.現代の「それ、知っている」の落とし穴
2.過去の事例に囚われる危険
3.あえて危険地域に行く人
4.TVやラジオの情報だけでは人は逃げない
5.「大丈夫」と思い報告しなかった悪例
4地震が来るとパニックは起こるのか?
1.誰もパニックにならなかった警戒宣言発令
2.パニックは簡単には起こらない
3.パニックよりも怖いもの
Part2地震に備えない人々
1不安はあるのに備えはしない人々
1.やらなくてはと思いつつできないこと
2.なぜ、災害に備えられないのか?
3.「良い状況がずっと続くと思いたい」症候群
4.「誰かがやるだろう」から生まれる油断
5.「考えられない災害でした」は人災
6.生き残るのは運だけではない
2防災オンチの日本人
1.危機管理本能が退化する日本人
2.本当に守りたいものは何?
3.日本人特有の「空気を読む」の危険
Part3自分だけは逃げ切れると思っていた人々
1知らなければ逃げられない
1.「知らなかった」で命を落とす
2.「前回は…だったから」が命取りになる
3.過去の事例のみを教訓にしてはならない
2自分は冷静でいられるという思い込みの危うさ
1.家の中で火災発生!あなたならどうする?
2.デマが発生するとき
3.知り尽くした自宅で迷って死ぬ理由
Part4緊急時に知っておくべきこと
1非常時に人が陥る心理
1.災害時、失うと最もツライもの
2.携帯電話を失った現代人の陥る不安
3.目の前の災害を信じようとしない人々
4.過去の災害に囚われると安全の死角が生まれる
2生死を分ける行動力
1.間違った常識が事故を招く
2.マニュアルを捨てる勇気
3.災害と闘う姿勢
Part5地震予知・防災常識のカラクリ
1地震予知を信じていいか?
1.地震予知はどこまで信じるべきか
2.地震予知は本当に可能なのか?
2防災常識の三大ウソ
1.「地震机の下にもぐれ」は間違い
2.「避難所に必ず避難する」は間違い
3.「停電の時は非常用ローソクは間違い
日本だけではなく、タイでは日本以上に水没していたり、トルコで大地震が起きた影響で隣国のアルメニアの原発がやばいとか、災害情報に対して麻痺してしまうかのように次々とよくもここまでという状況になっていますね。
そんな災害に対して、意識は高まっているだろう昨今ですが、いずれ風化して災害に対する興味も簡単に失われていくだろうというのも、よくある話。
日本人の防災意識とはどういうものなのか、心理学からのアプローチで過去の災害の検証や、災害時ではない日本人の特徴を調べ、大いに警鐘をならしましょうという1冊ですね。
書かれたのは2005年ですが、当てはまりすぎる事が多々見られます。
基本的に頭に入れておかなければいけないのは、人は自分が信じたいと思う情報を信じる傾向があるという事。
人は集団になればなるほど、責任感が希薄になる傾向があり、人任せになるという事。
そして日本人としての最大の特徴は、何が正しいかという論理的なものよりも、その場の空気でどうふるまうのがいいのかを基準とするという事。
この、空気を読む事の重要性、これが今の日本にとっては最大の病巣なんじゃないかと、空気を読む事を極端に不得手としている私は必要以上に取り上げたい気分になったりしますね。
空気を読む事の重要性というのは、平時において物事を円滑に進める上で非常に有効な手段でありそれを否定するつもりはありません。
しかし、論理よりも空気を優先すると、その空気を作りだしている場が正しい方向に向いていればいいのですが、明らかに間違いであったとしても、それを指摘して変な空気になるよりも、間違いでもその場の空気がよければいいじゃないかという、ある種の無責任が蔓延する事にしかならないのは、普通の人であれば理解できるでしょう。
それでも、その空気を破るだけの気持にならないのは、それによって得る不利益があるという大人の事情が絡んでくるという事で、不利益を与える事が実は大きな問題であり、今の日本の閉塞感に繋がるんですが、それはまた別の話で。
日本に住んでいる以上、大きな天災と無縁で生きる事は残念ながら不可能です。
とりあえず、不可能である以上防災意識とは何ぞやというのを頭に入れておく事は無駄になりませんし、少しでも頭の片隅に入れておくといいのではないかと思える1冊になっていますね。
Part1人間は「自分だけは大丈夫」と期待する本能がある
1「皆でいるから大丈夫」の怖さ
1.火災を見ても逃げない学生たち
2.煙が充満する地下鉄から逃げない乗客たち
3.「少々お待ちください」と言われ、いつまでも待ちつづけた
2「まさか!」の落とし穴
1.ホテル火災!生死を分けたグループ
2.「何かの間違いだろう」があなたの命を奪う
3心の非常スイッチが入らない現代人
1.現代の「それ、知っている」の落とし穴
2.過去の事例に囚われる危険
3.あえて危険地域に行く人
4.TVやラジオの情報だけでは人は逃げない
5.「大丈夫」と思い報告しなかった悪例
4地震が来るとパニックは起こるのか?
1.誰もパニックにならなかった警戒宣言発令
2.パニックは簡単には起こらない
3.パニックよりも怖いもの
Part2地震に備えない人々
1不安はあるのに備えはしない人々
1.やらなくてはと思いつつできないこと
2.なぜ、災害に備えられないのか?
3.「良い状況がずっと続くと思いたい」症候群
4.「誰かがやるだろう」から生まれる油断
5.「考えられない災害でした」は人災
6.生き残るのは運だけではない
2防災オンチの日本人
1.危機管理本能が退化する日本人
2.本当に守りたいものは何?
3.日本人特有の「空気を読む」の危険
Part3自分だけは逃げ切れると思っていた人々
1知らなければ逃げられない
1.「知らなかった」で命を落とす
2.「前回は…だったから」が命取りになる
3.過去の事例のみを教訓にしてはならない
2自分は冷静でいられるという思い込みの危うさ
1.家の中で火災発生!あなたならどうする?
2.デマが発生するとき
3.知り尽くした自宅で迷って死ぬ理由
Part4緊急時に知っておくべきこと
1非常時に人が陥る心理
1.災害時、失うと最もツライもの
2.携帯電話を失った現代人の陥る不安
3.目の前の災害を信じようとしない人々
4.過去の災害に囚われると安全の死角が生まれる
2生死を分ける行動力
1.間違った常識が事故を招く
2.マニュアルを捨てる勇気
3.災害と闘う姿勢
Part5地震予知・防災常識のカラクリ
1地震予知を信じていいか?
1.地震予知はどこまで信じるべきか
2.地震予知は本当に可能なのか?
2防災常識の三大ウソ
1.「地震机の下にもぐれ」は間違い
2.「避難所に必ず避難する」は間違い
3.「停電の時は非常用ローソクは間違い
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