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今日の読書 叫びと祈り/梓崎優

第五回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む短編集になります。

語学力に堪能な雑誌記者が世界のあちこちで遭遇する事件という形のものになります。

東京創元のミステリーという事で、ミステリー好き向けの細かな仕掛けがあるなと感じるものですが、基本的には海外だからこそ、日本人の常識とはまた違った常識があるからこその事件の枠組み、行動理念がメインですね。

一般的な日本人ならば、即座に納得できるのではなく、この世界ではそういうものなのかと考えてから納得する作業を必要とするという事ですね。

いわゆる、異常殺人者など動機を一般的な常識で照らし合わせる事が難しいものを扱ったミステリーというのも山ほどありますし、動機が納得できないからといって、だからダメというものではありませんが、日本とは違う考え方を持っているからこそ、日本人の視点を通してみると、何でこれが殺人にまで発展しえるの?など不可解に映るという形式を使ったのは面白いですね。

海外ミステリーを読むのとは違い、明確に日本人との考え方の違いを狙いにしていますから。

と、同時に日本人の常識が必ずしも普遍的なものではないというのを意識しておく必要性は感じざるを得ないなと思えるようなニュースが目に飛び込んできたなぁと。

現在日本という国にとって未曾有の危機であるにもかかわらず、日本人の価値観からすると恩を恩とは絶対に思わない、思ってはいけない、思う事を認める事を正式に残してはいけない国に、一生懸命金を流す事を決めてしまったわけで・・・

これもまた、一般的な日本人の価値観からすると、動機はミステリーというか、むしろ海外ではミステリーかもしれないですね。

自国民を苦しめて、他国の、しかも正式に敵国と定義している相手への援助ばかりに一生懸命になる政治家というものの動機を計るなんていうのは、なかなか考えられないでしょうから。

積極的に国民を苦しめようとしているのか、日本人の常識で、手を差し伸べればそれで感謝してくれて、困った時は逆に手を差し伸べてくれるとでも思っているのか、善意に解釈して、そういう判断だとしたらば、いかに日本人の常識だけで判断する事が外交という面で無意味であるかと・・・

優劣という意味ではなく、国や文化や宗教やらが絡むものは常識の差異というものは絶対にあるという事は意識しないといけないというのを、改めて本著とバカな政治家から感じてしまったと。

胸糞悪くなるような、死んで欲しい人たちの事は置いておいて、海外を扱っているという事で、どの国と出てくる前に、Яという見出しで扱っている国が分かったお話があるのですが、ЯとОНと分かりやすい単語2つは分かったのですが、МИРが絶対に見た事がある単語なんだけども・・・となったのが、ミステリー本編の謎云々よりも分からなくて悔しかったです。

今の時代、わざわざ辞書をひかなくても楽に翻訳してくれるので助かりましたけどもね。
叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)
(2010/02/24)
梓崎 優

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