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今日の読書 図書館革命/有川浩

図書館戦争シリーズ本編最終巻、図書館革命を文庫化再読しました。

本編最終巻という事で、今までは連続している事ながらも短編としてそれぞれが独立した話になっている作りだったのが、長編作品になっていますね(章ごとではっきりした区切りはありますけど)

原子力発電所を狙ったテロ事件が起こり、その事件が小説を元ネタにして行われているという推測の下、作者が狙われ、図書隊が必死に守ろうとするというもの。

実際の日本よりも何歩か進めた形のパラレルな日本で、言論の自由が大幅に制限され、かろうじて守られているのが図書館だけという特殊な舞台装置を用意したのが、図書館戦争の世界ではあるのですが、何歩か進めただけと感じるくらい、現在の日本の言論の自由、報道の自由、報道の公正性など大いに問題だろうと思える状況だと思います。

特定の出自、性別、民族、国籍、職業、宗教、障害これらのものに対して、真っ当な批判であろうとも、それを行うと差別であると騒ぎたて、事の本質を多い隠したり、問題の矮小化をはかったり、また、報道側がそういった差別であると喧伝する勢力に対して、きちんと検証もせず、厄介事から逃げるためだけの自主規制という名の責任回避。

これにより、特定の出自、性別、民族、国籍、職業、宗教、障害を持ち得ていない、圧倒的多数の日本人にたいする差別が横行しているようにしか思えず、圧倒的大多数の側がこれを差別だと仮に騒いだとしても、そう騒ぐ事が差別であるという物凄い片手落ちな世論誘導が行われているのが現在の日本の閉塞感の一因ではないかと感じざるを得ないのですが、こう感じているのは私だけではない事を願ったりはしています。

この「片手落ち」という私は使い勝手がいいので、よく使う単語があるのですが、この「片手落ち」という単語が身体障害者差別に当たるとして投書が来るというエピソードが書かれています。

これは、図書館戦争の世界感になる以前のものとして、現在の日本の自主規制を扱ったものになるのですが、これも投書をしている人間は自分の正義感を振りかざしているつもりで投書をしてきていると。

しかし、辞書で調べる事もせず、単なる字面だけを額面道理にしか受け取れない日本語を理解していない者からであり、そういった頭のおかしな者からのものでも、苦情が来るからとして自主規制しそれが山のような言葉狩りに繋がり、図書館戦争の世界感へと繋がっていったとしているのですが、本当にこれを読むと、頭のいかれた人間基準で物事を決めてしまう事の愚かさを痛感しないわけでにはいかないですね。

私も日本語の能力に長けているわけではないですし、むしろ最底辺の能力しか持ち合わせていない、私以下の日本語能力しか持ち合わせていない人がいるのならば本気で心配したくなるレベルなのですが、とにかく、バカはでかい声を出すなと言いたくなります。

また、自主規制の愚かさ、一度論理的に全く間違ってもいない事すら間違いであると認めてしまうと、前例が前例を呼び、どこまでも暴走していくという事は火を見るより明らかだろうと。

こういった批判する勢力というのは、自分たちを正義であると心底思っているか、もしくは正義を掲げて、自分は安全圏にいて思うように利権をむさぼりたい、さもしい勢力でしか無いわけで、そういったさもしい人間に対して屈服する事がいかに多くのものを犠牲にするのか考えたほうが良いのではないかと思えますね。

特に、現在の報道を見ていると、大多数の一般的な日本人に向けたものではなく、特定の出自、性別、民族、国籍、職業、宗教、障害を持ち得ている人、またそれを持ち得た事によって発生した利権を持っている人に向けて発信されているのではないかと考えるのが自然なんじゃないかという例が枚挙に暇が無いようなきがします。

これに、特定の出自、性別、民族、国籍、職業、宗教、障害を持ち得た人からのみ選ばれた政治家が、一般的な大多数の日本人の犠牲よりも特定の出自、性別、民族、国籍、職業、宗教、障害を持ち得る人を守るための情報統制をするように乗っかるという事は今でも十分に感じさせられますし、仮に法整備を整えられてしまうと、今の日本には図書館戦争の世界感のようにそれに対して戦える準備はできていないと思えてしまうので暗澹とした気分にしかなりません。

物語では、シリーズ本編最終巻として、希望の見える終わり方になり、大団円といって良いものになっていますが、物語として面白いだけに、現実の日本と比べるとどうしても現実は難しいよなと感じてしまいますね。

作品として面白いので、多くの人の目に触れて、多くの人が問題意識を持ってくれるといいなぁと願いますが。

文庫化では巻末に故児玉清さんと作者の対談が載っていて、これがまた面白いのですが、作者の取材方法としてメモもなにも取らずに感覚を大事にするというのに驚きましたね。

武蔵境から日野まで実際に歩いたり、大雨の中濡れ鼠になりながら東京をあちこちと回ったりとか。

手に入れている情報をどれだけ捨てられるかという作業の重要性であるとかは、何かしら作品を作っているような人には参考になるだろうなと思ったり。
図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)
(2011/06/23)
有川 浩

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