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今日の読書 孤宿の人/宮部みゆき

瀬戸内海に面し、金毘羅様詣での通り道にある讃岐の国の丸海藩。

そこに江戸から捨てられるように送られた、少女ほう。

ほうの名前は阿呆の呆からとられているというほどないがしろにされた、その名前の通りに頭の回転の早くない少女の視点を中心に、丸海藩に江戸から鬼、悪霊と噂される罪人で元勘定奉行の加賀様が送られてくる事によって、ふりかかってくる災厄に藩全体が振りまわされる事になる物語。

災厄は超自然現象だけの話ではなく、そこで起きた事件すら解決してはまずいという大人の事情が絡んでくるもの。

単純な善悪に分ける事ができず、悪事を悪事とする事によっての影響力の大きさに振りまわされ、その振りまわされている事を知るものと知らないもの、立場によってまた振りまわされと。

大人の事情に振りまわされる大人と、大人の事情を理解できないまま振りまわされる少女と、それぞれに思い道理にならないもどかしさから、それによってさらに振りまわされる事になり、それが故に物語は一応の収束を迎えるという形ですね。

現実の世の中は、単純な善悪二元論を取る事はなく、それぞれの立場のための善悪があり、悪としか思えないものであっても、大人の事情で見て見ぬふりをせざるを得ない事があるわけで、しかし、そういった大人の事情に振り回される事のいらだちやもどかしさというものを、どこかに抱えているものだったりするわけですが、そういった、どこにぶつけていいのかわからないもどかしさを抱える大人、特にまだ開き直るにはすれていない若者。

そういった事を理解するにはあまりにも知恵が回らない少女が、一種の救いになっているというのは、大人の事情だけで物事が動いてしまう現実があるこそなのかなと思えますね。

全体として重たい話ですが、重たいだけにしないようになっているというか、少しでも希望を感じさせる事があって欲しいよねという事ですかね。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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