今日の読書 東電帝国その失敗の本質/志村嘉一郎
2011年3月11日の東日本大震災は地震だけでも大災害と呼べるものでしたが、それに付随した津波の破壊力が多くの命を奪い東北の多くの地域を瓦礫の山にしてしまいました。
それだけでも、復興に時間がかかるものであるわけですが、追い打ちをかけたのが福島第一原子力発電所の事故という名の人災出会った事は決して忘れてはいけない事でしょう。
原発事故の放射能漏れによって、復旧作業になかなか着手出来ないという問題もありますし、直後の計画停電という名の無計画停電は政府と東京電力に対して、関係地域は全て損害賠償を請求しても、全く問題ないのではないか?と法律に詳しくない私は思ってしまいますし、そもそも、今回の事故により多くの命を奪った東京電力に対し、責任者という立場にいるものは全て、業務上過失致死で引っ張られなくてはおかしいんじゃないの?とやはり法律に詳しくない私は思わざるを得ないのですが、どうもまだそういう動きがないのは、日本の責任者と呼ばれる立場の人は無責任に生きていられるという事なんだなぁって、思わざるを得ないですかね。
天の裁きも待ってはおれぬし、この世の正義もあてにはならぬという事なんでしょうか。
本著は震災直後の4月に執筆されたもので、基本的には東京電力がどのようにして政府、官僚、マスコミに食い込み独占企業として確固たる地位を占め、批判を受けないで済むように持って行ったかという大人の事情をメインとしたものになっています。
正直、登場人物が多すぎますし、時系列順というわけでもないので、読んでいて把握しにくいものが多々ありますかね。
政治とカネというものをメインとすると、こうならざるを得ないのでしょうが、私の興味の範疇からややずれているので、前知識が少ない過ぎるというのもあるのかもしれないですね。
個人的には、大人の事情のためにばらまかれる大金の行方だけではなく、それによってないがしろにされた下請け孫請けの惨状まで食い込んでくると面白いと思ったのですが、書かれ時期的にそういう方に食い込むよりも、東京電力の上の方はこうやって腐敗していたんですよというのを速攻仕上げたから、こんな感じにまとめられたのかなと、期待していたものとは違うものだった事に対して理解しておこうかなと。
政治とカネというきな臭い感じのものが好きであるとか、利権ってこういう感じに作れられて、危機管理能力ではなく、責任回避能力だけに特化した場合、こういった末路が待っているというのに興味がある人向けかなと。
まえがき
供給義務の放棄
木川田の福島原発
安全よりコスト削減
第1章 なぜ、福島に原発だったのか?
百円玉一枚で避難
全国平均を上回った所得
今後は人口流出
地元へ140億円と130億円のJビレッジ
読売新聞が原子力キャンペーン
東海村に初の原発
旧陸軍航空基地を買収
木川田が動く
田中角栄と原発利権
三井、江戸英雄の暗躍
太平洋の波浪に耐える設計
古文書までさかのぼり地震対策
第2章 朝日が原発賛成に転向した日
開始されたマスコミ対策
守りから攻めへ
CIAなみの情報網
原発賛成の研修会
朝日、原発広告を解禁
毎日も「原発賛成」に
PR費は原発建設費の一部
神話の語り部をあやつる
ダダの一泊旅行
原発ノンストップ時代へ
コスト削減の大号令
驕りと原子力村
第3章 木川田天皇と平岩外四侍従長
社外で決まった社長交代
人間尊重の経営
降格されたとは社長に
過当競争、国家管理の時代を経て、協調的競争へ
「山高き」を誇ってはいけない
木川田イズムを社内に浸透
放射線をものともせず
耐える経営
以心伝心に二〇年
電気料値上げと値下げ
木川田の夢を果たす
温暖化対策で原発建設二十基
第4章 カネと政治と天下りと
社会党代議士にカネを届ける
会社まるごと献金
札束で阻止しろ
政党の食いものは御免
献金の出所であってはならない
九頭竜疑惑
電力と政界結ぶ鎖の輪は札束
企業ぐるみの金権選挙
一円不払い運動で政治献金停止
経団連も献金あっせん中止
会社が集める個人献金
二〇億円の交際費で政治パーティー券
天下りで役所をコントロール
第5章 “電力の鬼”がつくった会社
怨念の対決
対決二回戦
株主総会流会事件
部長会が決起
戦前は、激烈な競争
電気事業再編成審議会
GHQを味方に
国営会社の放漫経営者は不要
松永の執念でよみがえった社名
第6章 「東電帝国」崩壊の始まり
ボツになった「終わりの始まり」
北朝鮮より統制がとれた帝国
想定外の研究には金を出さず
九電力がそれぞれ帝国を形成
版図拡大と崩壊の道
動かせない原発
自家発電で自衛
政治力で電力自由化阻止
九電力体制崩壊の始まり
それだけでも、復興に時間がかかるものであるわけですが、追い打ちをかけたのが福島第一原子力発電所の事故という名の人災出会った事は決して忘れてはいけない事でしょう。
原発事故の放射能漏れによって、復旧作業になかなか着手出来ないという問題もありますし、直後の計画停電という名の無計画停電は政府と東京電力に対して、関係地域は全て損害賠償を請求しても、全く問題ないのではないか?と法律に詳しくない私は思ってしまいますし、そもそも、今回の事故により多くの命を奪った東京電力に対し、責任者という立場にいるものは全て、業務上過失致死で引っ張られなくてはおかしいんじゃないの?とやはり法律に詳しくない私は思わざるを得ないのですが、どうもまだそういう動きがないのは、日本の責任者と呼ばれる立場の人は無責任に生きていられるという事なんだなぁって、思わざるを得ないですかね。
天の裁きも待ってはおれぬし、この世の正義もあてにはならぬという事なんでしょうか。
本著は震災直後の4月に執筆されたもので、基本的には東京電力がどのようにして政府、官僚、マスコミに食い込み独占企業として確固たる地位を占め、批判を受けないで済むように持って行ったかという大人の事情をメインとしたものになっています。
正直、登場人物が多すぎますし、時系列順というわけでもないので、読んでいて把握しにくいものが多々ありますかね。
政治とカネというものをメインとすると、こうならざるを得ないのでしょうが、私の興味の範疇からややずれているので、前知識が少ない過ぎるというのもあるのかもしれないですね。
個人的には、大人の事情のためにばらまかれる大金の行方だけではなく、それによってないがしろにされた下請け孫請けの惨状まで食い込んでくると面白いと思ったのですが、書かれ時期的にそういう方に食い込むよりも、東京電力の上の方はこうやって腐敗していたんですよというのを速攻仕上げたから、こんな感じにまとめられたのかなと、期待していたものとは違うものだった事に対して理解しておこうかなと。
政治とカネというきな臭い感じのものが好きであるとか、利権ってこういう感じに作れられて、危機管理能力ではなく、責任回避能力だけに特化した場合、こういった末路が待っているというのに興味がある人向けかなと。
まえがき
供給義務の放棄
木川田の福島原発
安全よりコスト削減
第1章 なぜ、福島に原発だったのか?
百円玉一枚で避難
全国平均を上回った所得
今後は人口流出
地元へ140億円と130億円のJビレッジ
読売新聞が原子力キャンペーン
東海村に初の原発
旧陸軍航空基地を買収
木川田が動く
田中角栄と原発利権
三井、江戸英雄の暗躍
太平洋の波浪に耐える設計
古文書までさかのぼり地震対策
第2章 朝日が原発賛成に転向した日
開始されたマスコミ対策
守りから攻めへ
CIAなみの情報網
原発賛成の研修会
朝日、原発広告を解禁
毎日も「原発賛成」に
PR費は原発建設費の一部
神話の語り部をあやつる
ダダの一泊旅行
原発ノンストップ時代へ
コスト削減の大号令
驕りと原子力村
第3章 木川田天皇と平岩外四侍従長
社外で決まった社長交代
人間尊重の経営
降格されたとは社長に
過当競争、国家管理の時代を経て、協調的競争へ
「山高き」を誇ってはいけない
木川田イズムを社内に浸透
放射線をものともせず
耐える経営
以心伝心に二〇年
電気料値上げと値下げ
木川田の夢を果たす
温暖化対策で原発建設二十基
第4章 カネと政治と天下りと
社会党代議士にカネを届ける
会社まるごと献金
札束で阻止しろ
政党の食いものは御免
献金の出所であってはならない
九頭竜疑惑
電力と政界結ぶ鎖の輪は札束
企業ぐるみの金権選挙
一円不払い運動で政治献金停止
経団連も献金あっせん中止
会社が集める個人献金
二〇億円の交際費で政治パーティー券
天下りで役所をコントロール
第5章 “電力の鬼”がつくった会社
怨念の対決
対決二回戦
株主総会流会事件
部長会が決起
戦前は、激烈な競争
電気事業再編成審議会
GHQを味方に
国営会社の放漫経営者は不要
松永の執念でよみがえった社名
第6章 「東電帝国」崩壊の始まり
ボツになった「終わりの始まり」
北朝鮮より統制がとれた帝国
想定外の研究には金を出さず
九電力がそれぞれ帝国を形成
版図拡大と崩壊の道
動かせない原発
自家発電で自衛
政治力で電力自由化阻止
九電力体制崩壊の始まり
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