今日の読書 狩場最悪の航海記/山口雅也
2001年、ロンドンで偶然発見されたガリバー旅行記の続編という設定のものを翻訳したものになりますね。
ガリバーと徳川綱吉の側用人の狩場蟲斎との最悪と言い表わしたくもなるほどの一大冒険記。
偶然見つかったものを翻訳した体で書かれたものとなると、筆者の『日本殺人事件』がありますが、ある種狙ってとんでも日本を舞台にしたものと比べると、日本の描写そのものは、きちんとしているのですが、ガリバー旅行記(実は私は詳しくないのですが)がファンタジーやSFの要素のあるものであるために、旅行先となるものはファンタジーやSFの要素があるものになっています。
山口雅也は本格ミステリにこだわりのある作者の1人であり、基本的に現実社会とは別物のルールを作り上げたりする作品だらけではありながらも、あくまでも舞台装置を作り上げただけで、特殊な設定下で起こる謎を論理的に解き明かす本格ミステリばかりだったのに、今作は論理的に考える場面こそあれども、ミステリ作品と扱うには無理があるものですね。
冒険記とするのが正しいんでしょう。
私はジャンルとしてあまり読むものではないのですが、楽しんで読む事は出来ました。
江戸時代を舞台にしながら、細かい所で現在の世相を揶揄してみたりと、ストレートに扱わないあたり、小説という手法での社会批判はこのくらいがちょうどいいと思ったりもするんですが・・・。
ただ、狙った翻訳調の文章で、狙ってやたらと注釈を入れる形のものですので、狙って癖をつけているので、万人向けではないだろうなぁと思わずにはいられないですかね。
ガリバーと徳川綱吉の側用人の狩場蟲斎との最悪と言い表わしたくもなるほどの一大冒険記。
偶然見つかったものを翻訳した体で書かれたものとなると、筆者の『日本殺人事件』がありますが、ある種狙ってとんでも日本を舞台にしたものと比べると、日本の描写そのものは、きちんとしているのですが、ガリバー旅行記(実は私は詳しくないのですが)がファンタジーやSFの要素のあるものであるために、旅行先となるものはファンタジーやSFの要素があるものになっています。
山口雅也は本格ミステリにこだわりのある作者の1人であり、基本的に現実社会とは別物のルールを作り上げたりする作品だらけではありながらも、あくまでも舞台装置を作り上げただけで、特殊な設定下で起こる謎を論理的に解き明かす本格ミステリばかりだったのに、今作は論理的に考える場面こそあれども、ミステリ作品と扱うには無理があるものですね。
冒険記とするのが正しいんでしょう。
私はジャンルとしてあまり読むものではないのですが、楽しんで読む事は出来ました。
江戸時代を舞台にしながら、細かい所で現在の世相を揶揄してみたりと、ストレートに扱わないあたり、小説という手法での社会批判はこのくらいがちょうどいいと思ったりもするんですが・・・。
ただ、狙った翻訳調の文章で、狙ってやたらと注釈を入れる形のものですので、狙って癖をつけているので、万人向けではないだろうなぁと思わずにはいられないですかね。
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