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今日の読書 QED 伊勢の曙光/高田崇史

QEDシリーズの最終巻になります。

今回は伊勢神宮の謎と、天照大神という存在に対する謎。

このシリーズは基本的に現在行われた犯罪と、歴史上の謎をリンクさせて解決するという形のものだったのが、話によっては全く現実の犯罪とは絡まないようなものも多く、どんどん力点が歴史上の事になっていったわけですが、さすがに最終巻ともなるとガッツリと絡んでいます。

基本、高田崇史作品は歴史は勝者が書き残すという点と、捏造や置き換えはするものの、読み説いて行くと裏側には何がしかのものが残っているとすること、怨霊と鉄というものが必ずと言っていいほど絡んでくるという視点で歴史を読み解こうとしています。

伊勢もそういう土地柄であるというのは、読む前から予測出来た事ですが、日本史上初めて後世に名を残す事になる引きこもりである天照大神が、元々扱いが大きかったわけでもなんでもなく、後付け的に大きな存在になったというのは私は全く思いもつかなかった事だったりして驚きましたね。

改めて、どこまで突っ込むかどうかは別として、日本人の常識としての神話教育というのは必要なのかなぁと。

解釈云々でいろいろと政治的な思惑に使われるのが問題なんでしょうけど。

そして、今回が最後のはずなのに、消化していない伏線があったり、伊勢神宮との神宮繋がりで明治神宮の謎を放り投げておきながら、これは別の機会にと言う形で話を進めてしまったのが、もやもやが残ると言いましょうか・・・

歴史が近すぎると、宗教上の思惑も近すぎて、推理したネタとして扱う事も難しい部分はあるんだろうとは思いますけどもね。

QEDシリーズは最終巻となっても、まだ同じ世界感の中でやっているカンナシリーズや、毒草師のシリーズの方で、積み残しかと思える伏線が回収されるのかと思わなくはないですが、13年続いたシリーズが終わってしまったという事に対して、区切りがついて良かったなという思いと、終わってしまったという寂しい思いが両方ありますね。
QED 伊勢の曙光 (講談社ノベルス)QED 伊勢の曙光 (講談社ノベルス)
(2011/10/06)
高田 崇史

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テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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