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今日の読書 逆説の日本史14近世爛熟編/井沢元彦

日本の歴史学者が示した通説の欠点は、史料至上主義、通史ではなく期間限定の狭い範囲の専門のみになっている事、宗教視点の軽視及び欠如であるとして、そういう視点を当てはめて歴史を見直す事こそが重要だとする逆説の日本史シリーズ、14冊目は忠臣蔵、文治政治、江戸の商人、日明関係、琉球に関する事を扱っています。

忠臣蔵だけが、史料至上主義を批判している立場とは逆で、史料をまともに読めという形で提示していますね。

仮名手本忠臣蔵というフィクションに引きずられ過ぎていて、フィクションを事実と錯覚し過ぎというものですね。

フィクションとしての忠臣蔵が好き過ぎて、当たり前の事が見えなくなっていると。

それ以降は、このシリーズが散々宗教的な視点に力点を入れてきたように、宗教的視点こそが問題点とするものですね。

特に、新井白石が朱子学から影響を受けているという視点を抜きに史料を丸のみしてはいけないというのを軸に、朱子学という儒教の流れは朱子学の学という所に、学問としての意味を感じ取りすぎるが、儒学というものは儒教という宗教以外の何物でもなく、それは基本的に中華思想、華夷秩序ありきのものであると言う事。

そして、学問ではない事の最大の理由は、論理的整合性よりも、あるべきという前提のためならば捏造も正当化するという、手段と目的が完全に入れ替わろうとも何も問題がないという所ですね。

そういった硬直的な儒教への批判的視点から、儒教が間接的にしか影響を及ぼしていない日本という文化と、完全に中華思想、華夷秩序の儒教にどっぷりとつかった文化との対比、そして、それが現在の日本のやっかいな隣国との問題にも繋がってくるのですが、それはそれとして、儒教という呪縛がなかったからこその日本の商業の発展などをとりあげています。

特に、商業が発展するためには士農工商という身分制度が硬直化して形骸化すら許さなかった儒教の影響がないからこそ、日本は商習慣が発展し、今では当たり前になっている定価表示、いちいち商人と値段交渉をしなくてもすむという信用商売がなりたっているというのは本当にありがたいと思いますね。

いかんせん、値切り交渉をして当たり前の文化というのが、私には煩わしいというか面倒というか、コミュ障というか・・・

海外旅行で何が面倒って、値段交渉しないといけない場合がある事だったりしますからねぇ。

という事で、儒教って面倒だよねという事を嫌というほど繰り返される一冊でしたかね。

儒教という呪縛がある限り、近代化は絶対にできないし、論理もへったくれもない捏造を正当化すると言う、傍から見ると頭がいかれている事も平気で大きな声でやり続ける事ができるんだよなぁって。


第1章 忠臣蔵、その虚構と真実編
第2章 将軍と側用人システム編
第3章 大坂・江戸 大商人の世界編
第4章 明と日本編
第5章 琉球王国と日本編
逆説の日本史 14 近世爛熟編 (小学館文庫)逆説の日本史 14 近世爛熟編 (小学館文庫)
(2011/12/06)
井沢 元彦

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テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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