今日の読書 春から夏、やがて冬/歌野晶午
スーパーの保安責任者の男と、万引き犯の女の出会いが、それぞれの運命を動かす事になるというお話ですね。
保安係の男が万引きで捕まえた女を警察に突き出さなかった理由の裏にある過去と、その過去を聞いた事によって万引きした女も万引きせざるを得ない状況から変わろうと動く。
歌野晶午の作品は、概ねトリッキーなミステリーで、そのトリッキーさを露骨に表に出してくる事が多いのですが、本作はトリッキーさを封印し、ミステリーである事すら封印したかのようなどん底の人生に救いがあるのかどうか?といった形です。
歌野晶午の作品っぽくないかなぁというか、作者の名前を伏せていたらば、貫井徳郎作品かなと思うかなという感じですが、最後まで気を抜いてはいけないというか、最後にこそ集約されるあたり、歌野晶午のトリッキーさが今までとは違う形で使われたなと。
露骨にトリッキーな作品を避けている人で、全体的に絶望感のある暗い話が好きな人はミステリーと思わないで読む事も出来る作品かなと。
舞台は基本的に吉浦という地方の寂れた港町なのですが、主人公がそこに移り住んでくるまでに住んでいた所や、それに関連して出てくる地名に見知った土地ばかりだったりするのが、変に嬉しかったり。
歌野晶午ですと、「葉桜の季節に君を想うということ」で比較的近所が舞台だったので、別に珍しい事ではないんですけどもね。
多摩地区至上主義者視点からすると、どうしてもそういう所ばかりに目がいってしまうという悪い癖ですね。
保安係の男が万引きで捕まえた女を警察に突き出さなかった理由の裏にある過去と、その過去を聞いた事によって万引きした女も万引きせざるを得ない状況から変わろうと動く。
歌野晶午の作品は、概ねトリッキーなミステリーで、そのトリッキーさを露骨に表に出してくる事が多いのですが、本作はトリッキーさを封印し、ミステリーである事すら封印したかのようなどん底の人生に救いがあるのかどうか?といった形です。
歌野晶午の作品っぽくないかなぁというか、作者の名前を伏せていたらば、貫井徳郎作品かなと思うかなという感じですが、最後まで気を抜いてはいけないというか、最後にこそ集約されるあたり、歌野晶午のトリッキーさが今までとは違う形で使われたなと。
露骨にトリッキーな作品を避けている人で、全体的に絶望感のある暗い話が好きな人はミステリーと思わないで読む事も出来る作品かなと。
舞台は基本的に吉浦という地方の寂れた港町なのですが、主人公がそこに移り住んでくるまでに住んでいた所や、それに関連して出てくる地名に見知った土地ばかりだったりするのが、変に嬉しかったり。
歌野晶午ですと、「葉桜の季節に君を想うということ」で比較的近所が舞台だったので、別に珍しい事ではないんですけどもね。
多摩地区至上主義者視点からすると、どうしてもそういう所ばかりに目がいってしまうという悪い癖ですね。
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