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今日の読書 ソロモンの偽証 第2部 決意/宮部みゆき

宮部みゆきの最新作は、なんで現代ものになるたびに大作ばかりになるんだろうという大作。

今回は決意という事で、事件編では中学生の死をきっかけに、遺書こそないものの自殺として片付けられるはずのものが、殺人疑惑としてマスメディアの介入もあり大事へと発展してしまい、関係者の思惑や大人の事情などなど絡み、何が真実なのか分からないまま、翻弄される中学校という所でおしまいでした。

事件が起きた事によっての影響が諸々出た状況になって、果たしてどこに向かっていくのか、先にタイトルだけは分かっているので、3冊目の法廷という事で、どうたどり着くのか分からなかったのですが、向かった先がどこにあるのかが明らかになるのが、2冊目である決意ですね。

この決意は誰の決意なのか、回りの大人によって優先順位が下げられてしまった事件の真実。

噂だけが独り歩きしてしまった中、もやもやしたまま先には進めないと、生徒たちが真相を暴くために、学校内裁判を行う事になるという事で。

事件の真相について、何が事実なのかの追及と同時に、何故疑われるような事になったのか、感情論ではなく証拠を積み上げるという事はどういう事か、また弁護側、検事側それぞれの役割というものは、どういう事なのか。

実際の裁判ではなく、中学生にやらせる事によって、仕事としての裁判ではなく、自分たちのため、大人の事情に振り回されない、また大人の事情でがんじがらめにされていないという立場にやらせる事によって、学校内の問題というのを扱う狙いがあるんだなというのが、はっきりしてきたかなと。

もちろん、全ての事を中学生がやりきるのではなく、裁判に協力的な大人達も多々登場してはきますけども、それでも正直、実際の中学生がここまでの事ができるのか?という疑問もあったりしますかね。

私が出来の良い中学生であった経験がないからだという事にしておくのが正解なのかなと言う程度のものですけども。

大長編でありながら、丁寧過ぎるくらい丁寧に書かれているので、登場人物が誰が誰だか分からなくなる事もありませんし、何か重要な事があったような気が・・・というような形で前の方の事を忘れてわけがわからなくなるわけでもないあたり、宮部みゆきの筆力を感じますし、ラストのまとめも安心して期待できますね。

上がりすぎたハードルを超えられなかったという結果になる可能性もゼロではありませんが。
ソロモンの偽証 第II部 決意ソロモンの偽証 第II部 決意
(2012/09/20)
宮部 みゆき

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テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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