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今日の読書 人生教習所/垣根涼介

人間再生セミナー小笠原塾、しっかりとしたバックボーンがあり、セミナーに参加しテストに合格した者は就職の斡旋もある、そのセミナーにひきこもりで休学中の大学生や、元やくざ、完全に行き詰っている女性フリーライターなどが集まった。

その小笠原諸島で開かれたセミナーで、参加者は人間として再生していくのかというお話。

島に集められてというのが、無人島だったりするとミステリーの定番として次々と殺されて行ったりするのですが、これはそういうたぐいのお話ではないですね。

普通に信頼のおけるセミナーであり、前半は基本的な社会学系のセミナー。

そして、その後に行われたテストで合格した者が受けるのが小笠原の歴史を知るというセミナーですね。

後半の小笠原の歴史やら現状について書きたかったのかなぁというくらい、ちょっと繰り返し過ぎじゃないかというくらいガッツリと書かれていますね。

日本の敗戦によりアメリカに組み込まれた小笠原が、再び日本に戻る事になり、国籍が変化するというもの。

これについては、国家というもののある種の横暴という視点も入ってきたりしますが、それ以上にそれに適応した現地の人々というのが、力点になるかなというのが、セミナーの内容ですかね。

アメリカから日本に戻るという事で、国籍をどうするかを自己責任にし島に残る人は日本人、アメリカ人として生きて行くと決めた人はアメリカに渡るという、国籍について考えさせられるとともに、この線引という覚悟はすごく大事だよなと思えるものですね。

日本人として生きていくと選択したからには、それまでのアメリカの生活では無く、一から日本語を学ぶような事になったり、また、それが可能になるように熱心に教育した日本人教師の存在がどれだけ重要だったかと思い出にしたり。

今世界的な問題の1つの移民問題は、この国籍というものの覚悟の無さなんじゃないかと。

国籍を変更するというのは、全て価値観から何からその国籍に基本的にすり合わせるもの。

外国人として生きて行くのならば、自分が外国人である事によって、その住む国家では一定の線引があって当たり前であり、同時にそういう線引がある事を背負って生きていくべき事なんだなぁと。

日本国内にいる、しっかりとした線引を拒否して居住する事になった非日本国籍の人で、日本国籍になるチャンスがありながら拒否して居住し続けている人は、その時に二者択一、日本人として日本国内にとどまるか、本来の国籍の人間として日本から出て行くのか決める事が本来あるべき姿であり、自分で決めるからこそその後の人生はどういう結果になるにせよ幸せを感じるのでは無いかと思えたりしましたね。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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