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今日の読書 まともな日本再生会議 グローバリズムの虚妄を撃つ/中野剛志・柴山桂太・施光恒

現在、世界中で大きな戦争でも起こるのではないかと思わせるくらいきな臭いことだらけになっています。

直近の話ですと、ウクライナのクリミア地区がロシアに併合されようという動きがあり、それに対して欧米を中心にロシアを猛烈に非難し、日本もまたその中に巻き込まれている状態です。

今回の話は単純化する事は出来ないのですが、物凄く乱暴に言ってしまうとウクライナが民族国家では無かったが故に起きている混乱、ロシア系ウクライナ人という存在があったからこそ起きた問題であると私は勝手に思っています。

私は基本的に伝統国家は民族をベースとしたものになるべきであり、移民を大量に抱える国家というのは避けるべきであるという移民不要論者です。

移民不要論という話をすると、人種差別論者と脊髄反射をする人がいますが、差別を推奨するのではなく、伝統性や土着性を最優先した国家システムがなんだかんだと一番安定するものだと。

多民族国家が自然の流れによって生まれてそれが元々の伝統分野や土着文化としっかりと混じり合って、それが民族的なものを凌駕してしっかりと伝統として成立しているのであれば、それで構わないですが、人工的に伝統や土着性をないがしろにして、とりあえず多民族国家になりましょう、差別は良くないのでみんな平等にしましょうという偽善でもってつくったものは、まぁまず破綻するものと考えています。

私は、ソ連崩壊などいわゆる共産主義国家崩壊について勉強していた事があります、何故共産主義国家が破綻したのか、資本主義との対比で説明出来る事は山ほどありましたし、全体主義国家と民主主義国家というもので対比して説明する事も山ほどありました。

しかし、ソビエト連邦崩壊であるとか同じく共産主義国家であるユーゴスラビア崩壊という大国家が崩壊し、国家が分裂して行った経緯を考えると、一番の問題は伝統国家をないがしろにし、人工国家として無理矢理1つにまとめていた事ではないのかと思わずにはいられません。

人種差別というものは私は許して良いものだとは思いません。

しかし、悲しいかな人間というのは上手く行っている時は差別などせずに上手くやりくりするものですが、事が全て上手くいかなくなるとどうなるか、みんなで連帯して頑張って苦境を脱するという前向きな解決策をとれる真っ当な人よりも、自分を守る利己的な志向の方が強くなり、敵味方を自然と作りだしてしまい、その敵と認定する者とは自らとは出自や価値観が違う者という流れに行きやすくなります。

そのため、ソ連崩壊にしろユーゴスラビア崩壊にしろ民族紛争という悲劇が起きてしまったと言っても過言ではないのかと。

賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶというような言葉があります。

私は賢者ではありませんが、旧共産圏の国家分裂というものは、十分過ぎる歴史的根拠として移民を推奨したり多民族国家を推進する人に対して、なんて暴力的な悲劇を誘発させたがっている人なのかと徹底的に批判したくて仕方がありません。

共産主義とは本来真逆の資本主義というか、いわゆるアメリカが推奨するグローバリズムというものがあります。

私が考える本来のグローバリズムというのは、国家間の交流がある事は大いに結構、そのためにそれぞれの伝統や土着性をしっかりと根付かせて、より世界が多様化し、優劣ではなく差異というものを有効利用し社会でその多様性を楽しめるものであるべきだと。

ステレオタイプが蔓延しようがなにしようが、それぞれの国の個性というものがしっかりと分かりやすくある事、できればその個性というものが悪い面だけが流布するのではなく、持ち味であるとか良さ、伝統文化などがしっかりと流布される事が理想だと思います。

しかし、いわゆるグローバリズムというのはその逆であり、国家の伝統制や土着性をすっかりと破壊し、合理的で画一的な世界の実現を狙っているようでしかありません。

新自由主義とマルクス型共産主義、本来は右と左で真逆のはずなのに、何故か両方とも目指した先が同じように見えてしまうのは、不思議なものではあります。

極右と極左が親和性が高いというのは頭の中にしっかりとありますし、どちらも全体主義や軍国主義に行きつく例はいくらでも分かっていたつもりでいましたが、いかんせん日本の場合新自由主義がいわゆる保守とイコールではない事で、どうにもすっきりと行かない形になるんですね、伝統国家の保守というのは基本は民族主義という所に集約されるので、いわゆる極右であれば行きつく先は排他的民族主義であるはずで、伝統破壊に結び付くはずはない。

しかし、これがアメリカの極右である新自由主義という事になると、極右と極左が出発点が違うはずなのに同じ方向をいつの間にか向いているという親和性も説明出来るという事になる。

そのせいで、現在の日本では新自由主義者と左翼が世論を形成しようとしているから、移民不要というものを声高にすると、どの方向からも批判が来るという不思議な状況というか歪んだ状況になっているんだなぁと、すごく理解できるようになったのが本著を読んでの事ですね。

長すぎる前置きになりましたが、グローバリズムがいかに危険であるか、改革こそ善であるという態度がいかに危険か、ナショナリズムというだけで脊髄反射で危険思想とすることがいかに無意味か、そういう事を実に分かりやすく、まさしく会議という形で語りあって説明してくれるのが本著になります。

私が頭の中で、どうも上手く説明がつかないというか、自民党にしろ民主党にしろ与党と野党となった時に提示する経済政策が意味不明というか、民主党が小泉純一郎政権の時に全否定していた市場原理主義を自ら行ってしまう意味不明さとか、現在の安倍政権が富国強兵的なビジョンを出しながら、竹中平蔵をブレーンにいれて移民を推奨してみたり新自由主義を残していたりと、意味が分からない状況になっているのも、いろいろとすっきりと説明がつくなぁと思え、これは頭の中を整理するのにぴったりな1冊だったなと、短く読みやすいからこそ、これは大々的に読まれるべき1冊ではないかと思わずにはいられないですね。


第1章 安倍政権と新自由主義
     安倍政権のランキング・ナショナリズム
     安倍政権の目指す「親米でプロ・ビジネス」保守
     「まだ改革が足りないのだ」という言説
     成功しているケースは1つもない移民政策
     移民国家をモデルにしたくなる新自由主義者
     財界が移民政策導入を主張する理由、本来の成長戦略とは?
     「人口が多い国は発展する」のか!?

第2章 英語公用化とグローバル・ビジネス文明
     「日本も英語を公用化すべき」か!?
     言語や喋りが軽薄だと、その人間性も軽薄になっていく
     日本のグローバル化は、アメリカ化ではなくフィリピン化だ
     「日本は鎖国している」という思いこみ
     「われわれにとって英語というのは奴隷の言葉なんだ」
     「世界の大学ランキング100位以内に」というランキング・ナショナリズム
     ビジネスマンが考えるより世界は複雑だ
     グローバル・ビジネス文明の発想が世界を支配する
     「ネオアメリカ型資本主義」に感染した世界
     グローバル・ガバナンスの前にナショナル・ガバナンスを
     グローバル・クラブに参加するためのエリート教育でいいのか?

第3章 新自由主義が政治を殺す
     新自由主義の三つのドグマを信奉する経済学者たち
     金持ちがやりたい放題の利益集団と化して、政治を動かすアメリカ
     アメリカでグローバル・ガバナンスを薦めるのは法学者
     便宜か一般原則か、ケインズかハイエクか
     日本と「世界」の認識ギャップが広がっている
     このまま新自由主義的な路線が強くなっていくと…
     新自由主義の行くつく先「スノーデン事件」
     ジョージ・オーウェル「1984」の世界

第4章 政治を取り戻す、共同体を再評価する
     日本的なものを壊したい衝動 マルクス主義と新自由主義との類似性
     日本にはまっとうな左翼がいない
     伝統的な共同体は否定すべき悪なのか
     日本の民主主義は村の寄り合いがベース
     「大学の自治」から「グローバル人材」に乗り換えた大学
     中間的共同体のある国ほど将来的な可能性がある

第5章 グローバル経済の終わり
     アメリカ一強時代の終わり
     アメリカは「民主化」の恐ろしさを知らない
     債務上限問題を抱えているアメリカ
     基軸通貨「ドル」の終わり?
     通貨システムの三つの可能性
     中国経済のハードランディング
     「日本にグローバル・マネーがやってくる」か!?

第6章 漸進主義の時代へ
     日本は国際秩序構想を提出して欲しい
     「今どきの若者は内向きでいかん」は本当か?
     誰かに期待するのをやめて、自分で自分の事を鍛えよう
まともな日本再生会議:グローバリズムの虚妄を撃つまともな日本再生会議:グローバリズムの虚妄を撃つ
(2013/11/26)
中野剛志、柴山桂太 他

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ジャンル : 小説・文学

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