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今日の読書 英国人記者が見た連合国先勝史観の虚妄/ヘンリー・S・ストークス

歴史は勝者によって記録されていく、この前提は洋の東西問わず、またいつの時代かも問わず基本的なものです。

ですから、その事を例え頭の片隅であったとしても意識しているか否かで見え方が変わって来ると思いますし、勝者と敗者はあくまでも勝者と敗者であり、そこに善悪や優劣という価値観はそのまま勝者と敗者にきれいに当てはめられるものではない、これは意識しておかないといけないでしょう。

意識しすぎて、勝者を悪と決め付けるのも別の問題になるので、単純な善悪や優劣で語れるものではなく、歴史の流れに上手く乗ったかどうかという時流であるとか、様々な要因が絡んでくるものという程度で良いとは思いますが。

歴史は勝者が作るとなると、それがリアルタイムではどういう意味をもつかというと、歴史の政治利用、これに尽きると思います。

勝者が単なる勝者ではなく正義とし、敗者を単なる敗者ではなく悪という構図に一度固めてしまうと、勝者側としては非常に都合の良い物になり、その後の運営が楽になります。

勝者と敗者という視点で見ると、日本がその歴史の政治利用の影響にどっぷりとつかっているのは、第2次世界大戦の敗戦で敗者の立場になったという事になります。

日本が完全なる悪だった、これは勝者側、特にアメリカという国家が勝者の特権としてしっかりと日本に植えつけた歴史観になります。

敗戦直後から、日本は悪だったから成敗されたという立場に追いやられたわけですが、それに対して抗う術は皆無だったとまではいきませんが、限りなく無力であった事はアメリカの正義という名の東京大空襲であるとか広島・長崎への原子爆弾による大量殺戮という圧倒的な武力によって追いやられてしまった事になります。

戦後70年もたってきているという事もあり、最近は政治利用という観点よりも、純粋に歴史的事実としての検証という点から分析され直すようになってきているので、連合国側が純粋なる正義、枢軸国側が純粋なる悪と単純な二項対立にする事に疑問を持たれるようになってはいますが、それでも、純粋に対等なる立場の戦争という所にまで持って行く事はできず、連合国側の大義名分は大義名分として絶対的に崩れない形にはなっています。

正直、これを覆すとなるとまた世界大戦レベルの事が起きて、日本は勝者側にいると言う事にならないと、無理だろうなぁというのが正直な所、もしくは日本が戦争に関わらないとしても、別の対立軸で戦争をして新たな世界秩序が構築されると言う事なわけで、どちらにしろよほど大きな争いを必要とするので、難しいでしょうかね、本当は冷戦構造が崩壊した時に、日本の立場も回復されていればよかったんですが、戦後レジームそのものがアメリカが作り出したものである限り、アメリカの天下のままでは見直す理由が無いので仕方が無かったりしますが。

日本が敗者というだけではなく、アメリカを中心とした連合国側から絶対悪の立場をおっかぶせられたのは、当時の世界が白人にあらずば人にあらずという、白人天下、人種差別何それ美味いの?状態でやりたい放題だった中、唯一非白人国家である日本が対等な立場にまで上り詰めた事そのものが、許されない出来事であったという事と無縁ではありません。

だから、日本が被害者だと被害者ぶると話は進みませんが、とりあえず日本は白人天国の中、非白人も人間なんだという事を突きつけたという事で都合の悪い存在だったという事です。

それを踏まえて、本書ですが、著者はイギリス人ジャーナリストであり、戦争体験者、当時日本人は鬼や悪魔のように教えられそれを信じ込まされてきたと、当時の日本が鬼畜米英とやっていたのと、全く逆の事をやってきた事を踏まえ、同時にその後それらのすべてが白人のエゴによるものであったと気付かされたという事、プロバガンダで知らされていた日本と、実際に来て知った日本とのギャップに、どうやら自分が教えられてきた事は意図的に歪められていると気付いたという事から、いろいろとジャーナリストとして調べるようになったという事で、それを踏まえると、いかに日本が戦後理不尽な扱いをされてきたのか、また、その理不尽さを日本人自身がいかに知らないで済まされるようになったのか、イギリス人だからこそ、アメリカの戦後処理の理不尽さ、またそれに乗っかって日本に対して理不尽な言い掛かりをつけては金をせしめようとする日本の周辺国家の横暴さに気付き、日本はここから脱却しないといけないという思いからまとめられたものになります。

こういうものが世界的に広まってくれると助かるなぁと思えるものだらけですし、日本を褒めすぎだろうと言う文章も多々ありますね。

三島由紀夫と交友関係があったという事で、三島由紀夫の影響も受けまくっていますし、日本の戦後レジーム脱却を後押ししたくてたまらないというのが端々から読みとれます。

問題は奥さんが日本人という事で、これが世界的に翻訳されても、これはこれでプロバガンダだという扱いをされかねないなぁという事ですかね。

あと、結局は戦後レジームからの脱却って何だかんだアメリカが嫌がるというか、正義の国アメリカという看板でやり続けている国ですから、これをアメリカが認めると言う事は覇権国家であるうちは無理ですし、日本は今現在アメリカを向こうに回して敵対関係を作り上げるわけにもいかないしで、難しいよなぁとも思えるんですよね、歴史の政治利用というのを横におけば日本の名誉回復というのは、事実を積み上げていけば出来る部分は多々あるんですが、どうしても歴史の政治利用が壁として立ちはだかりそうですしねぇ。

ただ、アメリカの顔を潰さない形で、反日国家に対する歴史の政治利用というか、もはや捏造史ですが、それを封じ込めるような形で対応できるようにすべきだとは思いますけれどもね、何とか上手い方策は無いものかと思うんですが、それこそヨーロッパ当たりは上手く使えないのかなぁと、この著者がイギリス人という事で期待したかったりはするのですが、なかなか難しいで終わってしまいそう。

日本に対する評価が高すぎるなぁというのと同時に、実際に会ったアジアのリーダー票も書いてあり、それがある意味ボロクソだったりするのも、また面白かったりはしますし、この評価が今世界的に転換した歴史観であったらば助かるのになぁと思いながら読むと一読の価値はあるかもしれないですね。

第1章 故郷イギリスで見たアメリカ軍の戦車
     遠い世界としての第二次世界大戦
     米軍戦車を目にした時の衝撃
     もうイギリスはアメリカには敵わないと悟った日
     アジアで起こった大変動と日本
     少年時代に刷り込まれた日本のイメージ

第2章 日本だけが戦争犯罪国家なのか?
     チャーチルの聞くに堪えない日本人への罵詈雑言
     アジアの国々を独立させた日本の功績
     「白人植民地」を侵した日本の罪
     イギリス最大の屈辱、シンガポール陥落
     『猿の惑星』が現実となったときの衝撃
     無知が助長した日本時への憎悪
     戦勝国が日本を裁く事への違和感

第3章 三島由紀夫が死を賭して問うたもの
     三島由紀夫の最後の会食
     右翼には期待していなかった三島
     『ロンドン・タイムズ』に掲載された私の署名記事
     五年の歳月をかけた計画的で周到な自殺
     マッカーサーの唾棄すべき傲慢と不実
     裁かれるべきは戦勝国側だった

第4章 橋下市長の記者会見と慰安婦問題
     橋下大阪市長の失策
     初めて日本にやってきた日の東京の夜
     田中角栄も墓穴を掘った危険な記者会見
     戦場における「慰安婦」の歴史
     韓国の主張に対する説得力のある反論
     米国の資料にみる、日本の「慰安所」の実態
     では、日本はどのように対処すべきか

第5章 蒋介石、毛沢東も否定した「南京大虐殺」
     情報戦争による謀略宣伝だった「南京」
     中央宣伝部に取り込まれた南京の欧米人たち
     「南京大虐殺」を世界に最初に報道した記者たち
     誰一人として殺人を目撃していない不思議
     「南京」が虚構であるという事の決定的証拠
     光州事件の取材体験から言えること

第6章 『英霊の聲』とは何だったか
     国家元首として次元を異にした昭和天皇
     天皇の「人間宣言」に対する三島の批判
     日本にとっての「国体」とは何か
     三島の評伝を執筆中に起こったこと
     靖国に首相や天皇が参拝できないという異常さ
     三島が檄文で訴えたこと
     擬い物の国家、日本の現状

第7章 日本はアジアの希望の光
     日印国交樹立六十周年の集い
     日本は「占領の呪い」から脱却を

第8章 私が会ったアジアのリーダーたち
     1、私欲の権化だった金大中
        民主化運動の闘志を装った金大中
        光州事件を嗾けた張本人
        ジャーナリストとしての不明を恥じる
     2、金日成と北朝鮮という国
        金日成との歴史的面会
        トラックの荷台で運ばれていく人々
     3、北朝鮮で見たシアヌーク殿下
        シアヌークが北朝鮮で制作した日本軍の映画
        金日成の宮殿を住居とするシアヌーク
     4、インドネシア「建国の父」、スカルノ
        「九月三十日事件」直後に面会したスカルノ

第9章 私の心に残る人々
     1、日本とユダヤ人
        ユダヤ人を救った東條英機の知られざる功績
        英仏のロスチャイルド家をひとつにした男
        固く閉ざされた世界の扉を開ける鍵
     2、日本文学を世界に伝えた人たち
        戦場の日本兵の気高さに打たれたドナルド・キーン
        『高貴なる敗北』を三島に捧げたアイヴァン・モリス
     3、日本で出会った人々
        私が見た素顔の白洲次郎
        岸信介と安倍晋太郎
        運をものにした中曽根康弘

終 章 日本人は日本を見直そう
     韓国がけっして日本に追いつけない理由
     日本の敗戦後遺症と憲法問題
     欧米に不都合な「大東亜戦争」史観
     安倍晋三と将来の日本
英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄(祥伝社新書)英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄(祥伝社新書)
(2013/12/02)
ヘンリー・S・ストークス

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