今日の読書 強欲の帝国/チャールズ・ファーガソン
私の持論に、どんなに出発点が素晴らしかろうとも、利権を持った者はあまねく腐敗し、持った利権の大きさと腐敗の度合は比例するという、ごくごく当たり前のものがあるのですが、アメリカの金融界はまさしく利権の大きさと腐敗具合が巨大過ぎるくらい巨大になっていて、世界を蝕んでいるという事を全面的に扱っているのが本書になります。
1%の富裕層と99%の貧困層、今のアメリカの現状を表すキーワードとして定着しつつある概念ですが、なぜそうなるのか、本来市場がまともに機能しているのならばそんな極端な形になるのはおかしいのではないかというのが、あったりしますが、このまともに機能するという点が、著しく損なわれているのが現状のアメリカと言う事で、アメリカのエリート層、金融業界に入り込む事さえできれば、ノーリスク・ハイリターンな生活がおくる事が出来、逆にそこからあぶれてしまうとハイリスク・ローリターン、もしくはハイリスク・ノーリターンな生活になるように、社会システムが後押しをしていると。
金融業界の横暴を本来諌めなければいけない政府や法律というものも、全く機能しておらず、いわゆる新自由主義を表看板にしている共和党だけではなく、リベラルを表看板にしている民主党も、法律で規制するという方向性を全く向いておらず、二大政党制による政府交代というシステムも、一見すると交代可能という所が上手く機能するかのように見えて、単に二大政党しかいない、単なる寡占業界でしかなく、交代しているという見せかけだけの、やらせ国家でしかなく、自由の国アメリカという表看板は、一部の人間が自由に搾取する権利を持っている国という意味にしかなっていないというのを、延々に角度を変えながら紹介し、格付け会社であるとか、御用学者のさもしい言い訳を乗せて批判しまくるものになりますね。
アメリカと言うのはアメリカと言う世界の中だけで物事を終わらせてくれればいいのですが、グローバル化というの名のアメリカ化を世界中に広めて、世界中に混乱を撒き散らしています。
アメリカの混乱は日本にとっても他人事ではなく、現状、アメリカの軍事力に期待しないといけない立場であったり、アメリカに対して距離を置きまくるというのができなかったりします。
しかもアメリカの社会システムがガタガタなのが明るみに出ていながら、なお、アメリカ的なものを、特にアメリカの悪い点を輸入したがる、エセ経済学者で政府に食い込んでいる人材派遣会社の会長なんていう性質の悪いものまでいたりします。
日本としてはアメリカがどんなになっていた所で、批判し内政干渉をするわけにもいかないので、アメリカに自浄努力をしてもらいたかったりするのですが、アメリカは人工国家としては巨大になり過ぎ、国家として一丸となって危機を脱するようにするというのは難しいというか内政面で一致団結するのが難しい国になってしまったので、どこまで期待できるか・・・
国家として一丸となる事が出来るのは、分かりやすい外敵がいる時だけとしか思えないあたりに、人工国家としての限界を感じるんですよね。
内政がガタガタになって国家が破綻するというのは、民族や伝統をぶち壊して人工国家になった共産主義国家とも共通性も感じるんですよね、むりやり1つにしていたがためにソ連やユーゴスラビアで民族別に悲惨な殺し合いが起きてしまった歴史、今のアメリカは人種差別の撲滅の努力をしている事は確かですが、移民の流入により国家のアイデンティティーも失ってきていて、そこに貧富の固定、格差の固定が激しくなると、今まで上手く行っていた物が一気に反転する事もあり得る、社会が上手く行っている時にまとまる事が出来ていても、社会が上手く行かないときにもまとまる事が出来るかというと、なかなか難しく、歴史上悲惨な事になり得るんですよね。
アメリカの富裕層の暴走と、人工国家との相関性は取り立てて触れられていませんし、触れる事は恐らくアメリカではタブーになり得ると思うのですが、富裕層がアメリカという国家やアメリカの国民に対して何のためらいもなく強欲になる事が出来るのって、結局は伝統的な地域性の欠如というのも関係あるのではないかというのが個人的な感想ですかね。
そして、日本はアメリカの悪い点に関しては徹底的に学んで、日本に取り入れないようにする事、これは絶対に必要であると、新自由主義や移民政策に積極的な人を見れば、罵倒レベルの警鐘を与えても与え過ぎではないと勝手に思います。
第1章 アメリカの現状
第2章 パンドラの箱を開ける 金融緩和の時代(1980年~2000年代)
第3章 バブル パート1 2000年代の借り入れと貸し付け
第4章 バブルを生み出し、世界に広げたウォール街
第5章 すべてが崩れ落ちる 警鐘、略奪者、危機、対応
第6章 罪と罰 犯罪事業としての銀行業とバブル
第7章 痛みをもたらす負の産業 野放しの金融部門
第8章 象牙の塔
第9章 出来レースの国、アメリカ
第10章 何をすべきか
1%の富裕層と99%の貧困層、今のアメリカの現状を表すキーワードとして定着しつつある概念ですが、なぜそうなるのか、本来市場がまともに機能しているのならばそんな極端な形になるのはおかしいのではないかというのが、あったりしますが、このまともに機能するという点が、著しく損なわれているのが現状のアメリカと言う事で、アメリカのエリート層、金融業界に入り込む事さえできれば、ノーリスク・ハイリターンな生活がおくる事が出来、逆にそこからあぶれてしまうとハイリスク・ローリターン、もしくはハイリスク・ノーリターンな生活になるように、社会システムが後押しをしていると。
金融業界の横暴を本来諌めなければいけない政府や法律というものも、全く機能しておらず、いわゆる新自由主義を表看板にしている共和党だけではなく、リベラルを表看板にしている民主党も、法律で規制するという方向性を全く向いておらず、二大政党制による政府交代というシステムも、一見すると交代可能という所が上手く機能するかのように見えて、単に二大政党しかいない、単なる寡占業界でしかなく、交代しているという見せかけだけの、やらせ国家でしかなく、自由の国アメリカという表看板は、一部の人間が自由に搾取する権利を持っている国という意味にしかなっていないというのを、延々に角度を変えながら紹介し、格付け会社であるとか、御用学者のさもしい言い訳を乗せて批判しまくるものになりますね。
アメリカと言うのはアメリカと言う世界の中だけで物事を終わらせてくれればいいのですが、グローバル化というの名のアメリカ化を世界中に広めて、世界中に混乱を撒き散らしています。
アメリカの混乱は日本にとっても他人事ではなく、現状、アメリカの軍事力に期待しないといけない立場であったり、アメリカに対して距離を置きまくるというのができなかったりします。
しかもアメリカの社会システムがガタガタなのが明るみに出ていながら、なお、アメリカ的なものを、特にアメリカの悪い点を輸入したがる、エセ経済学者で政府に食い込んでいる人材派遣会社の会長なんていう性質の悪いものまでいたりします。
日本としてはアメリカがどんなになっていた所で、批判し内政干渉をするわけにもいかないので、アメリカに自浄努力をしてもらいたかったりするのですが、アメリカは人工国家としては巨大になり過ぎ、国家として一丸となって危機を脱するようにするというのは難しいというか内政面で一致団結するのが難しい国になってしまったので、どこまで期待できるか・・・
国家として一丸となる事が出来るのは、分かりやすい外敵がいる時だけとしか思えないあたりに、人工国家としての限界を感じるんですよね。
内政がガタガタになって国家が破綻するというのは、民族や伝統をぶち壊して人工国家になった共産主義国家とも共通性も感じるんですよね、むりやり1つにしていたがためにソ連やユーゴスラビアで民族別に悲惨な殺し合いが起きてしまった歴史、今のアメリカは人種差別の撲滅の努力をしている事は確かですが、移民の流入により国家のアイデンティティーも失ってきていて、そこに貧富の固定、格差の固定が激しくなると、今まで上手く行っていた物が一気に反転する事もあり得る、社会が上手く行っている時にまとまる事が出来ていても、社会が上手く行かないときにもまとまる事が出来るかというと、なかなか難しく、歴史上悲惨な事になり得るんですよね。
アメリカの富裕層の暴走と、人工国家との相関性は取り立てて触れられていませんし、触れる事は恐らくアメリカではタブーになり得ると思うのですが、富裕層がアメリカという国家やアメリカの国民に対して何のためらいもなく強欲になる事が出来るのって、結局は伝統的な地域性の欠如というのも関係あるのではないかというのが個人的な感想ですかね。
そして、日本はアメリカの悪い点に関しては徹底的に学んで、日本に取り入れないようにする事、これは絶対に必要であると、新自由主義や移民政策に積極的な人を見れば、罵倒レベルの警鐘を与えても与え過ぎではないと勝手に思います。
第1章 アメリカの現状
第2章 パンドラの箱を開ける 金融緩和の時代(1980年~2000年代)
第3章 バブル パート1 2000年代の借り入れと貸し付け
第4章 バブルを生み出し、世界に広げたウォール街
第5章 すべてが崩れ落ちる 警鐘、略奪者、危機、対応
第6章 罪と罰 犯罪事業としての銀行業とバブル
第7章 痛みをもたらす負の産業 野放しの金融部門
第8章 象牙の塔
第9章 出来レースの国、アメリカ
第10章 何をすべきか
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