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今日の読書 道草/夏目漱石

私はいわゆる読書感想文と言われる課題が大嫌いであり、それこそ本を読んだらば感想文を書くと良いと言われたのを期に、それまで好きであった読書から距離を置いて遠ざけてしまった過去があるくらいだったりします。

まぁ単純に面倒を避けたがるだけですが。

今の時代にも読書感想文というものが夏休みの宿題として存在し続けているのか分かりませんが、課題として提出するという余計な煩わしさがなければ、本読みとしては気楽に適当な事を書いていられるという事で、毎年夏場には最低1冊は何がしかの日本文学作品を読んで、曲がり間違えて夏休みの宿題としての読書感想文のヒントになる、上手く行けば丸パクリできるかもしれないと検索をかけている人が引っかかるかもしれないと更新するのを勝手にノルマにしています。

比較的読みやすく、知名度の高い日本文学という事で手を出しやすいのが夏目漱石という事で今年手にしたのは、本作の道草。

主人公は夏目漱石本人を元ネタし、ロンドン留学から帰って来てから、親類に金をたかられて煩わしい思いをし、夫婦仲も冷え切っていて、その理由には主人公本人の理屈に勝ち過ぎで人との壁をガッツリと作りがちな性格のせいもあるという、まぁ何とも救いのない鬱屈とした物語ですね。

発表当時、漱石作品のそれまでの傾向と違い、自然派と言われる人たちには褒められたようですが、これが褒められるというあたりに、日本の近代化が早い段階で問題が山積みになっていたという証拠だよなぁという証拠なのかもしれないなと。

日本の近代化はもちろん有益な事が沢山ありましたが、近代化以前のしがらみも残り、かといってそのしがらみを完全に断ち切るわけにもいかないし、金がないんだからタカリに来るな!と言いたいけれども言えない立場であるとか、何故か金を恵んで欲しいとやってくる方が強気になってしまうとか、今でも通用する価値観なんていうのも垣間見えますね。

仮に、いわゆる宿題の読書感想文に書くとして、これを読んで将来自分は金をタカリに行く側になりたいです!みたいなものを書いたらどうなるのかと気になりますが、『それから』の高等遊民の働かない理由と比べると、インパクトは薄そうですね。
道草 (新潮文庫)道草 (新潮文庫)
(1951/11/30)
夏目 漱石

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テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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