今日の読書 プーチンはアジアをめざす 激変する国際政治/下斗米伸夫
現在世界の政治家の中で、良くも悪くも一番存在感がある政治家と言えば、ロシアのプーチン大統領ではないかと勝手に思っています。
明確に独裁国家であるのならばともかく、選挙を通じて大統領に就任したという形で長い間権力を握り続けている事がなかなかあり得ない事ですし、好むと好まざるのを横におけば筋だけは通しているというか、日和らないブレ無さ加減は羨ましさを感じるものがあります。
じゃあ、プーチンをそのまま日本の政治家にしたらば良い結果が出せるかというと、違うでしょうが。
プーチン大統領の回りにはある種のきな臭さは常に付いて回りますが、現在のロシアはウクライナ問題を抱えて、非常に危険な状態である事は間違いないと思います。
ここ最近はISISのせいでイスラム関係のきな臭さの方が目立っていますが、それはそれとして。
第三次世界大戦が近々に起こるかというと、正直分かりませんし、そのきっかけが何になるのか、火種はいくらでも考えられますが、じゃあ何が本気でそうなるのかとなると、過去の例から見ても、きっかけそのものは意外と些細なので予測するのが同時代では難しいと思います。
しかし、ロシアが火種の1つと考えている、特にアメリカは必要以上に警戒しているというのはあると思います。
アメリカは冷戦時代を経験していて、なおかつロシアと敵対する事に対してそれほど問題ない、別に仲違しようがどうでもいいという立場もあり、すぐに敵視する傾向があります。
それに比べて、ロシアと地続きであり、資源問題も絡んできて簡単に敵視するようにわりきれないのがヨーロッパであり、領土問題が絡んでくる日本という事になります。
欧米社会は近代以降この世の春を謳歌してきましたが、それは許されない時代に差し掛かってきています、それが即没落を意味するわけではないですが、絶対的なアドバンテージは失っています。
そういった国際関係を踏まえたうえで、今ロシアが進もうとしている道は、どうやら脱欧入亜という事ではないかというのが本書の分析になります。
ロシアが脱欧路線に向かって行こうとしているとする狙いが見えるものとして、日本との関係改善を狙っているというもの。
それこそ、ウクライナ問題で欧米がロシアをけん制する事態にならなければ、一気に日露が近づきそうだったというものをキーに。
まずは、そのウクライナ問題を歴史的宗教的に解説。
特に、日本の一般的なニュースではあまり触れられないキリスト教の問題というか、正教というバックボーンがあるからこその、いわゆる欧米社会と上手くいかない部分というのを多めに扱い解説。
そして、KGB出身であるとか、柔道家という良く知られたプーチン像以外の点としても、正教の影響から考察し、今後ロシアはアジア重視にシフトしてくると考えているという所に集約させています。
アジアシフトというのも、まあ分からなくはないですが、果たして現在のアジアにロシアが入りこもうとして上手く行くのか?
特に国境を接していて、常に駆け引きをし続けている中国との関係はロシアの思い通りにはならなそうですし、むしろ近づけば近づくほど関係が悪くなりそうとか、中国そのものが国家として粉飾決済をしているというようにしか思えず、経済を当てにできるとも思えなければ、国内でいつ紛争状態になってもおかしくないとしか思えなかったりなので、ロシア側の思惑だけでは、果たしてどうだろうとしか思えなかったりとか、ロシア分析はともかく北東アジア分析としては気持ち楽観論よりかなと思ってしまう予測かなぁと個人的には思えますね。
ロシアがアジアに力点を置くという流れ、個人的にはロシアと中国でいがみ合って互いに疲弊してくれるというものになってくれるのがベストだと思ったりするのですが、残念ながらそういう予想はされていません。
とりあえず、ロシアが国際社会で強気に出ると、脊髄反射のように新しい冷戦と表現するのには無理があり過ぎるというか、アメリカ視点の分かりやすさを求めすぎた極論でしか無いというのは、良く分かるというか、基本世論誘導って極論主義すぎだよねというのも分かりやすく読めました。
第1章 シー・チェンジの国際政治
第2章 ウクライナで何が起こっているのか
第3章 ロシア外交の核心
第4章 素顔のプーチン
第5章 プーチンはアジアを目指す
第6章 変貌する国際政治地図
明確に独裁国家であるのならばともかく、選挙を通じて大統領に就任したという形で長い間権力を握り続けている事がなかなかあり得ない事ですし、好むと好まざるのを横におけば筋だけは通しているというか、日和らないブレ無さ加減は羨ましさを感じるものがあります。
じゃあ、プーチンをそのまま日本の政治家にしたらば良い結果が出せるかというと、違うでしょうが。
プーチン大統領の回りにはある種のきな臭さは常に付いて回りますが、現在のロシアはウクライナ問題を抱えて、非常に危険な状態である事は間違いないと思います。
ここ最近はISISのせいでイスラム関係のきな臭さの方が目立っていますが、それはそれとして。
第三次世界大戦が近々に起こるかというと、正直分かりませんし、そのきっかけが何になるのか、火種はいくらでも考えられますが、じゃあ何が本気でそうなるのかとなると、過去の例から見ても、きっかけそのものは意外と些細なので予測するのが同時代では難しいと思います。
しかし、ロシアが火種の1つと考えている、特にアメリカは必要以上に警戒しているというのはあると思います。
アメリカは冷戦時代を経験していて、なおかつロシアと敵対する事に対してそれほど問題ない、別に仲違しようがどうでもいいという立場もあり、すぐに敵視する傾向があります。
それに比べて、ロシアと地続きであり、資源問題も絡んできて簡単に敵視するようにわりきれないのがヨーロッパであり、領土問題が絡んでくる日本という事になります。
欧米社会は近代以降この世の春を謳歌してきましたが、それは許されない時代に差し掛かってきています、それが即没落を意味するわけではないですが、絶対的なアドバンテージは失っています。
そういった国際関係を踏まえたうえで、今ロシアが進もうとしている道は、どうやら脱欧入亜という事ではないかというのが本書の分析になります。
ロシアが脱欧路線に向かって行こうとしているとする狙いが見えるものとして、日本との関係改善を狙っているというもの。
それこそ、ウクライナ問題で欧米がロシアをけん制する事態にならなければ、一気に日露が近づきそうだったというものをキーに。
まずは、そのウクライナ問題を歴史的宗教的に解説。
特に、日本の一般的なニュースではあまり触れられないキリスト教の問題というか、正教というバックボーンがあるからこその、いわゆる欧米社会と上手くいかない部分というのを多めに扱い解説。
そして、KGB出身であるとか、柔道家という良く知られたプーチン像以外の点としても、正教の影響から考察し、今後ロシアはアジア重視にシフトしてくると考えているという所に集約させています。
アジアシフトというのも、まあ分からなくはないですが、果たして現在のアジアにロシアが入りこもうとして上手く行くのか?
特に国境を接していて、常に駆け引きをし続けている中国との関係はロシアの思い通りにはならなそうですし、むしろ近づけば近づくほど関係が悪くなりそうとか、中国そのものが国家として粉飾決済をしているというようにしか思えず、経済を当てにできるとも思えなければ、国内でいつ紛争状態になってもおかしくないとしか思えなかったりなので、ロシア側の思惑だけでは、果たしてどうだろうとしか思えなかったりとか、ロシア分析はともかく北東アジア分析としては気持ち楽観論よりかなと思ってしまう予測かなぁと個人的には思えますね。
ロシアがアジアに力点を置くという流れ、個人的にはロシアと中国でいがみ合って互いに疲弊してくれるというものになってくれるのがベストだと思ったりするのですが、残念ながらそういう予想はされていません。
とりあえず、ロシアが国際社会で強気に出ると、脊髄反射のように新しい冷戦と表現するのには無理があり過ぎるというか、アメリカ視点の分かりやすさを求めすぎた極論でしか無いというのは、良く分かるというか、基本世論誘導って極論主義すぎだよねというのも分かりやすく読めました。
第1章 シー・チェンジの国際政治
第2章 ウクライナで何が起こっているのか
第3章 ロシア外交の核心
第4章 素顔のプーチン
第5章 プーチンはアジアを目指す
第6章 変貌する国際政治地図
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