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今日の読書 明日の子供たち/有川浩

児童養護施設を舞台にした小説になります。

営業職を3年目やったあと目標を見失った時に目にしたテレビで児童養護施設を扱ったドキュメンタリーを見て、転職してきたやる気はあるものの、理想主義になりがちな新任職員を中心に、若くまだまだ理想主義を持ちながらも理想と現実の壁に悩まされている職員、現実を突きつけられて理想に対して考え方を変化させた職員や、一見聞きわけの良い問題の無い子供を巻き込み、児童養護施設の中の些細な出来事から、その一見些細なものが固定観念で縛られていて自ら身動きをめ、諦めから始めるのをやめ、壁を砕いて行こうと奮闘する話になります。

キャラクター配置と言いましょうか、男女の別であるとか職種の別はありますが、図書館戦争であるとか、県庁おもてなし課といった有川浩の先行作を彷彿とさせるものが多々あり、非常に有川浩らしい理想と現実の間で奮闘する若者を扱ったど直球な物語ですね。

未熟ながら何がしかの理想を抱えている主人公と、それに感化されてそういうものだと諦めている回りが、諦めなくてもいいのではないかとなって行くあたり、正直ストレートすぎて、諦める事しかしない私にはまぶしすぎるストーリーなのですが、現実社会、なかなか理想通りに行くものでもないわけですから、せめて物語だけでも理想に向かって邁進できるものを読みたくなるというのは人情でしょうし、それを存分に堪能しました。

本作は児童養護施設が舞台になっていますが、正直私は実情は知りませんし、関係者以外で本気で実情を知っている人は多くは無いのでしょうか。

そういった人に向けて、書かれているという意図があるものですし、絶対的なキーワードは「かわいそうだと思わないで欲しい」でしょうか。

実際問題、児童養護施設で育っていると聞いて、かわいそうであると脊髄反射のように感じてしまう部分はあるでしょう、しかし、無条件にそう決めつける事、そのものがかわいそうであるという事というのが重要であるというのは、読んで行けば誰にでも分かるように書かれていますし、それが興味を引くようであれば、作者の狙いにはまるという事でしょう。

そして、個人的には散々読書について言及されているというか、読書のすすめが入っているのですが、読書の面白さと有効性はアピールしたくて仕方が無いんだなって、図書館戦争あたりでも散々書いていますし、作家としては読書の良さをアピールしたくなるのも分かりますし、本読みの私とてはうなずけるものが多いのですが、でも、根本的に読書習慣の無い人っていくらこう書かれていても読まないよなぁと理想と現実の壁というものを、勝手に思ったりするのですが、それはそれ。

何がしかの社会問題に対して若者が奮闘し、それをベテランが見守る、または壁になる。

いい奴ばかりじゃないけど悪い奴ばかりでもないという展開は有川浩の作品でもよくあるものですが、その王道を王道として魅せ方の匙加減、ただ理想を叫ぶだけではなく現実に根ざした理想主義への展開はすっかりモノにしているという安心感が強くなりました。
明日の子供たち明日の子供たち
(2014/08/08)
有川 浩

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テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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