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今日の読書 さよならは明日の約束/西澤保彦

本好きの美少女とジャンク映画フリークの男子という高校生2人が、本好きのマスターのいる喫茶店で、過去のちょっとしたものを手掛かりに推理するという、日常の謎系の連作短編という感じになります。

いわゆる事件っぽいものが絡んでいても、過去のものであり真相がどうだかは分からない、物証を積み重ねているわけでもないし、本人からの自白があるわけではないので推論でしか無いけれども、腑に落ちる見解ではそうではないかという落とし所の話ばかりではありますが、会話で展開する推理合戦は楽しめるものになっています。

捜査をするわけではないので、いわゆる安楽椅子探偵ものの系譜になりますが、役割が探偵と助手という縦並びの関係ではなく、それぞれ得意分野の知識や思考法を生かして協力して推理していくという形になるのですが、それこそ同じ作者である西澤保彦の安槻市を舞台にしたタックとタカチを中心としたシリーズをシンプルにやりなおした感じですね。

安槻市のシリーズは長編は大学生として時系列で、短編集は時系列を無視した形で発表され、大学卒業後の将来まででてきて、じゃあその間何が起きたのかと期待させる形で複雑に絡み合わせられてしまっていて、なかなか大変なのかシリーズとして中途半端に放っておかれていたり、登場人物に重い過去を背負わせたりして、『麦酒の家の冒険』というお気楽に楽しめる推理合戦という名作を出す一方、同じシリーズとは思えないほどヘビーなものがあったりで、振れ幅がありすぎていて続編を書くのを自ら難しくしている感を感じるものになっています。

そのシリーズの心理的にヘビーなものを抜きとって、作り変えたのが本作なのかなと勝手に思っていたりします。

高和市というのを舞台にしているのも、そう感じさせるものであったりしますし、ヘビーなものを抜きとったとはいえ、主人公となる2人そのものが重い物を背負わされているわけではないというだけで、推理していくと、いかにも西澤保彦作品だなと思わずにはいられない動機とか出てきますし、それこそ作中に西澤保彦の作品として『解体諸因』というバラバラ殺人ばかりを集めた、安槻市のシリーズが語られるものもあったりしますしね。

これがシリーズ化するのか、そうではないのか分かりませんが、仮にシリーズ化するのならば、変に入り組んで伏線をどう回収するんだろう?と思わせぶりなものにしない方がいいなぁと思っていたりします。

そう思わせておいて、シリーズが中断されるのが本当に困りますから(笑)

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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