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今日の読書 過ぎ去りし王国の城/宮部みゆき

高校の推薦入学が決まり、一足早くに受験が終わった、良くも悪くも平凡で目立たなく空気のような存在で友達の少ない中学3年生の尾垣真。

ある日、妙にリアルに描かれた中世ヨーロッパの城の絵を手にしたところ、その絵は不思議な事に中に入れるような感じになっていた。

その絵の中に入るために、同じく推薦入学で一足先に受験が終わっていて絵が上手く、真と同じく友達がいないが、真とは違い嫌われ虐げられている城田珠美。

クラスも違い現在接点がなかったものの、2人は絵の中の世界に入るために協力するようになっていき、そこで目にし経験した事と、現在の置かれている悲惨な状況について触れていく事によってというお話になります。

ファンタジー小説になりますが、基本軸としては現実の世界ありきという事で、全編まるまるファンタジーという作品が苦手な私でも読めるというか、現実世界に少しファンタジーの要素であるとかSFの要素が入って来るというものならば楽しんで読む事が出来るという類の作品になります。

絵の世界に入るというファンタジーの要素と、絵の中で発見した物事によって、いわゆる現実の闇を浮き上がらせるという形になっていて、基本的には宮部みゆきの現代物らしい、少年期の社会問題についてがっつりと入って来る感じの作品ですね。

現代物の大長編になる『ソロモンの偽証』が中学校を舞台にしていたので、中学生が主役だと必要以上に宮部みゆき作品らしいなと思ってしまうだけかもしれないですが、公立の中学生というのは高校より上の受験ありきで、ある程度生徒が標準化してないから、いろいろと書きやすいんだろうなというのはあるのかもしれないですね。

なかなか重たいテーマがあったりしますが、中学生を主役に据えていて、中学生でも読んで十分楽しめるように書かれていますので、ファンタジー要素がありますが良い意味で読者を選ばない作品にまとめられていて、宮部みゆきは良い意味でのメジャー感を持っている作家だと改めて思わされました。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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