今日の読書 ラプラスの魔女/東野圭吾

東野圭吾作家デビュー30周年記念作品という事で、作者も力の入った作品ということで、今までにないとか今までとは違うというような感じに宣伝文句が入っていたりしますが、力が入っていて面白いというのは確かですが、非常に東野圭吾らしい作品だなというのが感想だったりします。

温泉街で、硫化水素中毒によって男が事故死した。

しかし、偶然事故死したにしては状況が不自然すぎるくらい不自然。

高齢の夫に年の離れた若い妻、最近になって高額な生命保険に加入していたし、夫の母親は自分の息子が妻に殺されると言う訴えをしていたと疑ってくれと言うばかりの条件が揃いすぎている。

この事件をきっかけにして、関わりのある人達がいろいろと動きがあってという事なのですが、宣伝文句に思いきり空想科学ミステリと煽っているので、何か絶対に常識では測りしえない事が関わって来る、ここまでは分かった上で読んでいても、じゃあそれはどの程度の範囲での事なのかはしばらくは分からないですし、登場人物が決して多くは無いのになかなか事件の本質も分からない。

東野圭吾の作品はSF要素のある作品も発表していますが、その傾向から考えると安易に不可能犯罪を可能にするような超能力というものにする事は無いだろうと読んでいて分かるのですが、読んで行くと、どうやって不自然な事件が起こったのかという事への興味からどんどんとずれて展開していき、過去のSF要素のある作品と比べると、話が進んで全体像が掴めそうになると、別の展開が待っているという感じにまとまっていて、良い感じに仕掛けや要素を仕込んで詰め込んでいますね。

マニアックな要素も入れながらも、良い意味で広い読者層を意識している感じになっていて、東野圭吾という作家は完全にメジャーフィールドでやっている作家になっているんだなと、最近『天空の蜂』が映画化というのを目にして、この作品が全く話題にもならなかったとぼやいてネタにしていたころとは程遠くなったなって。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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