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今日の読書 七夕の雨闇 毒草師/高田崇史

QEDシリーズからスピンオフした毒草師である御名形史紋を主人公にしたシリーズ4作目になります。

QEDの探偵役である桑原崇と毒草師の御名形史紋は共に歴史や民俗学に対して博覧強記であり、愛想がなくキャラが被りまくるのですが、最大の違いは毒草師の方が毒に絡んだ事件となると積極的に事件解決に自ら乗り出す事があるという事ですね、現実の事件と歴史上の事件が何がしか絡んでいるという、歴史ミステリーという同じ括りでありながら、QEDシリーズの方は事件そのものはどうでもいい扱いとまではいかなくても、それに近い、少なくとも探偵役として積極的に何か関与しないまま終わる話もあるのに、毒草師は事件解決に必ず絡んでくる。

ともに、歴史上の謎と呼ばれるものであるとか、そもそも謎扱いあまりされないまま、とりあえず意味を考えないでそういうものだと受け入れているような事を暴くというのは共通していますが、よりベタなミステリーとしての体裁はこっちのシリーズの方がやりやすそうだとは勝手に思っています。

今回は七夕が題材という事で、QEDのシリーズの方が、準主役の棚旗奈々がいるので良かったのではないかと思ったりしましたが、スピンオフ作品ですので触れられてはいますし、京都が事件の舞台であるのでこの作品にとっての7年前の事件としてQEDシリーズ2作目の『六歌仙の暗号』との関係のあるものが扱われています。

そして、高田崇史作品を読んでいたらば、絶対に分かる歴史は勝者が書き記すという点では、七夕の歌に出てくる「笹の葉」「金銀砂子」ここら辺から、行きつく先の方向性の1つは分かりやすい。

そういう絡みだとまでは分かりますが、私が分かるのはそこまでですし、万葉集や古今和歌集から七夕に絡んだ歌をピックアップしたり、その歌についての解釈であるとか、言霊や呪についてなんていうのがガンガン出てきて高田崇史の作品を読んでいるなぁという気持ちが強くなる作品ですね。

高田崇史の一連の作品を読んでいると朝廷であるとか公家に対して何だか嫌な気分になるという所はありますが、そういう側面があるのも日本の歴史ですし、ある意味分かりにくく隠してみたり、表向きは敗者や罪人扱いにしている死者を神社に祭るという文化、これは日本独自すぎる宗教感であり、絶対に理解されないだろうし、とある武道館側の神社はそのせいで必要以上に政治利用されていて困ると思ってみたりもしますね、まぁどちらかというと外国よりも日本国内の伝統文化に対して拒否感しか持っていない人たちが騒いでいるだけですが。

それはおいておいて、改めて古事記に出てくるような知識はもう少し持っておいた方が、小説を読む上でも重要なんだよなと思ったりしますね。

なかなか、きちんと勉強し直したいと高田崇史作品を読んだ後に思っても、そうならないのが私の限界ですが。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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