地下室で手記 2015年09月11日

今日の読書　the SIX／井上夢人

他の人には無い能力がある、それ故に自分の居場所を作れない６人の子供たち。

世界に居場所のない異能の子供たち、それぞれ独立した短編小説のようにそれぞれがどういう能力を持ち、どう追い込まれているのかが分かりやすく紹介する形で１つの完結した話として、最後に全員が集まって来ると言う、連作短編型長編になります。

岡嶋二人時代の作品の「5W1H殺人事件」に近い感じはありますが、あれがそれぞればらばらの事件のように見せかけて、実は１つに集約してくるというミステリー出会ったのに対して、こちらはミステリーというわけではないので、最後にひとまとめになって何かがひとまとめになって解決するというような趣はありません。

それぞれが能力に苦しめられているというような形でなければ、まとまって来てこれから１つのチームになって戦いが始まるかのような期待感を抱かせますが、そういうものでもない。

１つの物語として一応の結末がありますが、同時にこれから何かが始まりそうな所で終わっているとも感じられる作品なので、読後感としてはどこかふわふわしている感じがするのですが、そう言う感じを狙っているのか、続編がある事を前提としているのかで評価が変わりそうですね。

皆が集まって来てこれから分かりやすい何かが始まると言うか、何かと戦いそうと勝手に思ってしまうのは特撮好きな私の頭の構造のせいで片付けられるかもしれません。

戦いに巻き込むような集まりでもないので、変に続編を期待しない方が正しいとは思いますし、これはこれで完結するものだとしても十分に面白かったので、それでよしとすべきですかね。