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今日の読書 スカラムーシュ・ムーン/海堂尊

海堂尊の医療問題啓蒙、Ai(死亡時画像診断)普及小説は世界感を同じくして、時代や場所、主要登場人物が変わりながらも繋がりを持って関連付けられて書かれていますが、本作は直接的にはナニワ・パニックの続編。

スカラムーシュ彦根が、村雨浪速府府知事と共に中央官僚と対決する物をメインに、その中心はナニワ・パニックで起きたウイルス騒動から予見されるワクチン戦争に対抗するためのワクチン確保。

ワクチン確保のために加賀の養鶏場に有精卵の飼育と運搬という仕事を持ち込み、その仕事に巻き込まれて奮闘する事になるのが、養鶏場の娘、運送会社の息子、動物病院の息子という大学院生(1人は大学院の研究室に顔を出す大学6年生)の3人。

官僚とのきな臭い戦いをする彦根と、いきなり実社会で奮闘する事になる若者というある意味対照的な奮闘具合を同時進行という形にまとめています。

ナニワ・パニックではこういう形になると思わないで読んでいて、地方医療現場の奮闘記という形になるのかと思っていたらば、いつのまにか政治メイン、硬直化して省利省益の事ばかりになってしまっている悪しき官僚体質が日本を滅ぼすと言う事で、医療サイドからの官僚機構打破と話が大きくなりすぎて、驚かされたというか、予想外すぎてついていくのがやっとだったのですが、前作を踏まえているので今回は戸惑いというのはありませんでしたね。

医療サイドの危機感というのをエンターテインメントで流布するのが、海堂尊の作品の狙いでもあるわけですが、このシリーズ最大の誤算というか困りどころは、村雨府知事の元ネタというかモデルが露骨に誰なのかが分かり過ぎると言う事だったでしょうね。

現状打破させる期待感と短期的な成功、が話題先行狙いで常に喧嘩を売って行くスタイルすぎて迷走状態の現状があったりしますからねぇ・・・

まぁ、現実の方の迷走具合の方も元ネタが分かり過ぎるのでそこまで含めていますが、これは作品として考えた場合、グダグダだからこそ作品にも取り入れやすいと喜んだのか、これじゃあ作品の落とし所も考え直さなければいけないと頭を抱えたのか、どっちの割合が大きかったのかは気になる所です。

現実の医療界が全て順調に進んでいるとは言えない現状では、物凄く事が全て巧くまとまるというような話は作りようがないというのはあるとは思いますけれどもね。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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