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今日の読書 世界を破綻させた経済学者たち 許されざる七つの大罪/ジェフ・マドリック

私は社会学系の理論において、絶対的に普遍的に正しい理論というものはあり得ないという考え方をしています。

理系学問と違って、実験や検証を何度も繰り返すという事が出来ないという理由があるのと同時に、理論的に浸透したらば浸透したで、それを崩す事を常に考える人がいると言うのと、結局最終的には人によるという、人間の思考の普遍化そのものが不可能だからという大雑把過ぎる答えに行きつくというのがあったりしますしね。

経済学は社会科学系のものでは、数字を使ったりして一番理系分野っぽく見せかける事が出来る分野であり、より科学的に見せかける事が出来るものだと思います。

しかし、見せかける事が出来るというのがやっかいであって、実験や検証を重ねて理論に普遍性があるかどうか確認が出来ないけれども、何となくこう考えると収まりが良いからそう言う事にしようという前提作りばかりが進んでしまって、現実の問題との乖離が問題になっているなぁというのは、誰しも実感できるのではないかと思わずにはいられないですね。

まぁ自分の論理が証明できないであるとか、経済政策を行ったけれども思ったように効果が出なかった場合、前提を疑うよりも社会の方が間違っているとなりがちだったりするんでが。

まぁ自分の考えた常識が世間一般の常識と乖離しているのに、自分は絶対に正しいと喧伝するような人は、経済学分野に限らず、平和を叫びながら暴力をふるうような人にも当てはまりますが、これは大きく見れば社会科学系分野が現実と乖離している1つの証明ではあるのかなとは思います。

何となく、現実の日本の平和を叫びながら暴力をふるったり、民主主義を叫びながら、デモこそが正義と叫んでいる人を揶揄したくなるのはありますが、それはそれとして、本書は基本的には伝統的な経済理論、古典から新古典派と呼ばれる経済学者の理論を批判するためのものになっています。

それこそ、アダム・スミスの見えざる手から始まり、市場は正義で政府は悪という単純な二項対立に落とし込むような理論。

とにかく市場に任せればすべてが解決、上手く行っていない時は全て政府が余計な事をしているからという所に行きつく、日本では特に市場原理主義という言葉でまとめられますが、そういう理論が現実ではむしろ世界を破綻させているんだという指摘をしまくるのが狙い。

日本では戦後復興からこれとは真逆の政府主導で市場原理主義とは真逆の道を進んで発展してきました。

バブル崩壊でその日本的なやり方が間違いという事で、特に官僚主導に対しては絶対悪かのような流れに逝ってしまい、その1つの行先は小泉純一郎首相による聖域なき構造改革という、財政赤字削減至上主義、緊縮財政によって日本は蘇るというもので、これ以上ないくらい分かりやすいアメリカ型の新古典派経済学理論の景気対策ですね。

その後、これが何故か弱者保護というものを表看板にしている民主党に受け継がれ、事業仕分という名の、もっと聖域なき構造改革という本当に純一郎を全否定していた政党のやることなのかという狂気の沙汰になり、インフレは悪、インフレ抑制こそが政府の一番の役目という新古典派経済学理論そのままのデフレ放置、緊縮財政をすればそれだけで市場が活気づいて日本は景気が良くなるという煽りは、まぁ大失敗に終わった事を考えれば、新古典派といういわゆる主流派経済学理論の間違いというのがよく理解出来ると思うのですが、ここら辺の事は日本の政治家たちは経済学理論を理解しないまま政治をやっている感があり過ぎるので、無自覚に感覚的に行っただけなんだろうなというのは分かってしまいますけれどもね(溜息)

日本の事は置いておいて、基本アメリカ向けのものであって、アメリカの有名学者たちの言っている事をボロカスに書いているのですが、私は基本的に経済学というか現在の経済問題に関する物では市場原理主義批判について書かれている物を意図的に選んで読んでいるので、目新しく感じるものは無いのですが、とにかく、アメリカの問題を日本に置き換えながら読んでみるといろいろと面白く感じると言うのと同時に、アメリカの経済が暴走しないためにも、アメリカ世論が市場原理主義って現実と乖離し過ぎているよねという風に変わってくれないかなぁと思わずにはいられないですね。

かといって、ケインズ型経済政策も利権構造があると波及効果を作るどころか単なる税金の無駄遣いに終わるという、日本の公共事業の問題点もあったりするんですよね、要はどの政策も私利私欲のために悪用する人間を排除する強固なシステムが無いとどうにもならないという所に行きついたりもするんですが・・・

とりあえず、単純な二項対立構造上で権力者=悪であるとか、官僚=悪というような思考だけで反権力こそ正義だ!みたいになって、緊縮財政を目指そうとしている人は、とりあえず、頭を冷やす意味でも読んでみると面白いのではないかと思いますね。

どうも経済学理論を中心とした問題を考える時、アメリカと日本とでは構造がねじれすぎていてわけがわからなくなっているという現状が浮き上がってくるんですよね。

序 章 大いなる損害
第1章 あまりに「美しい」理論 見えざる手
第2章 セイの法則と緊縮財政
第3章 政府の役割は限定的であるべし ミルトン・フリードマンの過ち
第4章 インフレさえ抑制できればいい?
第5章 投機バブルなんて起きない
第6章 グローバリゼーション 世界版「フリードマンの誤り」
第7章 経済学は科学である

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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