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今日の読書 図説バルカンの歴史/柴宜弘

今シーズンマジックにドラフト5位でクロアチアの新星マリオ・ヘゾニアが加入しましたし、センターにはモンテネグロの巨人ニコラ・ヴチェヴィッチがいたりと旧ユーゴスラビアの選手が増えてきていますし、改めてどういう感じの地域なのか知り直すのも良いかなと思って手を出しました。

基本、私の知識というのは偏っていますので旧ユーゴスラビアに関してもクロアチア、セルビア、スロベニアとバスケットボールで活躍する選手が何人も思い浮かびますし、バスケットボールよりも、サッカーなんかも旧ユーゴスラビア関係の選手監督となじみが深いですよね、ヴァヒド・ハリルホジッチ現日本代表監督がボスニア・ヘルツェコビナ出身でフランス国籍に変更、イビチャ・オシム元日本代表監督はボスニア・ヘルツェコビナ人だったりしますし。

そして、スポーツ強国というプラス面のイメージ以上にバルカンという地域で括った場合は、バルカンはヨーロッパの火薬庫という文言ですね。

ユーゴスラビア分裂による内戦という血生臭い戦争があったり、旧共産圏崩壊による内乱は国によって規模の大小あるにせよ、暴力的解決を抜きには語れないものになっていますし、歴史上の事ですと、第1次世界大戦という大事件の引き金になったのが攫えヴォ事件という、これがここまで大事になるのというようなものですし、私はどうにも偏った知識しか無いなぁというしかないものであったり。

この本の狙いそのものは、火薬庫という危険地帯なイメージになっているバルカンが、実はそれだけでは無い、偏ったイメージを服しておきたいという事で書かれた物になっています。

とはいえ、何故火薬庫扱いになるのかという所にある程度収束してしまうのは、狭い地域にカトリック、東方正教会、イスラムが混在している所、中世は宗教別で集団分けしていたのが、徐々に民族や言語別で集団になって来るという流れ、そういったものをベースにナショナリズムが勃興してくるという流れがあるという事。

どうしても世界史を考える時、島国で民族の歴史、国民の歴史の区分に変化が無い日本人として日本史を学んでいると、こういう時代によって国境が変化したり、近代国民国家成立前は区分から何から全く別物というのが感覚的に理解しにくいんですよねぇ。

しかも、中世のバルカンは人の流動性が高かったという事らしく、農耕民族的感覚に囚われていると本気でわけがわからないと。

いちいち、そういう事があったんだという確認だけで終わる感じですね。

ナショナリズムという概念が出来るようになってから、言語の統一性を整理し直すためにルーマニアではキリル文字からアルファベットに文字を変えるとか、過去の文献を読めなくなるんじゃないかという事を平気でやっているんだなぁと驚いてみたり。

とりあえず、全く血生臭いだけの歴史では無いというのと、西欧視点で語られる事が多いからこそ、偏見に溢れているとかありますが、流動性が高く離合集散が当たり前なのがヨーロッパという事なんだなぁと。

ある意味歴史は繰り返すで、一緒になった方が良さそうだと判断すると一緒になってみて、上手く行かなくなると本気で殺し合いしてまで分離する。

ユーロ統合というのは基本幻想であり、くっつきすぎない緩い連携までにするべきだよねというのが、流動性がある程度高かったとしても伝統国家の在り方だなと。

流動性が高すぎて殺し合いになったのがユーゴ内戦の原因の1つでもあると思いますので、移民社会って一定以上の枷を作らないといけないよなと、移民増加社会否定論者の私は結論をつけたくなります。

バルカンとは
第1章 ビザンツ帝国とバルカンの中世国家
第2章 オスマン帝国の支配
第3章 ナショナリズムの時代
第4章 民族国家の建国 対立と協調
第5章 危機の時代
第6章 多用な国家を求めて
第7章 ヨーロッパ統合のもと

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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