今日の読書 こちら弁天通りラッキーロード商店街／五十嵐貴久

友達の借金の保証人になったがために、小さな印刷会社経営者から借金取りからの逃亡生活者に落ちぶれてしまった中年男が、逃げた先の寂れまくりシャッター商店街となった群馬の片田舎で、商店街の老人達に坊主と勘違いされ頼られてしまった事が発端の話になります。

死んだも同然のはやくぽっくりと逝きたいという老人達が、なぜか成り行き上商店街の復活へと向かってしまうという、ダメ人間奮闘記と私は勝手にジャンル分けしている作品になりますね。

未来なんか無いとあきらめていたはずの老人達が、よくもまぁ変わるものだという、希望を感じさせるものであり、何か前向きになりたい、けれども奮闘ぶりがすごすぎるものだと、逆に滅入ってしまうという人には適度な奮闘ぶり、ある種のやけくそぶりが気楽に楽しめるものになっています。

五十嵐貴久は肩肘張らないで楽しめる、ダメ人間奮闘記を得意にしている作家ですので、この手のものに外れは無いですね。

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