今日の読書 ヒトでなし 金剛界の章/京極夏彦
娘に死なれ、妻に捨てられ、職も失い何もなくなったヒトでなしと言われた中年男。
ヒトとしての感情や感覚が完全に欠落した男の回りには、破産した同級生や自殺しようとした女などが引き寄せられたかのように集まってきて、ヒトでなしによって何故か救われていく。
そんな形の京極夏彦作品の新シリーズもの1作目になります。
現代が舞台であり、この作品では完全に主人公視点、ヒトでなし視点でのやりとりやらなにやらですが、京極夏彦のデビュー作から続く、京極堂シリーズにどこか似ていて、シリーズ作品ではないですが、『死ねばいいのに』という作品に近いものを感じますね。
京極堂シリーズが、妖怪という装置を使った憑物落とし、衒学的な要素をふんだんに取り入れたものなのに対し、この新シリーズはヒトでなしによる、身も蓋もない極論であり正論で善悪の基準についていわゆる普通とされているものに覆い被さっている建前などををある意味無効化している感じですね。
京極堂シリーズが煙に巻きながら真相をむき出しにするスタイルだとするならば、この新シリーズは最初から善悪という基準そのものを破壊するヒトでなしの論理で憑物を落とす。
方法論の違いと、舞台設定が違うだけで京極夏彦らしい作品ですね。
ヒトとしての感情や感覚が完全に欠落した男の回りには、破産した同級生や自殺しようとした女などが引き寄せられたかのように集まってきて、ヒトでなしによって何故か救われていく。
そんな形の京極夏彦作品の新シリーズもの1作目になります。
現代が舞台であり、この作品では完全に主人公視点、ヒトでなし視点でのやりとりやらなにやらですが、京極夏彦のデビュー作から続く、京極堂シリーズにどこか似ていて、シリーズ作品ではないですが、『死ねばいいのに』という作品に近いものを感じますね。
京極堂シリーズが、妖怪という装置を使った憑物落とし、衒学的な要素をふんだんに取り入れたものなのに対し、この新シリーズはヒトでなしによる、身も蓋もない極論であり正論で善悪の基準についていわゆる普通とされているものに覆い被さっている建前などををある意味無効化している感じですね。
京極堂シリーズが煙に巻きながら真相をむき出しにするスタイルだとするならば、この新シリーズは最初から善悪という基準そのものを破壊するヒトでなしの論理で憑物を落とす。
方法論の違いと、舞台設定が違うだけで京極夏彦らしい作品ですね。