今日の読書 人魚の眠る家/東野圭吾
離婚直前の仮面夫婦状態の2人の元に、娘がプールで溺れたとの知らせが来る。
溺れた結果、娘は脳死判定をするかどうかという状況になっていたが、判定直前になり判定検査を拒否することになりというお話です。
幼児の脳死判定の扱い、臓器移植に関する日本の実情という社会問題と、どんな状況であっても娘を守り続け狂人扱いされたとしても構わないという覚悟の母親。
脳死という扱いと、生かそうと思えば生かせる事が揃っているというものに、東野圭吾得意の現実よりも少し進んだ、一般的にはまだ研究段階で完成しているとは言えないという理系技術を使った軽めのSF小説とジャンル分けするには現実的なSF設定を組み込んだ、人間の死とは?と考えさせるエンターテインメント作品になっています。
全てひっくるめて非常に東野圭吾作品らしい作品ですね、脳死という意味では脳移植というものを使ったサイコスリラー色の強い『変身』という作品を思い出してしまうのですが、同じ作者でも全く別物ですし、わかりやすい事件というものが絡らまなくても大丈夫というような作者の余裕を感じるのは実績なのかなと勝手に思ったりしますが、何気にこの作品の方が細かな点ではミステリーの手法は多用されている感じはします、比較するにもずいぶんと昔に読んだ作品ですので覚えてはいないのですが。
作家デビュー30周年記念作という扱いの本作は、記念という扱いにするだけの読者の間口の広さといろいろと詰め込んでいるにもかかわらず詰め込みすぎを感じさせないバランスと、露骨ではないSFの取り込み具合と東野圭吾の得意分野を全部入れましたという感じで楽しめました。
溺れた結果、娘は脳死判定をするかどうかという状況になっていたが、判定直前になり判定検査を拒否することになりというお話です。
幼児の脳死判定の扱い、臓器移植に関する日本の実情という社会問題と、どんな状況であっても娘を守り続け狂人扱いされたとしても構わないという覚悟の母親。
脳死という扱いと、生かそうと思えば生かせる事が揃っているというものに、東野圭吾得意の現実よりも少し進んだ、一般的にはまだ研究段階で完成しているとは言えないという理系技術を使った軽めのSF小説とジャンル分けするには現実的なSF設定を組み込んだ、人間の死とは?と考えさせるエンターテインメント作品になっています。
全てひっくるめて非常に東野圭吾作品らしい作品ですね、脳死という意味では脳移植というものを使ったサイコスリラー色の強い『変身』という作品を思い出してしまうのですが、同じ作者でも全く別物ですし、わかりやすい事件というものが絡らまなくても大丈夫というような作者の余裕を感じるのは実績なのかなと勝手に思ったりしますが、何気にこの作品の方が細かな点ではミステリーの手法は多用されている感じはします、比較するにもずいぶんと昔に読んだ作品ですので覚えてはいないのですが。
作家デビュー30周年記念作という扱いの本作は、記念という扱いにするだけの読者の間口の広さといろいろと詰め込んでいるにもかかわらず詰め込みすぎを感じさせないバランスと、露骨ではないSFの取り込み具合と東野圭吾の得意分野を全部入れましたという感じで楽しめました。