今日の読書 クロアチアを知るための60章/柴宜弘・石田信一編著
クロアチアは現在個人的に凄く気になる国の1つになっています。
現在ヨーロッパはイギリスがEUを抜けるとか、統一通貨のユーロが問題噴出だとか、難民が怒濤のごとく押し寄せてきて大パニックだとか、とかく大変な事になっているわけですが、私の持論としては必要以上に地域で関係性を強めてしまった結果、良い時は上手く回るシステムだけれども、悪い時は悪い方向に倍以上の力で回ってしまうという事になっているんだろうと。
EUは一応それぞれの国は独立国家として運営していますが、関係性を強め過ぎて独自の問題が出てきた時に独自解決の道を最初から閉ざしてしまっていたり、それこそ統一通貨であるユーロは実体経済と貨幣価値の乖離が出てきて損得ががねじれてしまったり、また、それによってそれぞれで不満をぶつける結果になったりと、大変だよねと。
もちろん、それぞれの国が協力関係を結ぶことは悪いことではないですし、それぞれの国が連携しようという姿勢は批難するものではないのですが、やっぱり独立国家として運営するからにはきちんと線引きはひつようになるのが当たり前でしょうと。
むしろ、線引きをした方が良いんじゃないかという考え方を一足飛びで偏狭なナショナリズムと批判する人が出てきたりすることが一番危険だと勝手に思います。
そして、独立国家として運営した方が結果的に良いよねという例としてユーゴスラビアの失敗というのは、もっと真剣に検討すべきものだと思うのですが、失敗の原因がそもそも混ぜるな危険と言うことにあったという解釈よりも、単純に共産主義の失敗、独裁政権の失敗と言うところに集約しすぎているのではないか。
もちろん共産主義も独裁政権もともに問題だらけですが、内戦という悲劇が起きたのは、混ぜるな危険と言うところにあったのは力点を置くべきでしょう。
ソ連の失敗はロシアという強大国が連邦国家として回りを従わせたという側面が強く、ある意味ロシアを悪者にしやすい構造があり、混ぜるな危険というよりも共産主義という看板の帝国主義的拡大主義だったと説明しやすいのですが、ユーゴスラビアはそれぞれの民族やユーゴスラビアとしてまとまる前の国家がそれぞれ全くの対等というわけではないのですが、ソ連におけるロシアという分かりやすい存在はいません(セルビアが多少そんな役回りではありますが)それだからこそ、民族や宗教の違いに目をつぶり、スラブ人だからまとめようと大同小異なノリで作った感のあるユーゴスラビアの失敗は、現在のEUの失敗と相似形と言っても良いのではないか、ユーゴスラビアの時のような殺し合いになるかは分かりませんし、そうなって欲しくはないのですが、近づきすぎた反動による憎悪の連鎖はある程度は覚悟しておかないとなぁと思ったり。
と言うことで、政治や歴史としてのユーゴスラビアというものへの感心はそれはそれであるのですが、その旧ユーゴスラビアの中で、どうしても優先順位が高くなるのがクロアチアになってしまうのは、我が愛すべきオーランド・マジックのルーキーであるマリオ・ヘゾニアがクロアチア人だからというのが大きいですね。
正直、政治問題や歴史問題よりも私の興味はスポーツの方が強いので、スポーツの世界、しかも私が興味を持ちやすい球技であるバスケットボールやサッカーで目立った存在であるクロアチアというのが興味の対象になるのは、普通のことですね。
長々と前置きをしましたが、本書は60のお題で説明するクロアチアと言うことで国の成り立ちといった歴史的背景や政治経済文化と言った現在進行形のものまで手広く扱った初心者向けのものになっています。
バルカンの歴史についても読んだばかりなので、それなりに重複していて知識の定着化に助かりましたが、クロアチア単体と言うことでは面白いのは改めて国土の形がブーメラン型で変わっているなとか、東欧という扱いでいたけれども、イタリアと海挟んで隣だよなとかあったりしますが、一番驚いたのは60章とは別口で書かれているコラムの中で発見した、モホロビチッチ不連続面ってクロアチアの学者が発見したものだったのねと言うことですかね。
モホロビチッチ不連続面が何であるかとかきちんと分かっていないのに、言葉の響きだけが好きと言うことで覚えているだけのものなのですがね。
そして、60章の中で1章だけスポーツについても扱っていて、バスケットボールやサッカーがメインなのですが、それこそこの2つを分けて紹介してもいいんじゃないかと思うくらいでしたね。
サッカーに関してはワールドカップで日本と対戦したというだけではなく、日本に来てサンフレッチェ広島でプレイしているミキッチの名前が出てきたりして、日本とクロアチアと距離感を縮めたいという書き手の思いが表れているなと思ったり。
1 国土と民族の成り立ち
2 クロアチアの近現代
3 政治・経済・国際関係
4 人々の暮らし
5 言葉と文化
6 マイノリティとディアスポラ
7 日本とのかかわり
現在ヨーロッパはイギリスがEUを抜けるとか、統一通貨のユーロが問題噴出だとか、難民が怒濤のごとく押し寄せてきて大パニックだとか、とかく大変な事になっているわけですが、私の持論としては必要以上に地域で関係性を強めてしまった結果、良い時は上手く回るシステムだけれども、悪い時は悪い方向に倍以上の力で回ってしまうという事になっているんだろうと。
EUは一応それぞれの国は独立国家として運営していますが、関係性を強め過ぎて独自の問題が出てきた時に独自解決の道を最初から閉ざしてしまっていたり、それこそ統一通貨であるユーロは実体経済と貨幣価値の乖離が出てきて損得ががねじれてしまったり、また、それによってそれぞれで不満をぶつける結果になったりと、大変だよねと。
もちろん、それぞれの国が協力関係を結ぶことは悪いことではないですし、それぞれの国が連携しようという姿勢は批難するものではないのですが、やっぱり独立国家として運営するからにはきちんと線引きはひつようになるのが当たり前でしょうと。
むしろ、線引きをした方が良いんじゃないかという考え方を一足飛びで偏狭なナショナリズムと批判する人が出てきたりすることが一番危険だと勝手に思います。
そして、独立国家として運営した方が結果的に良いよねという例としてユーゴスラビアの失敗というのは、もっと真剣に検討すべきものだと思うのですが、失敗の原因がそもそも混ぜるな危険と言うことにあったという解釈よりも、単純に共産主義の失敗、独裁政権の失敗と言うところに集約しすぎているのではないか。
もちろん共産主義も独裁政権もともに問題だらけですが、内戦という悲劇が起きたのは、混ぜるな危険と言うところにあったのは力点を置くべきでしょう。
ソ連の失敗はロシアという強大国が連邦国家として回りを従わせたという側面が強く、ある意味ロシアを悪者にしやすい構造があり、混ぜるな危険というよりも共産主義という看板の帝国主義的拡大主義だったと説明しやすいのですが、ユーゴスラビアはそれぞれの民族やユーゴスラビアとしてまとまる前の国家がそれぞれ全くの対等というわけではないのですが、ソ連におけるロシアという分かりやすい存在はいません(セルビアが多少そんな役回りではありますが)それだからこそ、民族や宗教の違いに目をつぶり、スラブ人だからまとめようと大同小異なノリで作った感のあるユーゴスラビアの失敗は、現在のEUの失敗と相似形と言っても良いのではないか、ユーゴスラビアの時のような殺し合いになるかは分かりませんし、そうなって欲しくはないのですが、近づきすぎた反動による憎悪の連鎖はある程度は覚悟しておかないとなぁと思ったり。
と言うことで、政治や歴史としてのユーゴスラビアというものへの感心はそれはそれであるのですが、その旧ユーゴスラビアの中で、どうしても優先順位が高くなるのがクロアチアになってしまうのは、我が愛すべきオーランド・マジックのルーキーであるマリオ・ヘゾニアがクロアチア人だからというのが大きいですね。
正直、政治問題や歴史問題よりも私の興味はスポーツの方が強いので、スポーツの世界、しかも私が興味を持ちやすい球技であるバスケットボールやサッカーで目立った存在であるクロアチアというのが興味の対象になるのは、普通のことですね。
長々と前置きをしましたが、本書は60のお題で説明するクロアチアと言うことで国の成り立ちといった歴史的背景や政治経済文化と言った現在進行形のものまで手広く扱った初心者向けのものになっています。
バルカンの歴史についても読んだばかりなので、それなりに重複していて知識の定着化に助かりましたが、クロアチア単体と言うことでは面白いのは改めて国土の形がブーメラン型で変わっているなとか、東欧という扱いでいたけれども、イタリアと海挟んで隣だよなとかあったりしますが、一番驚いたのは60章とは別口で書かれているコラムの中で発見した、モホロビチッチ不連続面ってクロアチアの学者が発見したものだったのねと言うことですかね。
モホロビチッチ不連続面が何であるかとかきちんと分かっていないのに、言葉の響きだけが好きと言うことで覚えているだけのものなのですがね。
そして、60章の中で1章だけスポーツについても扱っていて、バスケットボールやサッカーがメインなのですが、それこそこの2つを分けて紹介してもいいんじゃないかと思うくらいでしたね。
サッカーに関してはワールドカップで日本と対戦したというだけではなく、日本に来てサンフレッチェ広島でプレイしているミキッチの名前が出てきたりして、日本とクロアチアと距離感を縮めたいという書き手の思いが表れているなと思ったり。
1 国土と民族の成り立ち
2 クロアチアの近現代
3 政治・経済・国際関係
4 人々の暮らし
5 言葉と文化
6 マイノリティとディアスポラ
7 日本とのかかわり