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今日の読書 真田幸村と十勇士/山村竜也

今年は大河ドラマの主人公が真田信繁という正式名称にした真田幸村と言う事で、もともと人気のある素材なだけに便乗した関連本が沢山出ているようですが、これはただ便乗しただけではなく、真田十勇士をしっかりと扱ったものになります。

真田幸村というのが実は当時使われていなかったというのが昨今常識として流布され定着してきつつありますが、じゃあ幸村はどこから出てきたんだよというアプローチから、幸村と書かれている書が見つかり、これが本物かどうかの検証もかねて今後新たな展開があるのを期待するというのが、幸村を扱った部分では面白かったですかね。

基本真田家の次男として人質生活をしていたとか、関ヶ原の合戦で徳川秀忠を大遅刻させる原因になったとか、大坂の陣でのあつかいとかそこら辺は、さんざん目にしてきているので完全におさらいという感じ、全く知らない人向けにはコンパクトに分かりやすいとは思いますけれどもね。

私が面白く読んだ部分は真田十勇士について。

真田十勇士としてしっかりと固まったのは明治に入ってからの立川文庫でのこと、それまでの江戸時代の軍記物では目立った家臣というくらいの扱いでしかなかったり、それが真田七英傑とか十勇士という数が揃っていなかったり、物語によって人選も固まっていなかったりだったと。

それが、時代を経る事に完全に架空の猿飛佐助や霧隠才蔵が加わり十勇士に固まっていったと。

ただ、後発組で忍者設定を加えた猿飛佐助や霧隠才蔵がキャラとしてどんどん分かりやすい特徴が付いていったのに比べて、他のキャラは名前だけで扱いが雑、三好清海入道と三好伊佐入道の兄弟は最初は80歳過ぎの老人だったのがいつのまにか若者に変わっているように設定の一貫性がないとか、キャラクターものとしては十勇士として一括りにしているわりにはいろいろと勿体ない感じになっていると。

現在のキャラクターのかき分けの技術と比べると、整合性や一貫性に重きを置いていない明治に作られたものだったらば、仕方が無いと言えば仕方が無いのでしょうが、ある意味今の時代は過去の作品の粗削りな蓄積から粗をしっかりとできているからこそそう思えるのでしょうね。

架空のキャラクターを作ってまで親しまれるだけのものが真田幸村にはあるよという良い紹介になっている1冊ですね。

第1章 真田昌幸と幸村
第2章 大坂の陣と真田丸
第3章 真田十勇士の誕生
 「立川文庫」真田十勇士の誕生
 猿飛佐助 十勇士筆頭の超絶忍者
 霧隠才蔵 佐助と双璧の凄腕忍者
 三好清海入道 向こう見ずの大入道
 三好伊佐入道 兄に劣らぬ豪快入道
 由利鎌之助 真田三勇士に数えられた豪傑
 穴山小助 幸村の信頼厚き勇将
 海野六郎 猿飛佐助の義従兄
 望月六郎 弁舌に巧みな幸村の腹心
 筧十蔵 父の仇討ちをとげた豪傑
 根津甚八 幸村の最後の影武者

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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