今日の読書 ブラック・ドッグ/葉真中顕
人間が動物の命を犠牲にする、食肉などの殺生をする事が当たり前、それが人間と動物との違いだという伝統や常識を全否定する、種差別を克服せよという超極論主義な動物愛護団体DOG。
この過激派団体が、悪徳ペット販売会社が主催し、それに乗っかるようにいわゆる一般的な動物愛護団体が行う遺棄動物譲渡会も行うという清濁まぜこぜなイベントを乗っ取り、会場を封鎖し閉じ込めた状態で謎の黒い獣を解き放った。
人間だから命が重く、動物だから軽いというわけでは無い、だから人間も他の動物と同じく狩られる側に回るというのもそれはそれで平等という暴論によるテロ行為。
この脅威の中で閉じ込められた人々は生き残る事が出来るかというお話ですね。
種差別という極論を封じる論理というものは難しく、人間が動物を殺す事が倫理的に認められているものと、何故か同じ動物くくりで人間以外でも殺すと批判が出まくるもの、人間と動物との違いだけではなく、人間以外の動物の間にもある意味差別があるのは、越えられない壁であり、そこに論理もへったくれもなくなり、自分が正しいと決め込んだ人相手には何を言っても通じなくなるというのは、日本人であれば、鯨漁というものを通じて批判され差別されてきているので理解しやすい部分もありますが、そんなものから突き抜けて種差別という極論はなかなか狂気を感じますね。
閉じ込められた人々は、出自から何から分かりやすく倫理観の欠落している悪徳ペット業者もいれば、それに嫌悪感を示す一般的な動物愛護団体の人達、たまたまイベントで合焦をすることになった中学生達など混在していますすが、それぞれが所属している団体の中であっても、それぞれに問題を抱えた人間関係があったり、それが極限状態に閉じ込められて感情が剥き出しになったりと、パニック小説でありながら、種差別という極論が提示されているからこそ、極論ではない差別的な感情もまた浮き彫りになったりと人間の内面も楽しめるものになっています。
面白く読めましたが、いろいろとグロい結果もあるのでとりあえず映像化は辞めて欲しい作品です。
この過激派団体が、悪徳ペット販売会社が主催し、それに乗っかるようにいわゆる一般的な動物愛護団体が行う遺棄動物譲渡会も行うという清濁まぜこぜなイベントを乗っ取り、会場を封鎖し閉じ込めた状態で謎の黒い獣を解き放った。
人間だから命が重く、動物だから軽いというわけでは無い、だから人間も他の動物と同じく狩られる側に回るというのもそれはそれで平等という暴論によるテロ行為。
この脅威の中で閉じ込められた人々は生き残る事が出来るかというお話ですね。
種差別という極論を封じる論理というものは難しく、人間が動物を殺す事が倫理的に認められているものと、何故か同じ動物くくりで人間以外でも殺すと批判が出まくるもの、人間と動物との違いだけではなく、人間以外の動物の間にもある意味差別があるのは、越えられない壁であり、そこに論理もへったくれもなくなり、自分が正しいと決め込んだ人相手には何を言っても通じなくなるというのは、日本人であれば、鯨漁というものを通じて批判され差別されてきているので理解しやすい部分もありますが、そんなものから突き抜けて種差別という極論はなかなか狂気を感じますね。
閉じ込められた人々は、出自から何から分かりやすく倫理観の欠落している悪徳ペット業者もいれば、それに嫌悪感を示す一般的な動物愛護団体の人達、たまたまイベントで合焦をすることになった中学生達など混在していますすが、それぞれが所属している団体の中であっても、それぞれに問題を抱えた人間関係があったり、それが極限状態に閉じ込められて感情が剥き出しになったりと、パニック小説でありながら、種差別という極論が提示されているからこそ、極論ではない差別的な感情もまた浮き彫りになったりと人間の内面も楽しめるものになっています。
面白く読めましたが、いろいろとグロい結果もあるのでとりあえず映像化は辞めて欲しい作品です。