今日の読書 これならわかるよ!経済思想史/坪井賢一
経済学の学説、新古典派経済学、ケインズ経済学、マルクス経済学を3つの主要な思想として、その経済思想とはどういうもので、どう生み出され、時代によってどう受け取られ、どう変化してきたかというものを、経済学の知識が無い人にでもわかるようにとまとめたのがこの1冊になります。
経済思想史から入っていくと、学説の立ち位置が分かりそれぞれの学説がどういうものなのか分かりやすくなるはずという企画で書かれたもののようですが、全体像を掴むには有効なやり方ですね。
マルクス経済学はともかくとして、新古典派とケインズ経済学に関してはそれぞれの学説をアプローチが全く別のものとして分かりやすく提示して教えるというスタイルは、大学の経済学部でもおろそかにしているというか、経済学とはなんぞやというのを理解する前に雑多に情報が入り込んでしまうスタイルになっているのではないかと、経験論で語ってみたりします。
3つの学説に完璧な答えを持ち得ているものは正直ありません。
というか、基本的に社会科学系学問に絶対に正解となる分析結果ないし、分析を元にした完璧な対策というものはあり得ないと、少なくとも完璧に近い分析をするとなると、一体どれだけデータを入手すればいいのか分からないレベルであり、情報収集だけで全てが終わり、収集しているそばからデータが古くなると言う恐ろしい事になるのが関の山であると思います。
それを踏まえて、それぞれの学説はアプローチする方法や、優先順位のつけ方が違い、それぞれに得手不得手があると理解しておくことは重要でしょう。
それぞれの得手不得手に合致した社会状況、社会が好況か不況か、国主導の方が上手くいくのか民間主導の方が上手くいくのか、社会保障の拡大を目指した方が良いのか、社会保障が利権状態になっていないかなどなど、時と場合によるし、何が重要問題であるかどうかというのも、考える人によるというのが実際のところですからね。
ということで、経済学というものが出来上がってから現在まで、どういう状況下でそれぞれの学説が生まれ、どういう状況下では廃れ、またそれぞれの学説が影響し合ってきているのか、新古典派とケインズ経済学などは特に影響しあい過ぎて、似て非なるもので経済学の知識が無いとどっちがどっちだか分からなくなったり、日本の政権なんかですと、特に経済学理論をベースに物事を考えていないから、表看板で野郎としていることと、実際にやる政策が捻れを起こしていたりとか、それでもってその捻れが、やっている本人たちも理解していないからわけが分からなくなっているとか。
そういう、ある種カオスになっているところも理解する助けになる一冊になっていると思いますね。
全く経済学の知識が無い人も理解しやすいですし、もう一度頭を整理したい人が読んでも分かりやすくまとめられていると思い、知識の再確認に役に立ちました。
第1講 3つの経済思想と3つの政治思想 実際の政策は3つの思想のあいだを揺れ動く
第2講 古典派経済学 経済社会の変化がアダム・スミスの自由主義を生んだ
第3講 マルクス経済学 格差に注目が集まる21世紀に復活の可能性はあるか
第4講 新古典派経済学 勝ちを決めるのは人間の欲望だ
第5講 ケインズ経済学 市場には任せておけない
第6講 マネタリズム ケインズ批判からリーマンショックまで
第7講 21世紀の経済学 3つの経済思想は現代の課題を解決できるか
経済思想史から入っていくと、学説の立ち位置が分かりそれぞれの学説がどういうものなのか分かりやすくなるはずという企画で書かれたもののようですが、全体像を掴むには有効なやり方ですね。
マルクス経済学はともかくとして、新古典派とケインズ経済学に関してはそれぞれの学説をアプローチが全く別のものとして分かりやすく提示して教えるというスタイルは、大学の経済学部でもおろそかにしているというか、経済学とはなんぞやというのを理解する前に雑多に情報が入り込んでしまうスタイルになっているのではないかと、経験論で語ってみたりします。
3つの学説に完璧な答えを持ち得ているものは正直ありません。
というか、基本的に社会科学系学問に絶対に正解となる分析結果ないし、分析を元にした完璧な対策というものはあり得ないと、少なくとも完璧に近い分析をするとなると、一体どれだけデータを入手すればいいのか分からないレベルであり、情報収集だけで全てが終わり、収集しているそばからデータが古くなると言う恐ろしい事になるのが関の山であると思います。
それを踏まえて、それぞれの学説はアプローチする方法や、優先順位のつけ方が違い、それぞれに得手不得手があると理解しておくことは重要でしょう。
それぞれの得手不得手に合致した社会状況、社会が好況か不況か、国主導の方が上手くいくのか民間主導の方が上手くいくのか、社会保障の拡大を目指した方が良いのか、社会保障が利権状態になっていないかなどなど、時と場合によるし、何が重要問題であるかどうかというのも、考える人によるというのが実際のところですからね。
ということで、経済学というものが出来上がってから現在まで、どういう状況下でそれぞれの学説が生まれ、どういう状況下では廃れ、またそれぞれの学説が影響し合ってきているのか、新古典派とケインズ経済学などは特に影響しあい過ぎて、似て非なるもので経済学の知識が無いとどっちがどっちだか分からなくなったり、日本の政権なんかですと、特に経済学理論をベースに物事を考えていないから、表看板で野郎としていることと、実際にやる政策が捻れを起こしていたりとか、それでもってその捻れが、やっている本人たちも理解していないからわけが分からなくなっているとか。
そういう、ある種カオスになっているところも理解する助けになる一冊になっていると思いますね。
全く経済学の知識が無い人も理解しやすいですし、もう一度頭を整理したい人が読んでも分かりやすくまとめられていると思い、知識の再確認に役に立ちました。
第1講 3つの経済思想と3つの政治思想 実際の政策は3つの思想のあいだを揺れ動く
第2講 古典派経済学 経済社会の変化がアダム・スミスの自由主義を生んだ
第3講 マルクス経済学 格差に注目が集まる21世紀に復活の可能性はあるか
第4講 新古典派経済学 勝ちを決めるのは人間の欲望だ
第5講 ケインズ経済学 市場には任せておけない
第6講 マネタリズム ケインズ批判からリーマンショックまで
第7講 21世紀の経済学 3つの経済思想は現代の課題を解決できるか