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今日の読書 希望荘/宮部みゆき

『誰か』『名も無き毒』『ペテロの葬列』に続く、杉村三郎シリーズの4作目になります。

前作の『ペテロの葬列』で大きすぎる転機を迎え、その後私立探偵として独り立ちしてからの連作短編『聖域』『希望荘』『砂男』『二重身』の4編。

発端は人探しであるとか、故人の残した言葉が引っかかって過去について調べることになったりとか、いきなり大事件の依頼をされるというわけでもなく、それでいて日常の謎系のミステリー小説とするには日常と言い切れない事件であったりと、宮部みゆき作品らしい私立探偵を主人公としたミステリー小説。

『砂男』というタイトルの作品、タイトルだけ見た時は、安部公房の『箱男』『砂の女』という作品が混ざったような感じだなと勝手に思ったのですが、まさかメタリカの有名な曲であるエンター・サンドマンが関係してくるとは思いませんでした。

今まで宮部みゆき作品にハードロックやヘビーメタルを扱ったようなネタが出てくることって無かったのでその砂男なのかと、直接的に話のメインの謎ではありませんでしたが、タイトルはそういう意味なんだと。

ハードロックやヘビーメタル小ネタが入ってくるのが有栖川有栖だったらば驚かないというかハードロック小ネタは定番なんですけれどもね。

そして、エンター・サンドマンのサンドマンってヨーロッパのおとぎ話に出てくる魔物の事だったんですね、一応訳詞は読んだはずなのですが、しっかりは覚えていなかったというか、あまりきちんと考えた事もなかったので、今更知ることができて良かったなと思っていたりもします。

それが、まさか宮部みゆき作品で知ることになるとは思わなかったですし、この小説を読んで一番ひっかかりを感じたのがそこになる読者って、まぁいないでしょうねぇ。

このシリーズはこのまま続けていきそうだよなという感じがはっきりして続きが気になるのですが、初期の頃はともかく、そんなにハイペースで量産しなくなっているのでどうなるんでしょうね、それほど大作にしないのであれば次も3年後くらいでしょうか。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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