今日の読書 西郷の首/伊東潤
敗者に光を当てて、敗者は敗者ではあるが必ずしも悪であるとか、愚者であるというわけではなく、むしろ勝者よりも優れた部分もあったという扱いや、滅びたからこそ残したものがあるというような物語にするのが得意な伊東潤の作品ですが、幕末を扱ったものは薩摩関係者を主役にする事が多いのですが、今回は西郷の首というタイトルで薩摩の誰かを主人公にしているのではないかと思わせますが、主人公は西南戦争の最後となる城山の戦いで西郷隆盛の首を発見する事になった千田文次郞と大久保利通を暗殺する事になる島田一郎という2人の加賀藩士になります。
開国派と攘夷派入り乱れた幕末の中で、百万石という有力藩でありながら中立的立場という名の藩内分裂でどっちつかずで、結局幕末でないがしろにされる結果を招いた加賀藩。
そこで、国のためと熱い情熱を持ちながらも不条理に振り回され、幕藩体制が崩れても理想とはほど遠い扱いにしかならないもどかしさを持たざるを得ない状況に追い込まれ、友人の2人は異なる道を進む事になり、その結果はという事で、時代が急展開する中で翻弄されたり、その中で変化できるか、己を貫くかという激動の時代だよなと考えさせられるもので楽しめました。
開国派と攘夷派入り乱れた幕末の中で、百万石という有力藩でありながら中立的立場という名の藩内分裂でどっちつかずで、結局幕末でないがしろにされる結果を招いた加賀藩。
そこで、国のためと熱い情熱を持ちながらも不条理に振り回され、幕藩体制が崩れても理想とはほど遠い扱いにしかならないもどかしさを持たざるを得ない状況に追い込まれ、友人の2人は異なる道を進む事になり、その結果はという事で、時代が急展開する中で翻弄されたり、その中で変化できるか、己を貫くかという激動の時代だよなと考えさせられるもので楽しめました。