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今日の読書 逆説の日本史20幕末年代史編3/井沢元彦

井沢元彦のライフワークとなっている逆説の日本史シリーズの20作目になります。

幕末年代史の3つめは西郷隆盛と薩英戦争の謎というのをメインに扱っています。

逆説の日本史シリーズは、通説に対抗して逆説ということにしており、通説として定着させている歴史学会に対する限界というものを指摘し、通説でそう規定するのは問題ではないかというようなものをまとめ上げていく形であり、いわゆる歴史学会の弱点として文献至上主義、宗教的視点の軽視や欠如、専門的になりすぎたせいで通史としての視点の欠如というのに力点をおいているわけですが、幕末というか江戸末期からは特に朱子学の毒というのは、かなり力点が置かれていますし、いろいろと文献が多く残っている時代になってきているので、関わっている人物の性格というものを重視しているというのは特徴になりますかね。

ただ、これはシリーズを読み進めてきて思うことですが、このシリーズが書かれ始めた時代と比べて、現在は歴史的な視点の多様化、特に進歩主義的歴史観に対する懐疑的な論調であるとか、自虐史観的な固定概念に関する批判が苦も無く目に触れるような機会も増えてきているので、個人的には全体的に目新しさというのもは感じなくなってきてはいます。

幕末というのは歴史の中でも人気分野の1つであり、既に教科書的な通説以外のものも私が目にしているというのもあるのでしょうけれどもね。

ただ、朱子学の功罪の罪多目という観点は幕末の攘夷というものに対する観点の移り変わり、いわゆる小攘夷という夷狄は全部気合いでぶっ殺すというものから、とりあえず現実的に日本は現状ガチで戦ったら負けるよというものを踏まえ、攘夷をするなら開国して同等レベルになるまで国力あげてからという大攘夷思想に変化するまでのものは意識しておいて損はなにでしょうし、これを踏まえて二次大戦まで突っ走ったという事は頭に残しておいて良いでしょうね。

あとは、歴史の結果を知っているから薩長同盟とか上手くできる土壌があったと勘違いしがちだが、もの凄い奇跡的な結果でしかないし、長州の取った行動とか手段と目的が入れ替わったり、普通ならばさっさと決断すべき時に政争に使ってグダグダっぷりを発揮していたり、これは幕府型もそうですが、なんていうか今の日本の政治家のグダグダっぷりと被る要素は多すぎるなぁって・・・それを含めて日本人なんでしょうけれどもね。

第1章 1862年編 幕府を窮地に陥れた生麦事件と島津久光
第2章 1863年編 “攘夷は不可能”と悟らせた薩英戦争と下関戦争
第3章 1864年編 沖永良部島流罪の西郷赦免で歴史は動いた!

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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