今日の読書 猫と庄造と二人のおんな/谷崎潤一郎
読書感想文という課題がどうにも好きになれず、本を読んだら感想文を書きましょうという名形でセットで勧められて、それまで読書好きだったものが、急に面倒なものに感じられてしまい、読書から離れた時期があったりするくらいなのですが、今の時代も読書感想文の課題というのは存在するのかどうか分かりませんが、仮にそういった課題が夏休みの宿題として出されていた場合、何かの間違いで検索に引っかかる事もあるかもしれないというだけの理由で、この時期はできるだけ未読の文学作品を読むようにしているのですが、個人的な性癖に一致することはないですが、中々近い谷崎潤一郎は最近読んでいなかったなというのと、タイトルに猫とついているだけで、かわいらしい話と勘違いして手を出す義務教育を受けている年代の人がいるとしたら、それはそれで面白いかもしれないなぁという思惑もあり読みました。
愛想が良く回りに可愛がられるけれども、30を目前とした年齢としては全く頼りなく、自分の意思もないようにふらふらとしながら、右肩下がりな状態の荒物屋をしている庄造。
しっかり者で働き者ながら気が強い元妻の品子が、現妻である福子に庄造が溺愛している猫を譲って欲しいと手紙を送って来ることから話が始まるわけですが、猫を溺愛する庄造に対しては元妻も現妻も嫉妬心を抱いていたし、嫉妬して当然というくらいに度を過ぎた溺愛ぶりを庄造もしている。
猫を引き取ろうと考えている元妻は、猫が手元にいれば、元夫は我慢出来なくなって自分の所へやって来るのではないかという目論見があって引き取ろうとするし、現妻は溺愛ぶりを毎日見せつけられ嫉妬しているので、元妻の目論見も分かっていながら猫がいなくなれば夫がもう少し真っ当になるかもしれないとの計算もあるし、自分の不労所得によって家計をまかなっているという自負もあるので元妻の方にはいかずに、あくまでも嫉妬する対象は猫だけという計算もあるという、猫を中心とした変な三角関係のストーリーになりますし、結末というかオチは谷崎潤一郎作品らしいものになっています。
仮にこの本を読んで読書感想文に書くという猛者がいるとしたらば、感動して自分は庄造のような人間を目指したいと力強く書いて欲しいなぁと思わずにはいられない作品であることは間違いありません。
まぁ、日本文学作品の主人公って基本的にダメ人間だらけですので、主人公のような人生を送りたいと書いた瞬間に問題視されるものばかりでしょうが。
愛想が良く回りに可愛がられるけれども、30を目前とした年齢としては全く頼りなく、自分の意思もないようにふらふらとしながら、右肩下がりな状態の荒物屋をしている庄造。
しっかり者で働き者ながら気が強い元妻の品子が、現妻である福子に庄造が溺愛している猫を譲って欲しいと手紙を送って来ることから話が始まるわけですが、猫を溺愛する庄造に対しては元妻も現妻も嫉妬心を抱いていたし、嫉妬して当然というくらいに度を過ぎた溺愛ぶりを庄造もしている。
猫を引き取ろうと考えている元妻は、猫が手元にいれば、元夫は我慢出来なくなって自分の所へやって来るのではないかという目論見があって引き取ろうとするし、現妻は溺愛ぶりを毎日見せつけられ嫉妬しているので、元妻の目論見も分かっていながら猫がいなくなれば夫がもう少し真っ当になるかもしれないとの計算もあるし、自分の不労所得によって家計をまかなっているという自負もあるので元妻の方にはいかずに、あくまでも嫉妬する対象は猫だけという計算もあるという、猫を中心とした変な三角関係のストーリーになりますし、結末というかオチは谷崎潤一郎作品らしいものになっています。
仮にこの本を読んで読書感想文に書くという猛者がいるとしたらば、感動して自分は庄造のような人間を目指したいと力強く書いて欲しいなぁと思わずにはいられない作品であることは間違いありません。
まぁ、日本文学作品の主人公って基本的にダメ人間だらけですので、主人公のような人生を送りたいと書いた瞬間に問題視されるものばかりでしょうが。