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今日の読書 逆説の日本史21幕末年代史編Ⅳ/井沢元彦

井沢元彦のライフワークとなっている逆説の日本史シリーズ、幕末はネタが多いという事もあり幕末だけで4冊目になります。

1865年から1868年の4年間に起きたこと。

このシリーズは通説として流布されているものに対するものとして足りない視点は通史としての視点、当時の宗教的価値観の重要性を軽視している点、史料絶対主義、書かれている事を鵜呑みにし過ぎている点と、普通書き残してはまずいものは書き残さないだろうという想像力という事だとしてやって来ていて、史料絶対主義に対するツッコミは学者ではないからこそ開き直れる強み、ある意味では無責任になれる強さ(自分の推測である時は、状況証拠を並べて推測する根拠は提示するので、無責任というと言い過ぎにはなりますが)でやって来ていますが、幕末というか江戸時代篇からずっと力点を起き続けているのが朱子学が与えた影響でしょうね。

朱子学という超絶保守や排他的民族主義に陥りやすい思想の大いなるマイナス面と、天皇制という日本独自の権威があったからこそ激動の時代、江戸幕府という大きな権力構造が瓦解したあとであっても国としてひとつにまとまることが出来たプラス面という所、倒幕から王政復古への道のりは朱子学の影響抜きにはあり得なかったというものは、基本ここまで力点を置く説明は他では少ないですね。

サブタイトルに高杉晋作と維新回天の謎というものが付いていたりして、高杉晋作を持ち上げまくっていて、高杉晋作好きには相当嬉しい視点ではあるかもしれないですね。

残っている史料の量が増えているというのもあるのでしょうが、細かく検証する傾向がどんどん強まって時代の進むのがどうしても遅くなっているのは気になるのですよね。

連載が終わらないように引っ張っているという事ではないのでしょうが、基本通史としてどうやってまとめるのかなぁというのが気になっていると、これはいつ終わるんだ?ってなってしまって・・・

第1章 1865年編 “犬猿の仲”薩長を接近させた坂本龍馬の秘策
第2章 1866年編 天才・高杉晋作とミニエー銃が帰趨を制した「四境戦争」
第3章 1867年編 孝明帝の死と「倒幕の密勅」の衝撃
第4章 1868年編 江戸百万の人々を救った慶喜の「大功績」

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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