今日の読書 凍てつく太陽/葉真中顕
昭和二十年、終戦間際の北海道で国賊を監視する役割を特高警察は果たしていたが、連続毒殺犯が現れると、陸軍が捜査を阻む事になり、その裏に何があるのかと踏み込めず謀略に巻き込まれていく。
戦時下、皇国臣民として一枚岩となるべきにもかかわらず、出自によって差別もあるが、それによって単純化できず個々人の思惑、志向はそれぞれ絡み合い事件は着々と進み、日本も敗戦への道を着々と進む。
陰謀渦巻く中、毒殺犯の狙いは国家絡みの大きなものでありという、なかなかに重たい作品になります。
舞台装置が戦時下の日本ですから、戦争の結果という事に関しては敗戦という結末をいじるわけにはいかず、敗戦へ向かう状況下という極限状態だからこその展開は楽しめますし、当時の大日本帝国というところでの民族感、差別被差別という単純な二項対立には落とし込まない作りは、今の時代だからこそ書かれやすくなったかなと思えますかね。
とかく、敗戦後の日本は当時の役回りとして善悪価値固定化された扱いしかやれないような空気感が強かったように思えますし。
戦時下、皇国臣民として一枚岩となるべきにもかかわらず、出自によって差別もあるが、それによって単純化できず個々人の思惑、志向はそれぞれ絡み合い事件は着々と進み、日本も敗戦への道を着々と進む。
陰謀渦巻く中、毒殺犯の狙いは国家絡みの大きなものでありという、なかなかに重たい作品になります。
舞台装置が戦時下の日本ですから、戦争の結果という事に関しては敗戦という結末をいじるわけにはいかず、敗戦へ向かう状況下という極限状態だからこその展開は楽しめますし、当時の大日本帝国というところでの民族感、差別被差別という単純な二項対立には落とし込まない作りは、今の時代だからこそ書かれやすくなったかなと思えますかね。
とかく、敗戦後の日本は当時の役回りとして善悪価値固定化された扱いしかやれないような空気感が強かったように思えますし。