今日の読書 静おばあちゃんと要介護探偵/中山七里
デビュー作に当たる『さよならドビュッシー』のスピンオフ作品である『要介護探偵の事件簿』の強欲で筋が通らない事は許せず、清濁併せ呑むの濁成分多目の暴走社長である要介護探偵、『静おばあちゃんにおまかせ』の日本で20人目の女性判事だった高遠寺静という2人の老人がコンビという形になって事件を解決する連作短編集になります。
中山七里作品は登場人物が地続きになっていて、シリーズ物のキャラクターが別のシリーズに絡んでくるようなことはたびたびあり、主役級ならば気付くけれども脇役だったりすると気付かなかったりなんていうこともあったりするのですが、今回は両方とも主役級がガッツリとコンビを組んでいるので分かりやすいですね。
設定上どうしても、現在よりも微妙に昔である2005年という時代設定になりますが、それを理由に将来的な展望を見通すという慧眼っぷりとして上手く利用しているなと思えたりもしますね。
目的のためなら手段を選ばない暴走老人と、元判事である以上は例え悪辣な犯人だと分かっていても、それを証明するためにはきちんと法律の範囲で行動しなければいけないというブレーキ役のコンビ、老人という事でそれだけで偉いという事にはせず、むしろ老害と言われるような現状、自業自得から社会システムの不備によってそうなってしまったものまで、無理なく詰め込み事件解決という謎解き部分への楽しみだけではなく、過程そのものを気負わず楽しめるものになっていますね。
中山七里作品は登場人物が地続きになっていて、シリーズ物のキャラクターが別のシリーズに絡んでくるようなことはたびたびあり、主役級ならば気付くけれども脇役だったりすると気付かなかったりなんていうこともあったりするのですが、今回は両方とも主役級がガッツリとコンビを組んでいるので分かりやすいですね。
設定上どうしても、現在よりも微妙に昔である2005年という時代設定になりますが、それを理由に将来的な展望を見通すという慧眼っぷりとして上手く利用しているなと思えたりもしますね。
目的のためなら手段を選ばない暴走老人と、元判事である以上は例え悪辣な犯人だと分かっていても、それを証明するためにはきちんと法律の範囲で行動しなければいけないというブレーキ役のコンビ、老人という事でそれだけで偉いという事にはせず、むしろ老害と言われるような現状、自業自得から社会システムの不備によってそうなってしまったものまで、無理なく詰め込み事件解決という謎解き部分への楽しみだけではなく、過程そのものを気負わず楽しめるものになっていますね。