今日の読書 白魔のクリスマス 薬師寺涼子の怪奇事件簿/田中芳樹
ドラキュラも避けて通るという、通称ドラ避けお涼こと薬師寺涼子シリーズの最新作になります。
前作である『海から何かがやってくる』が作者自身の思想信条の発露に力点を全振りしてしまい、シリーズとしての持ち味の1つである時事ネタは小ネタとして使うというのを破壊してしまい、怪奇事件簿としての怪奇性については、本当に何か分からないまま行き当たりばったりで事件解決をしていくという残念な結果になってしまいました。
少なくとも私が面白いと思っていた、時事ネタは小ネタ落語で言うまくらとして使って、そこからは怪奇事件に力点が移り、事件解決に導くのは事件を分析しどうやら伝説上の怪物が絡んでいると想定し、知識の無駄遣いをフルに使って奮闘して事件を解決するという流れは今回もほぼほぼ無くなっていて、どうも作者は得体の知れないものを相手にするという事の方が面白いという考え方になったんだなぁって思わずにはいられないですね。
今回は雪山で巨大地震に巻き込まれて隔離状態に陥り、天候も悪く助けがなかなか来ないというクローズドサークルが出来上がった中での出来事ですが、ベタですが舞台装置は良いものが用意できているのに、何だか勿体ないというか伝説上の怪物を持ってくるという手法に力点を置くよりも、日本の批判的な時事ネタに力点を置きたいという事は変らないんだなぁって、前作ほど論理もへったくれもない行き当たりばったりではなくなったとは思いますが、もう私が期待する、私が面白いと思っていた方向性とは違う方に行きたいとなっているんだろうなぁと思うと寂しいですね。
それこそ、時事ネタというか現状批判そのものを書きたいのならば、そのために作品の良さを消し去るくらいに力点を全振りするよりも、コラムなりなんなりで批判そのものを書いてガス抜きした方が良いんじゃないかなぁと思うのですよね。
前作である『海から何かがやってくる』が作者自身の思想信条の発露に力点を全振りしてしまい、シリーズとしての持ち味の1つである時事ネタは小ネタとして使うというのを破壊してしまい、怪奇事件簿としての怪奇性については、本当に何か分からないまま行き当たりばったりで事件解決をしていくという残念な結果になってしまいました。
少なくとも私が面白いと思っていた、時事ネタは小ネタ落語で言うまくらとして使って、そこからは怪奇事件に力点が移り、事件解決に導くのは事件を分析しどうやら伝説上の怪物が絡んでいると想定し、知識の無駄遣いをフルに使って奮闘して事件を解決するという流れは今回もほぼほぼ無くなっていて、どうも作者は得体の知れないものを相手にするという事の方が面白いという考え方になったんだなぁって思わずにはいられないですね。
今回は雪山で巨大地震に巻き込まれて隔離状態に陥り、天候も悪く助けがなかなか来ないというクローズドサークルが出来上がった中での出来事ですが、ベタですが舞台装置は良いものが用意できているのに、何だか勿体ないというか伝説上の怪物を持ってくるという手法に力点を置くよりも、日本の批判的な時事ネタに力点を置きたいという事は変らないんだなぁって、前作ほど論理もへったくれもない行き当たりばったりではなくなったとは思いますが、もう私が期待する、私が面白いと思っていた方向性とは違う方に行きたいとなっているんだろうなぁと思うと寂しいですね。
それこそ、時事ネタというか現状批判そのものを書きたいのならば、そのために作品の良さを消し去るくらいに力点を全振りするよりも、コラムなりなんなりで批判そのものを書いてガス抜きした方が良いんじゃないかなぁと思うのですよね。