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今日の読書 ブルー/葉真中顕

平成が終わり令和となりましたが、改元にあわせて平成を振り返るというような特集は多くの媒体によって扱われたと思います。

平成がどういう時代であったかとなると、世代や立場によって感じ方が変ってくるとは思いますが、昭和末期のバブル経済の崩壊から立ち直れないまま過ぎ去った時代という分析は的外れでは無いと思います。

平成初期はバブル崩壊の影響を実感しないまま(あるいは適切に理解しきれていないまま)その後失われた何十年となる事に繋がるとは予想できていませんでしたが、実際に振り返ってみると平成は不景気の時代だった、もしくは国民全体が好景気を実感できるような社会作りは不可能な時代になっていたというものになるかもしれませんし、だからこそ少子高齢化特に少子化が進行したとも言えるでしょう。

本書はそんな平成が始まった日に生まれた殺人鬼についての物語になります。

平成16年と平成最後の年となる平成31年に殺人事件が起き、その事件を追っていくと、格差社会、児童虐待、子供の貧困、外国人労働者、風俗関係の事件と社会の受け皿を失い、自業自得も込みで掃いて捨てられるようにしか生きざるを得ない状況から派生していったものがあったというものですが、小説内での事件と平成の時代に実際に起きた事件を元ネタにしてみたり、現実世界で起きていた事件を類似例として引用してきたり、当時の流行り物や流行の曲など絡めて、時代性を色濃く反映させようという形で描かれています。

葉真中顕はロスト・ケアや絶叫など社会の暗部をがっつりと問題点は問題点として描きながらも、変に説教臭い方向には持っていかないバランスで成り立たせる社会派ミステリーが上手いと思っていますが、この作品もそれが成り立っていて素晴らしいなと思えますね。


書かれた時点は令和が発表されていないので、平成が終わるという所は書かれていても、令和が始まるという所が書かれていないとかはあるのが気になるといえば気になりますが、ある意味平成を振り返るには参考になるものになっていると思うので、改元記念に読んでみるとよさそうですね。

個人的には、結構イメージしやすい近隣の地域が出て来ただけでも楽しくて仕方が無いのですが、そういった読み方をする人がどれくらいいるのかは知りません。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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