今日の読書 ネメシスの使者/中山七里
明確にシリーズ物という括りにされているわけではないようですが、『テミスの剣』や『贖罪の奏鳴曲』に登場した埼玉県警の渡瀬刑事を主人公としたものになります。
テミス、ネメシスとギリシャ神話の神をタイトルにつけたものとしてシリーズ扱いにするのかもしれないですが、いかんせん作品世界が他のシリーズ物と共有されている登場人物が多くあるのも中山七里作品の特徴の1つなので把握しているものと、ひっかかりはあるけれどもどの作品でメインにいたことがあったか覚えきれていないのとあるのですけれどもね。
ネメシスというとギリシャ神話の復讐の女神、義憤の女神ということらしく、今回の軸になる事件は死刑判決を免れた、死刑になってしかるべきと思ってしまうような犯人の家族が殺されたという事件。
日本の司法の問題点、死刑というものに対する扱い、いわゆる人権派という表看板を使って加害者保護がすすみ、被害者保護という観点が希薄になっているという一般人の感覚と司法の扱いの乖離というももの、自分が正義という立場であると安心できるところから、悪人と断定できる相手に何をしても許されると無自覚に悪意をぶつけても構わないというもの、いろいろと詰め込めるだけ詰め込み、どんでん返しの帝王らしくまとめるというものになります。
感情論によって極端から極端に走ってしまう、日本の問題点という扱いになっていますが、日本だけの問題と言うよりも、世界でも倫理面や宗教面の問題を見ると極端と極端の殴り合いみたいになっているので、人間にとってある程度普遍的な問題なのではないかと思いますが、そういった極論によって社会が振り回されているという現実と照らし合わせて考えて読んでいくと面白く感じるのではないでしょうか。
一昔前の社会派ミステリーというものは過分に権力との対立みたいなものが多かったのではないかと私は偏見を持って考えていますが、全ての面において単純化しようとする事そのものが害悪なんじゃないかと思い直せる作品が現代の社会派ミステリーの傾向になっているのではないかと個人的に感じるものがあり、作品として楽しめるものになっているなと感じます。
テミス、ネメシスとギリシャ神話の神をタイトルにつけたものとしてシリーズ扱いにするのかもしれないですが、いかんせん作品世界が他のシリーズ物と共有されている登場人物が多くあるのも中山七里作品の特徴の1つなので把握しているものと、ひっかかりはあるけれどもどの作品でメインにいたことがあったか覚えきれていないのとあるのですけれどもね。
ネメシスというとギリシャ神話の復讐の女神、義憤の女神ということらしく、今回の軸になる事件は死刑判決を免れた、死刑になってしかるべきと思ってしまうような犯人の家族が殺されたという事件。
日本の司法の問題点、死刑というものに対する扱い、いわゆる人権派という表看板を使って加害者保護がすすみ、被害者保護という観点が希薄になっているという一般人の感覚と司法の扱いの乖離というももの、自分が正義という立場であると安心できるところから、悪人と断定できる相手に何をしても許されると無自覚に悪意をぶつけても構わないというもの、いろいろと詰め込めるだけ詰め込み、どんでん返しの帝王らしくまとめるというものになります。
感情論によって極端から極端に走ってしまう、日本の問題点という扱いになっていますが、日本だけの問題と言うよりも、世界でも倫理面や宗教面の問題を見ると極端と極端の殴り合いみたいになっているので、人間にとってある程度普遍的な問題なのではないかと思いますが、そういった極論によって社会が振り回されているという現実と照らし合わせて考えて読んでいくと面白く感じるのではないでしょうか。
一昔前の社会派ミステリーというものは過分に権力との対立みたいなものが多かったのではないかと私は偏見を持って考えていますが、全ての面において単純化しようとする事そのものが害悪なんじゃないかと思い直せる作品が現代の社会派ミステリーの傾向になっているのではないかと個人的に感じるものがあり、作品として楽しめるものになっているなと感じます。