今日の読書 都立水商 1年A組/室積光
水商売を専門に学ぶ都立高校として日本で初めて設立された都立水商を舞台とした物語の18年ぶりの続編になります。
前作から25年過ぎ、学校設立の頃尽力した教師も定年を意識する年齢になっていたり、卒業生は教師として戻ってきたり、また前作は独自路線の高校という特異な立場としての物語であると同時に高校野球小説でもあった流れで、その当時の野球部の息子達も入学してきたりと続編らしさも強調されています。
今回はいじめによってカンニングの濡れ衣をかけられ、ここしか受かる高校がなくて、仕方が無くマネージャー科に通うようになった敦史を中心に、問題を抱えていたり、異様に癖が強かったり、する同級生や先輩達に囲まれて、いわゆる普通の高校生とは違い卒業後に水商売の即戦力となるべく実践的な勉強を通して奮闘するというのを中心として描かれます。
この手の設定となると、基本的にはダメ人間や学力的に落ちこぼれという側面が強調されがちですし、実際前作はそういう所も描かざるを得ませんでしたが、別の問題を抱えているという側面であるとか、基本的に野球で成功してそのために入学してくるとか特種な学校であるけれどもバカの吹きだまりという描かれ方は全くされません。
この学校のタブーとして、~らしく、男らしくや女らしく、高校生らしくという固定化された価値観に囚われるというものがあり、基本的に性善説のような世界観となってもいます。
固定概念によって存在そのものがなにがしかの不利益を得る事からの脱却というのが、リベラルという考え方であると思いますが、どうも昨今はリベラルという看板を使った寛容を強要するという不寛容というか、固定概念に捕らわれていてそれ以外を認めようとする気持ちが一切無い保守的な人間は全否定するという暴力的なカウンター勢力が悪目立ちしていると思いますが、本来あるべきリベラルな感覚というのはこういう事だよねという提示の1つになっているのではないかと思える小説だと思いますし、そういった面倒臭い思想を横に置いて、純粋に青春小説として気楽に楽しめる作品でもありますね。
前作から25年過ぎ、学校設立の頃尽力した教師も定年を意識する年齢になっていたり、卒業生は教師として戻ってきたり、また前作は独自路線の高校という特異な立場としての物語であると同時に高校野球小説でもあった流れで、その当時の野球部の息子達も入学してきたりと続編らしさも強調されています。
今回はいじめによってカンニングの濡れ衣をかけられ、ここしか受かる高校がなくて、仕方が無くマネージャー科に通うようになった敦史を中心に、問題を抱えていたり、異様に癖が強かったり、する同級生や先輩達に囲まれて、いわゆる普通の高校生とは違い卒業後に水商売の即戦力となるべく実践的な勉強を通して奮闘するというのを中心として描かれます。
この手の設定となると、基本的にはダメ人間や学力的に落ちこぼれという側面が強調されがちですし、実際前作はそういう所も描かざるを得ませんでしたが、別の問題を抱えているという側面であるとか、基本的に野球で成功してそのために入学してくるとか特種な学校であるけれどもバカの吹きだまりという描かれ方は全くされません。
この学校のタブーとして、~らしく、男らしくや女らしく、高校生らしくという固定化された価値観に囚われるというものがあり、基本的に性善説のような世界観となってもいます。
固定概念によって存在そのものがなにがしかの不利益を得る事からの脱却というのが、リベラルという考え方であると思いますが、どうも昨今はリベラルという看板を使った寛容を強要するという不寛容というか、固定概念に捕らわれていてそれ以外を認めようとする気持ちが一切無い保守的な人間は全否定するという暴力的なカウンター勢力が悪目立ちしていると思いますが、本来あるべきリベラルな感覚というのはこういう事だよねという提示の1つになっているのではないかと思える小説だと思いますし、そういった面倒臭い思想を横に置いて、純粋に青春小説として気楽に楽しめる作品でもありますね。