今日の読書 護られなかった者たちへ/中山七里
どんでん返しの帝王という評価は、作品作りにおいて足枷になりそうな気もするのですが、異名のまま貫き通し今回も最後の最後まで結末が分からない、少なくともまだ何か残っているし、気になるところはしっかりと誰にでも分かるように提示したうえで、やっぱり仕掛けてあったよねというものになります。
護られなかった者たち、日本の社会福祉政策制度の限界、どんなものにもなにがしかの線引きというものは存在し、一定の以上の正当性と当事者からすれば理不尽にしか思え無いもの、その理不尽の原因も多種多様であって、政策としての限界は予算という絶対的な壁があり、また運用面では悪用する前例がある以上は性善説で回すわけにはいかず、また単純にお役所仕事というものまであったりと単純化できないもの。
そういった社会福祉関係の現場に関わる、仕事面でも私生活でも真面目という評価しか受けていないような男が無残な死体として発見された事件を発端に物語が始まっていくというものになります。
社会派ミステリーになると、ミステリー要素よりも社会派という方に力点が置かれる作品というのが多目になってしまいますが、それすら利用して最後まで仕掛けてくるというのが、中山七里作品らしいものになっていて、その徹底ぶりは改めて凄いと思わざるを得ないものになっています。
護られなかった者たち、日本の社会福祉政策制度の限界、どんなものにもなにがしかの線引きというものは存在し、一定の以上の正当性と当事者からすれば理不尽にしか思え無いもの、その理不尽の原因も多種多様であって、政策としての限界は予算という絶対的な壁があり、また運用面では悪用する前例がある以上は性善説で回すわけにはいかず、また単純にお役所仕事というものまであったりと単純化できないもの。
そういった社会福祉関係の現場に関わる、仕事面でも私生活でも真面目という評価しか受けていないような男が無残な死体として発見された事件を発端に物語が始まっていくというものになります。
社会派ミステリーになると、ミステリー要素よりも社会派という方に力点が置かれる作品というのが多目になってしまいますが、それすら利用して最後まで仕掛けてくるというのが、中山七里作品らしいものになっていて、その徹底ぶりは改めて凄いと思わざるを得ないものになっています。