今日の読書 笑え、シャイロック/中山七里
入社後好成績を収めていた若手銀行員結城は都内の大型店舗の債権の取り立て部署に配属が決まり、そこで伝説の債権回収マンでありシャイロックの悪名を持つ山賀の部下になることが決まった。
この世の中で一番大事なものは金という山賀の考え方に最初は疑問を持つものの、銀行の不良債権の持つ意味、経済を回す金という存在について叩き込まれ、事件に巻き込まれながらも債権回収の仕事に邁進するという話になります。
基本的に債権回収の対象に向かい、ない袖は振れぬと開き直っている借手からあれこれ手を尽くして不良債権処理をしていくという話の積み上げで章割りがあり、全体を通して事件解決に向かうという連続ドラマ的な長編になります。
単なる怠惰な債務者だけではなく、昔ながらの町工場、新興宗教や元政治家、反社会組織まで段階を踏んで難敵が現れていくというもの。
中山七里作品は明確にシリーズ物というものではなくても、同一世界上のもとで繋がりがあるのも特徴になりますが、新興宗教である奨道館は名前だけではすぐに思い出せなかったのですが、借金を背負った背景の1つがもろに重要な話として過去作品に出て来ていたので、そういやそんな話があったなと分かりました。
中山七里は、どんでん返しの帝王というのが縛りになっているかのように、最後の最後までまだこれが結末では無いんじゃ無いかとなる事が多いのですが、今回もこれが結末かなというのを勝手に判断してはいけないなというものになっています。
ミステリー小説としても楽しめますが、日本経済の現状であるとか、職業倫理であるとか、責任者とはどういったものかというのを考えるにも、有効な作品ではないかなと思いますね。
この世の中で一番大事なものは金という山賀の考え方に最初は疑問を持つものの、銀行の不良債権の持つ意味、経済を回す金という存在について叩き込まれ、事件に巻き込まれながらも債権回収の仕事に邁進するという話になります。
基本的に債権回収の対象に向かい、ない袖は振れぬと開き直っている借手からあれこれ手を尽くして不良債権処理をしていくという話の積み上げで章割りがあり、全体を通して事件解決に向かうという連続ドラマ的な長編になります。
単なる怠惰な債務者だけではなく、昔ながらの町工場、新興宗教や元政治家、反社会組織まで段階を踏んで難敵が現れていくというもの。
中山七里作品は明確にシリーズ物というものではなくても、同一世界上のもとで繋がりがあるのも特徴になりますが、新興宗教である奨道館は名前だけではすぐに思い出せなかったのですが、借金を背負った背景の1つがもろに重要な話として過去作品に出て来ていたので、そういやそんな話があったなと分かりました。
中山七里は、どんでん返しの帝王というのが縛りになっているかのように、最後の最後までまだこれが結末では無いんじゃ無いかとなる事が多いのですが、今回もこれが結末かなというのを勝手に判断してはいけないなというものになっています。
ミステリー小説としても楽しめますが、日本経済の現状であるとか、職業倫理であるとか、責任者とはどういったものかというのを考えるにも、有効な作品ではないかなと思いますね。